令和4年度第4回廃炉安全確保県民会議(現地調査)
開催結果
令和4年度第4回廃炉安全確保県民会議(現地調査)
令和5年3月22日(水)、令和4年度第4回福島県原子力発電所の廃炉に関する安全確保県民会議(略称:廃炉安全確保県民会議)において、東京電力福島第一原子力発電所の現地調査を実施しました。
1~4号機原子炉建屋外観俯瞰エリア 海洋生物飼育試験施設のヒラメ
概要
福島第一原子力発電所の廃炉に向けた取組の進捗を直接確認するため、現地調査(原子炉建屋外観、海洋生物飼育試験施設、ALPS処理水サンプル等)を実施しました。
構成員からは、大型カバーの設置や凍土壁内側の地下水の安全性、風評対策、ALPS処理水の設備についての質問が出されました。
質疑応答
【1号機カバーの設置に関する質疑】
Q:1号機のカバー設置について、最初、風対策で一度カバーをかけ、外し、新たに設置して、ガレキを撤去すると伺ったが、最初から全体を覆うカバーを設置することは考えていなかったのか。
A:1号機は事故直後、爆発した状況で、ダストが放射性物質とともに舞い上がるのを防ぐため、覆うだけの機能であり、特にあの中で作業ができるという構造ではない。ある意味スピード優先で設置した。
その後、1号機の使用済燃料を取り出すため、ガレキを撤去しなければならず、いったんカバーを外し、ガレキの撤去作業に入った。今後さらに大きなガレキを撤去する際に、放射性物質を含むダストにより、帰還が始まっている地域の皆様に迷惑をかけないように、もう一度カバーをつけ直すものである。
【凍土壁内側の地下水に関する質疑】
Q:サブドレンで地下水を汲み上げて海洋放出という説明があったが、凍土壁の内側にあるサブドレンの水も海洋放出しても大丈夫なのか。
A:サブドレンについては、凍土壁の内側に降った雨が元となる地下水である。いったん汲んだ後、浄化した上で放出している。処理水との違いは、浄化した段階でトリチウム濃度が1500ベクレル未満、それから、セシウムの濃度も基準を満足しているので、希釈せずに港湾の中に放出している。
【風評対策に関する質疑】
Q:国内では、ネガティブな情報や新しい情報の両方が伝えられるが、海外では一部の内容が切り取られて、どちらかというと皆さんが飛び付くようなニュースとなってしまう。しっかりとした風評対策をやっていかなければならないと実感している。今日の現地調査のように現場に来てもらい、実際に見てもらい、感じてもらうことや、プロフェッショナルな方の説明が、一番効くと思っている。今後も、視察者数や対象者を増やすということはできないのか。
A:海外メディアに対して定期的に直接説明することで、一部内容の切り取りに対応している。繰り返し、とにかくやっていくことに尽きる。特に処理水の問題については、中国、韓国の関心が高いので、英語版のみならず、中国語、韓国語ホームページ等でアピールして、多くの方にご覧いただきたいと考えている。
視察の対象者を増やすために、比較的コンパクトなコースの用意を始めている。
Q:海洋生物飼育試験施のヒラメを食べる実験はするのか。
A:この施設は放射線管理区域に立地しており、汚染のおそれがある区域として管理されているため、この施設内にあるヒラメを食べることは禁止されている。
【ALPS処理水の設備に関する質疑】
Q:ALPS処理水のタンクを連結している循環用の配管について耐用年数はどれくらいか。
A:この配管はポリエチレン管(PE管)といい、紫外線による劣化防止のため黒のカバーをつけている。PE管は他のタンクでも10年程度使用していて、特に支障は出ていない。今後、点検をしながら支障がないように運用していく。
Q:下流水槽は、台風にも耐えうる強度なのか。
A:地面に埋まっており、耐震クラスもBクラス(一般建築物の1.5倍以上の耐震性能)で、大きく損壊しないよう設計している。波浪やうねりも考慮に入れて設計している。
議長まとめ
〇海外での風評対策として色々なことを考えて欲しいとの意見があった。県内の色々な意見を吸い上げて、知恵を絞っていただければと思う。
〇魚の飼育について、処理水の中で魚が元気に生育しているという視覚的な状況だけでなく、トリチウムの生体濃縮や、魚の水分と肉にトリチウムがつくことの違いなど科学的な説明もしていくことが理解に繋がると思う。
会議後の追加質問、意見及び回答
〇会議後の追加質問、意見及び回答 [PDFファイル/672KB] [PDFファイル/672KB]
○質問No.4回答資料(海水取水路) [PDFファイル/206KB] [PDFファイル/669KB]
会議資料
● 資料1 現地調査スケジュール [PDFファイル/62KB]
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