会津里山森林資源育成研究会
会津桐をはじめとする一般消費者向け県産広葉樹チップ製品の販路拡大(R5)
令和5年度木材製品需要拡大技術導入事業で実施。
会津里山森林資源育成研究会
会長 星 比呂志 (写真右側)
副会長 齋藤 洋一 (写真左側)
プロジェクトの概要
木材チップについて、製品デザインと製品にかかる映像コンテンツを作成する。今後のマーケット拡大がもっとも期待できるペット用チップについて、ペット専門展示会に出展し、会津地域の中小経木広葉樹等の一層の利用促進、県産材の需要拡大への貢献を図った。
星会長と齋藤副会長に聞いてきました!
チップを作り始めたきっかけ
研究会では、組織結成後2年ほどは桐玉植苗の普及に取り組んでいました。苗木の普及には併せて森林整備を行っていく必要があり、森林整備を行っていく中で林地残材を活用できないかという考えがあり、無駄なく活用しようと考えたところチップにして売るのが良いのではないかと話になりました。また、会員の製材所からの製材端材も併せてチップにしようと考えました。
#1【会津桐】いざ!会津桐の世界へ!
なぜ、ドックランだったのか
チップをバイオマス燃料として売るには、森林整備の規模が小さいため経営的に向かないと考えていました。また、本来の目的は桐の玉植苗を普及することであるため、森林整備を大規模にやることは考えていなかったです。小規模でも樹木の特性を活かした使い方のできるチップを目指しました。それが、燻製用チップとドックラン用チップだったということです。
桐は、昔から調湿効果や脱臭効果、防虫効果、防カビ効果があると言われてきました。代表的な桐箱は調湿効果を活かした製品です。チップとして脱臭効果などを活かした使い方を考えているときに、大阪産業技術研究所で試験を行った際にアンモニアの吸着に優れていることが分かりました。また、散歩する犬をみたときに糞を拾う飼い主はいるが、尿を拭くことはないことから、ドックランで臭いの問題を抱えているのではないかと考えました。
多頭飼いの飼い主に話を聞いたところ実際に悩んでいたのでドックラン用チップを開発することにしました。
チップ製品開発
チップにもいろいろな形があります。犬のあしに刺さらないよう紡錘形ではなく四角く粉砕する機械を探しました。
実際に使ってわかったことですが、ドックラン用チップは篩(ふるい)にかけずそのまま敷くことで、形も大小様々なおかげでかみ合い雨などでも流れません。実験で敷いたときに、とりあえず砕いたチップをそのまま敷いたところ、緩やかな斜面の駐車場でしたが流れ出ませんでした。通常は展着材などを混ぜて敷くこともチップは多いです。
展着材をまぜるとチップの腐りもはやくなってしまうため、犬用に敷くため無駄な物は混ぜませんでした。
パッケージデザインについて
漆芸家の方にデザインしていただきました。シルクロードを歩く商人をイメージしたデザインとなっており、未開拓の地を進む里山森林資源育成研究会に向けたデザインになってます。
伝統産業の在り方について
これまでは、各地の桐の産地それぞれで伝統産業が完結していたため、お互いが独自性を強調し合って競争してきました。しかし、いまはそれぞれが弱ってきている。人が減って後継者不足や伝統的な品物が売れにくいなど、一つの産地では完結しなくなってきています。そんな中で、産地同士で協力しそれぞれの得意な分野で力をだし総体的に完結させていかなければと、皆が気づき始めています。
桐の特性を活かしその時代に求められているものをつくってきました。これからも特性を活かした物をつくって行かなければ桐は生き残ってはいけないだろうと考えています。