令和7年度の研修医の声

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印刷用ページを表示する 掲載日:2025年10月6日更新

自治医科大学附属病院 初期研修医 ○○

福島県南会津病院の皆様

拝啓

朝夕は涼しい風を感じる季節となりましたが、皆様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

この度は、令和7年7月から8月までの2か月間、貴院での地域研修をさせていただきありがとうございました。

私は普段大学病院で研修しており、外来や救急車の対応についての経験がほとんどありませんでした。そのため、初めのうちはほとんどやり方が分からず、時間がかかってしまうことも多く、スタッフの皆様にご迷惑をおかけしました。しかし、先生方の手厚いご指導を頂きながら、経験を重ねるごとに診療の考え方や患者とのコミュニケーションの取り方について少しずつではありますが身に着けることができました。また、患者に対しての問診のコツや検査結果や方針の説明の仕方についても細かく教えていただき、大変勉強になりました。

また、南会津地域では広大な医療圏で病院が1つだけという特性もあり、高齢者も多いことから、疾患を治療するだけでなく、その後の方針について社会的な調整を行いながら診療を行うという考え方を身に着けることができたと思います。ADLや住居家族、自宅の設計などを考慮しながら帰宅させるのか、施設に入所させるのかといった最終的なGOALを決めて診療を行うのは新鮮な経験で、どれくらいのことが自分で出来るのか、支えられる家族がいるのかといった情報についても診療の上で考慮しなくてはならないということを身に染みて感じることが出来ました。今後高齢化が進んでいく中で診療を行っていくうえで非常に大切な視点であり、学ぶことができて良かったと感じております。

先生方をはじめ、多職種のスタッフの皆様方に支えていただきながら、研修を充実したものにすることができました。心より感謝申し上げます。貴院で学んだことを今後医師として生かすことが出来るよう精進参ります。

厳しい残暑も残りわずかとなりましたが、皆様におかれましては、どうぞご無理なさらずお身体を大切になさってお過ごしください。

敬具

令和7年8月29日

自治医科大学附属病院 研修医2年○○

南会津病院の皆様へ

拝啓

晩夏の候、皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。

この度は地域研修に際し、温かいご指導を賜り誠にありがとうございました。私の祖母の実家が昭和村にあり、子供のころからよく訪れていたこともあって、南会津は私にとって身近な地域でありました。そのため今回の地域研修先として貴院を選択いたしましたが、改めて地域の実情を学ぶことができ、非常に有意義な期間を過ごすことができました。

研修では、様々な背景や生活環境を抱える患者さんを担当させていただきました。疾患の治療のみならず、退院後の生活を考慮した医療と福祉の提供について学ぶことができ、大学病院の研修では得難い貴重な経験となりました。一般外来や当直、救急車対応などこれまで経験の少なかった経験を積むことができ、未熟ながらも成長を実感することができました。

一方で、他の同年代の研修医と比較して自らの実力不足を痛感し、今後の研修のあり方を深く考える機会となりました。これまでは自分ができないことは自分の不利益で済んでいたことが、医師3年目以降主治医となった時に、自分のできないことが患者さんの不利益に直結するということを強く実感するようになりました。私は来年度腎臓内科に入局する予定です。将来的にはマルチプロプレムを抱える透析患者のマネジメントを担うことが求められるため、専門領域にとらわれず幅広く対応できる内科医になりたいと思います。自分の選択に責任を持ち、残りの研修の期間では必要な知識と技術を習得できるよう、積極的に取り組む姿勢を常に心掛けていきたいと思います。

未熟なために、ご迷惑をおかけすることも多々あったかと存じますが、時には厳しく、また温かくご指導いただきましたこと、心より感謝申し上げます。残暑なお厳しき折、皆様のご健勝とご発展を心よりお祈り申し上げます。

敬具

自治医科大学 医学部5年○○

拝啓

初秋の候益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。

8/25ー9/5の間、南会津病院にてCBCL実習でお世話になりました、自治医科大学医学部 5年(福島50期)の〇〇と申します。この度は大変お忙しい中ご指導いただきまして誠にありがとうございました。佐竹秀一先生をはじめ、大変多くの方々にご指導いただき、非常に実りある実習となりました。

