【2014年12月22日(月曜日)】 Vol127
目次
- リレーエッセイ
県教育委員会委員 高橋 金一(たかはし きんいち) - 日々の思い
県教育庁福利課長 須藤 幹子(すどう みきこ) - お薦めの一冊コーナー
- 学校自慢コーナー
- 福島市立福島第二小学校
- 只見町立只見中学校
- 福島県立猪苗代高等学校
- 福島県立聾学校会津分校
- 福島県立聾学校平分校
- お知らせ
- 編集後記
リレーエッセイ
「子どもたちに夢を与える教育を」
県教育委員会委員 高橋 金一(たかはし きんいち)
この度、12月19日の教育委員会定例会において、私は福島県教育委員会教育委員長に推挙されました。新たな教育委員会制度への過渡期という重要な時期に、教育委員会を代表する委員長に選任され、その責任の重大さに身が引き締まる思いがしております。
この教育委員会制度の改革は、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律(地教行法)」の改正という形で行われます。この改革は、「いじめや体罰を始めとした教育現場を取り巻く問題に現行の教育行政では迅速に対処できていなかったなどの課題を抱えており、教育がその役割を十分に果たせていない状況にある」(「内外教育」(平成25年12月17日)下村博文文部科学大臣の説明)という問題意識から、「責任のある地方教育行政体制の構築が重要」(前掲書)であるとして、着手されました。
現行の教育委員会制度は、教育の政治的中立性及び継続性・安定性を確保し、地域住民の意向の反映をその制度趣旨としています。ところが、前述した下村文部科学大臣のコメントにあるような問題が発生したため、これらを解決すべく、地教行法改正が行われることになったのです。
改正法は、現行の教育長と教育委員長を統合した新「教育長」を創設し、首長が主宰する「総合教育会議」の設置を柱とし、首長の権限を強化、首長と新教育長の責任を明確化し、いじめ問題など緊急事態の発生時にも適切に対応できるようにするというものです。
福島県は平成28年4月から完全に新制度に移行することになり、平成27年度はその過渡期に当たります。
制度改革がなされてもその運用にあたるのは人です。私は法律実務家ですが、せっかくいい制度が作られても、制度の趣旨を活かした運用がなされなければ、法には命が吹き込まれないということを、これまで随分経験してきました。
改正法が適正に運用されるためには、それを担う我々がしっかりその職務を果たすことが肝要だと思います。新教育委員会制度に対しても、様々な意見があることは承知しておりますが、これがスタートするに当たっては、法改正の趣旨が活かされるような実務対応がなされるよう、橋渡しをしなければならないのが私の務めであると受け止めております。先に述べました現行の教育委員会制度の趣旨は、新制度にあっても、基本的には維持されるべき理念であると捉えています。目先の変革のみに目を奪われず、基本的な教育の理念を見失わないよう、職責を果たしていきたいと思っております。
来年、福島県には新しい学校が誕生します。皆様ご存じのふたば未来学園高等学校です。この学園では、今までにない、福島県の子どもたちに夢を持って頂けるようなカリキュラムを用意することを考えております。
現在の我が国の若い人たちには、未来に対する希望が以前よりなくなっているというような指摘もあります。特に福島県の子どもたち、とりわけ避難区域の子どもたちにとっては、光明が見えつつあるとは言え、原発事故がそうした傾向に更に大きな影を落としていないとは言い切れません。
私は、こうした子どもたちに夢を与えるような教育を目指したいと思っています。そして、来年からスタートするふたば未来学園高等学校が、福島県の子どもたちに夢を与える象徴となるような学校になることを願っております。
そのために、教育委員会委員長として、微力ながら、力を尽くしていきたいと思います。
※小野栄重委員長は平成26年12月23日に任期満了となり、12月24日から高橋金一委員が委員長に就任します。
日々の思い
「心のリフレッシュ」
県教育庁福利課長 須藤幹子(すどう みきこ)
皆さん、日々の心のリフレッシュはうまくできていますか。
昨年11月からの夫の単身赴任に伴い、私は人生初めての単身生活となりました。さぞや自由を満喫できるであろうと、少し楽しみにもしておりました。たしかに、自分の事だけを考え生活していけばいいので、ある意味楽なものです。しかしながら、家に帰っても、話し相手はなく、仕事のことを考えたりする時もあり、家族と暮らす、話をすることの大切さを日々実感しているところです。
