集団Q&A5-(6)便宜供与と支配介入
Q&Aのトップに戻る | |||||||
|
|||||||
便宜供与と支配介入 |
|||||||
質問組合会議のための会社会議室の利用については、20年以上前から会社との労働協約により利用してきました。今般、労働協約の更新に際し、会社から「今後は会議室の利用を認めず。会議室利用に関する協約については更新しない」旨の通知がありました。利用拒否について理由の説明を求めましたが、会社側は業務上必要であるとの回答のみで具体的な理由は何ら説明されませんでした。 このような会社施設利用の一方的な廃止は認められるのでしょうか。 |
|||||||
答え質問のように労働協約によって会社施設利用が継続している場合、使用者が合理的な理由もなく一方的に施設利用の廃止を行うことは、支配介入の不当労働行為となる可能性があります。 解説1 便宜供与と支配介入 労働組合法第7条第3号では、使用者が労働組合の結成や運営に支配介入することや労働組合に対し経費援助することを支配介入の不当労働行為として禁止していますが、労働組合の自主性を失わせるおそれのない、労働時間内における有給での協議や交渉、福利厚生基金への補助、最小限の広さの事務所の供与(これらを「便宜供与」といいます)については、認めております。 2 使用者の施設管理権 使用者は、企業施設の利用等の便宜供与を組合に認めるかどうかについて、基本的に自由な裁量を有しており、労働組合としては便宜供与を当然に使用者に請求できるものではありません。 3 労働協約等の継続拒否と支配介入 労働協約や労使慣行によって一定期間便宜供与が継続しており、使用者がその継続を一方的に中止する場合には、使用者は当該便宜供与を継続する場合の負担の程度、便宜供与を中止しなければならない業務上の必要性の有無やその程度などについて、労働組合側に説明、協議しなければなりません。さらに、廃止にあたっては、労働組合の了解を得たり、適当な猶予期間を置くなどの配慮をする必要があります。使用者がこれらの合理的理由なく一方的に労働協約等を廃止することは、労働組合に対する弱体化の意図が推認され、支配介入の不当労働行為となる可能性があります。 判例〇 日産自動車事件(最二小判昭和62.5.8 労判496号) |
|||||||
|
|||||||
|
|||||||
|
|||||||
|
|||||||
|
|||||||