今回の実習では、南会津地区の広大な土地を見学させていただいたり、様々な職種の見学・体験をさせていただいたりなどこの地域でしか学べない体験を多くさせていただきました。特に印象に残っている実習は地域距離研修と看護体験です。地域距離研修では檜枝岐村や舘岩・伊南・南郷地区などを回り、その地区に住む患者さんの視点から南会津病院に受診することの難しさや、診療所の有無・救急車の配置など各地区の医療の特色を学ばせていただきました。看護体験では、病棟看護実習と訪問看護実習を体験しました。1日看護師の方に付いて様々な手技などを体験させていただき、実際の職務を実感することができました。南会津病院の看護師の方々の細やかな配慮を実際に拝見し、大変貴重な体験となりました。特に入浴介助では患者さんがいらっしゃる部屋の中で浴槽を組み立て、負担を減らしていたことが印象に残っております。実際看護師をはじめ様々な職種を体験することで、より重要性を実感することができました。

本実習を通じて最も強く学んだことは、地域医療において、特に南会津地区で求められる医師像についてです。各科の専門性に特化した知識や技術ももちろん重要ですが、それ以上に内科・外科の範囲を超えるような幅広い視点を持ち、患者さんがそのときに必要としていることをまず受け止め、できる範囲で実践してみる姿勢こそが地域で信頼される医師に必要な資質であると感じました。南会津病院の先生方が、診療の場面ごとに臨機応変に対応されている姿を拝見し、私自身も将来そのような姿勢を持った医師を目指したいと思うようになりました。

改めまして、今回の実習にてご指導・ご支援いただきました先生方、病院スタッフの皆様に心より御礼申し上げます。

末筆ながら、皆様のますますのご健勝とご発展をお祈り申し上げます。

敬具

令和7年9月5日

自治医科大学 医学部5年○○

拝啓

日ごとに暑さも和らいでまいりました。皆さまにおかれましてはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。この度は2週間南会津病院をはじめ、なかやクリニック、朝日診療所、あかまつ荘、田島ホーム、南会津消防にて実習させて頂き、非常に濃密な学習ができました。

心より感謝申し上げます。

地域距離実習では舘岩、南郷、檜枝岐、伊南を巡り、南会津地域からの受診の負担を実感致しました。外来見学では地域の感染流行を踏まえた診察や家庭での生活に目を向けた診療の大切さを学ぶことができました。なかやクリニックでは中谷先生の診察を拝見し、内科診察のみならず外科的な処置や膝関節内注射など幅広く対応されている姿に触れ、自らもそのような医師を目指して研鑽を積みたいと考えました。朝日診療所では自身で継続的に診る場合でも、先生が南会津病院から診療所の自分宛てに紹介しており、患者さんの受診負担を軽減する取り組みに触れることができました。訪問診療ではご家族の介護負担や不安を重点的に聞き、適切なサービスの利用の仕方を一緒に考える姿勢を学びました。その方法の一つとしてご家族が不在の際にケアを行った際にご家族にお伝えしたいことやご家族の方から不安や気になる点を医療者に伝えるための交換ノートは印象的で、将来の訪問診療に取り入れたいと思いました。訪問看護体験では使用して良い介護用具やごみの捨て方などをその家に合わせて行うことやこれまで長く介護されてきたご家族のやり方を尊重する重要性や難しさを体感しました。病棟看護体験では看護業務を体験させて頂きつつ、連携する上で看護師は医師に求める姿勢や連絡を教えて頂きました。あかまつ荘では利用者さんとの交流や入浴介助を通じて、支援の難しさとともに言葉や表情、仕草から思いを汲み取ることの大切さを感じることができました。田島ホームでは健康状態の確認の他、利用者さんの困りごとや介護上の課題も一緒に聞きながら回診していくことを学びました。消防実習では3次医療機関までの搬送時間が長いことへの対策として救急要請時点でドクターカー・ヘリを呼ぶ、初動要請や救急車内での心電図を医師に画像で送信して共有するなどの連携を教えて頂きました。

全体を通して、受診負担が大きく、3次医療機関までのアクセスが悪い中で、多職種、多施設が連携し、皆様が個々に努力し工夫することで患者さんが受ける医療・福祉水準が守られていることを体感致しました。

実習に際しましては未熟なためにご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げますとともに、温かいご指導を賜りましたことに改めて御礼申し上げます。