以前、私は県立高校の事務長をしておりました。事務室から先生方の働き方を見させていただき、夕方遅くまでの部活動指導や朝夕の課外授業、土日の模試の立ち会いなど、あらためて大変な職業であると実感いたしました。
今年7月から、福利課では、長時間勤務による健康障害防止のため、在校(庁)時間の計測を各学校等の協力を得ながら実施し、必要な方には医師による面接を受けていただいております。心が晴れ晴れとしない、身体が重く感じるなど、心身の不調を感じている教職員の方は、ぜひ医師の面接を受けていただければと思います。
また、この面接に限らず個人的に相談希望があれば、臨床心理士や心療内科等の医師への相談、教職員相談員への相談なども受けられますので、是非活用していただければと思います。
私自身の心のリフレッシュ方法としては、休日は料理を作り、手と頭を使う、とりためておいたビデオを楽しむ、眠くなるまで毎日布団の中で本を読む、というものです。楽しめることに没頭できる時間が私にとってはとても貴重なものとなっています。
福島市の飯坂温泉に共済組合の保養所「あづま荘」があります。まさに、日頃の疲れを癒やして心身のリフレッシュをしていただくための施設です。忙しくなかなか時間がとれないとは思いますが、皆さんも是非時間を作って、ゆったり過ごしていただければと思います。私も何度か娘の帰省などに合わせて宿泊しました。ゆっくりと美味しい食事を味わい、いろいろと話も弾み、たくさん笑って帰ってきました。
ストレスのない仕事はないと思いますが、ストレスと上手に付き合うためにも、保養所やリフレッシュ事業などを活用し、心のリフレッシュを図り、心身ともに健康な状態で日々の仕事に励んでいただければと思います。
お薦めの一冊コーナー
このコーナーでは、福島県立図書館司書のお薦めの一冊を御紹介します。
おすすめの一冊 『分とくやま・野崎洋光の常備菜でつくる和のお弁当』 (野崎洋光/著 世界文化社 2014)
古殿町出身で、名店「分とく山」の総料理長を務める野崎洋光さん。著書も多数あり、わかりやすい説明が人気です。
本書はアイディアが豊富に盛り込まれたお弁当レシピ集。彩り鮮やかなお弁当の写真も魅力のひとつです。
美味しく体にやさしい上に、常備菜を使うため、お財布にもやさしく作れます。お弁当の基礎も紹介されていますので、初心者の方でも安心です。野崎流「和のお弁当」をぜひお試しください。
(県立図書館司書 S.K)
県立図書館024-535-3218
http://www.library.fks.ed.jp/
学校自慢コーナー
このコーナーでは、各学校の特色ある取組を御紹介します。詳しい内容を県教育委員会のホームページで紹介していますので、御覧ください。
『未来を見つめ、ともにはばたこう 本気・勇気・元気』
福島市立福島第二小学校
本校は、明治30年福島第二尋常小学校に始まり、平成26年で学校創立117周年を迎えます。学校のシンボルは、白鳥です。学区内の阿武隈川で傷ついた白鳥を保護し餌付けしたことから飼育が始まりました。現在では5代目となり「フーちゃん」と名付けられています。
学校の教育目標は、「本気…学習意欲を高め、学習集団の質を高める」と、「勇気…集団生活のきまりを守り、思いやりをもって行動する」と、「元気…健康や安全に気をつけ、体力・運動能力の向上に努める」の3つを掲げています。
研究テーマは、「ともに学び、高め合う子どもの育成」です。教材・他者・自己の3つのかかわりを大切に、算数科・自立活動(特別支援学級)の2本柱で全教職員が一丸となり、「分かる・できる」授業づくりに努めています。
福島市立福島第二小学校の学校自慢のページへ[PDFファイル]
福島市立福島第二小学校のホームページへ
『開校8年目 地域とともに歩む只見中学校』
只見町立只見中学校
開校8年目を迎えた只見中学校は、今年6月にユネスコエコパークに登録された豊かな自然、素晴らしい環境の中にあります。地域のよさを生かしながら、教育目標「考える生徒」を掲げ、地域の一員としてこれからの社会を担うことができる人材の育成に努めています。
只見町立只見中学校の学校自慢のページへ[PDFファイル]
『郷土をつくる若人の こころつちかう― 地域社会に貢献する人づくりをめざして ―』
福島県立猪苗代高等学校
タイトルは本校の校歌2番の歌詞“♪世界の灯(ともし)愛の星 英世の精神(こころ)うけ継ぎて 愛と文化の花栄(は)ゆる 郷土をつくる若人の こころをつちかうわが学び舎♪”から取ったものです。
この歌詞のように、本校では地域社会に溶け込み、連携を深めながら、地域社会の発展に貢献できる人材を育成しようと、授業や校外実習、さらには様々なボランティア活動に取り組んできました。