結びとなりますが、皆様のますますのご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。

敬具

令和7年9月5日

自治医科大学 医学部5年○○

南会津病院の皆様へ

拝啓

時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。2025年8月25日から9月5日までの2週間、貴院で実習させていただいた自治医科大学5年生の〇〇と申します。お忙しいところ、県立南会津病院の多くの方に大変お世話になりました。また、大学病院では経験できない貴重な経験をさせていただき誠に感謝しております。

南会津病院では、外来の見学をさせていただきました。見させていただいたどの診療科でも、患者は先生への信頼が厚く、アットホームな診察で行っていたのが印象的でした。病気の診察だけでなく、患者の家庭のことや仕事の話にも耳を傾けていて、信頼関係を築く上で大切なことであると認識させられました。看護師体験もさせて頂きました。服薬管理、清潔ケア、褥瘡回診、体位変換、食事介助などなど書ききれないほどの業務をこなしており、看護師の業務の大変さを身に沁みて痛感いたしました。また、訪問看護にも同行させていただきました。看護師は、病状や健康について看るだけでなく、家族の心配事や家庭の様子にも耳を傾けていていました。入浴介助に来ていたヘルバーとも情報共有をとっていたのは、多種職での連携を学ぶ良い機会になりました。

田島ホームでは、実際に特別養護老人ホームがどう運営されているのかを見学しました。介護士や看護師が、施設の利用者を注意深く見守り、普段の様子や変わったことがないかなどを医師に情報共有することで、医師が診察を円滑に行えているのを見ることができました。

なかやクリニックと朝日診療所の見学もさせて頂きました。どちらも、南会津病院との距離があり、ゲートオーブナーの役割を果たしている様子を見学することができました。朝日診療所で患者に話を伺う機会があり、診療所があるおかげで坂下厚生総合病院まで1時間30分かけなくても診察や処方をしてもらえると仰っていていました。佐竹秀一先生をはじめとする南会津病院の方々、なかやクリニック、朝日診療所、田島ホーム、あかまつ荘、南会津消防署の皆様に大変お世話になり、心より感謝申し上げます。末筆ながら、皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。

敬具

2025年9月5日

会津中央病院 初期研修医〇〇

拝啓

秋冷の候、貴院ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

このたびは2025年9月に地域医療研修の機会をいただき、誠にありがとうございました。お忙しい中、受け入れのご配慮と温かな声かけを賜り、心より感謝申し上げます。

今回の研修では、広い南会津地域を支える中核病院としての貴院の役割を現場で実感しました。医療機関のアクセスが限られ、人的・物的資源にも制約がある中でも、各職種が力を合わせ、最善を尽くしている姿に深く敬意を抱きました。

外来診療では、常に高次医療機関への搬送を視野に置きつつ、「いま、この場」で最適な検査・治療を選ぶ判断の積み重ねを学びました。対応可能な範囲を客観的に見極め、限られた手段で鑑別すべき重篤疾患を鑑別し、否定しきれない場合は速やかに高次医療へつなぐ思考過程と判断の重要性と難しさを改めて感じました。

在宅訪問診療に同行し、患者さんが実際に暮らす場に即した支援の組み立てを具体的に学びました。通院距離や社会資源の不足、身寄りの有無などがポトルネックになり得る現実を目の当たりにし、その中でも望まれる生活を支えるためにどのような医療や支援を組み合わせるかを、より立体的に考えるきっかけとなりました。また、多職種がそれぞれの専門性を持ち寄り、患者さんのためにもう一歩踏み込んで親身に取り組み、「患者さんにとって無理のない最善」を丁寧に形にしていく現場にも触れ、その意義とやりがいを強く感じました。

加えて、夜間帯には医師がCT撮影を担う運用に合わせて手順を標準化する、といった細かな工夫で業務の効率化を図り、働き方を改善してゆく姿勢はこれから不可欠なものであると実感しました。

短い期間ではありましたが、皆様のご厚情に支えられ、地域医療の実際と多職種連携の力を肌で学ぶとともに、医療や医師の職務そのものを多角的に捉える機会となりました。重ねて御礼申し上げます。結びに、貴院のいっそうのご発展と職員皆様のご健勝をお祈り申し上げ、お礼のご挨拶とさせていただきます。

敬具

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