今年度はさらに、高校教育課の「地域に貢献できる人づくりプロジェクト」の一環として、従来からの諸活動に加え、外部講師の招聘による講演会等を増やし、生徒に外部からの刺激を受けさせながら、より一層地域社会に密着した諸活動を充実させていく予定です。
福島県立猪苗代高等学校の学校自慢のページへ[PDFファイル]
福島県立猪苗代高等学校のホームページへ
『「地域で共に学び共に生きる」~交流及び共同学習~』
福島県立聾学校会津分校
今年度の聾学校会津分校は2年生1名、4年生1名、6年生1名の計男子3名が在籍しています。小規模校ですが、一人一人が居住地校交流を通して友達をたくさんつくり、経験を広め自主的に行動できる力を育んでいます。
地域に根ざした交流及び共同学習の学び合いの様子を、一部ですがご紹介します。
福島県立聾学校会津分校の学校自慢のページへ[PDFファイル]
福島県立聾学校会津分校のホームページへ
『合奏コンクールに向けて ―困難さを克服して―』
福島県立聾学校平分校
本校小学部は全国聾学校合奏コンクールに毎年参加しており、一昨年より2年連続で奨励賞を受賞しています。聴覚障がい児が合奏に取り組むのは容易なことではありませんが、今年度も7名の児童が昨年以上の成績を目標に取り組んでいます。
福島県立聾学校平分校の学校自慢のページへ[PDFファイル]
福島県立聾学校平分校のホームページへ
お知らせ
クリスマスやお正月など、子どもたちにとっては楽しいイベント満載の冬休みがいよいよ始まりました。大人にとっても、懐かしい顔に会える機会が増える季節です。心温まる再会となりますように…。
さて、ここからは12月のお知らせコーナーです。
福島県教育委員会からのお知らせ
講師を募集しています!
福島県立学校(高等学校・特別支援学校)、福島県公立小中学校の臨時的任用教員を募集しています。
詳しくはこちらを御覧ください。
教職員採用のページ
施設財産室からのお知らせ
広告を募集しています!
県教育委員会及び県立図書館のHPのトップページに掲載いただける広告を募集しています。
詳しくはこちらを御覧ください。
http://www.pref.fks.ed.jp/koukoku/index.html
県立美術館からのお知らせ
美術館への年賀状展
毎年恒例の「美術館への年賀状展」。福島県内の小・中学生のみなさんからお送りいただいた楽しい手作りの年賀状を、エントランスホールに展示します。「美術館への年賀状展」では賞の授与は行いませんが、届けられた年賀状はすべて展示します。
ただいま作品を募集しています。
募集:平成27年1月4日(日曜日)まで必着
期間:平成27年1月12日(月曜日・祝日)から31日(土曜日)
会場:美術館エントランスホール 観覧料:無料
詳しくはこちらを御覧ください。
http://www.art-museum.fks.ed.jp/activity/nengajo.html
県立美術館 024-531-5511
http://www.art-museum.fks.ed.jp/
会津自然の家からのお知らせ
会津自然の家スノーフェスタ
期間: 平成27年2月15日(日曜日)
募集: 平成27年1月15日(木曜日)必着
会場: 猪苗代スキー場
参加対象:県内の小・中学生を含む家族(子どもだけで参加することはできません。)
会津自然の家 0242-83-2480
http://www.aizu-nc.fks.ed.jp/
編集後記
12月4日、北塩原村の裏磐梯中学校で行われた「立志式」に参加させていただきました。堂々と目指す人間像について宣言する2年生の凜々しい姿、力強い言葉に、たくましさと頼もしさを感じました。
12月14日、福島市で行われた「ふくしまサイエンスフェア」を見学させていただきました。会場に来た多くの小学生に、中学生・高校生がわかりやすく科学現象を説明していました。渡利中学校の発表ブースでは、発表した中学生に高校生がさらなるアドバイスをしていました。小学生から高校生が学校段階を越えて教え合う、学び合う、活気とあたたかみのある空間でした。
12月20日、「いわき生徒会長サミット 実践報告会」に参加させていただきました。いわき市各中学校の生徒会長の皆さんが発する「未来」という言葉に、輪郭のはっきりした揺るぎない確からしさを感じることができました。これまでの取組みの蓄積と、さらなる発展を期待させる、素晴らしい内容でした。
来年はもっと多くの学校・教育施設を訪ね、子どもたちや教職員の皆さんの学びに向かう姿に触れることで、福島の目指す教育を見定め、その実現に邁進していきたいと思います。
どうぞよいお年をお迎えください。
教育総務課長 大類 由紀子(おおるい ゆきこ)
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