個別Q&A10-(5)有期労働契約の雇止め
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有期労働契約の雇い止め |
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質問私は、パートとして現在の会社に勤めており、これまで6か月間の労働契約を2回更新し、通算1年6か月働いています。しかし、契約期間満了の1週間前になって突然契約を更新しないことを告げられ、困惑しています。 会社は、契約を更新してきた者に対して、前もって契約を更新しないことを告げなくてもよいのでしょうか。 |
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答え通算勤務期間が1年を超えるので、会社は契約期間満了日の30日以上前までに契約を更新しないことを予告しなければなりません。 解説1.契約更新の有無の明示 有期労働契約については、契約更新の繰り返しにより一定期間雇用を継続したにもかかわらず、突然、契約期間満了時に使用者が契約の更新を拒否する、いわゆる「雇止め」をめぐるトラブルを防止するため、使用者は、契約締結時に更新の有無を明示しなければならないとされています。 2.有期契約労働者に対する更新上限の明示 2024年4月から有期労働契約の締結と契約更新のタイミングごとに、会社は労働者に対し更新上限(有期労働契約の通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容の明示が必要になりました。 3.雇止めの予告 雇止めしようとする有期労働契約が以下のいずれかに該当する場合は、雇止めの日の30日以上前に労働者に雇止めを予告する必要があります。 4.雇止めの理由の明示 雇止め予告後又は雇止め後に、労働者から雇止め理由の証明書を請求された場合は、使用者は遅滞なく交付しなければなりません。 5.有期労働契約の雇止め 有期労働契約の雇止めは無制限に行えるものではありません。 (1)過去に反復更新された有期労働契約で、その契約期間満了時に更新しないことが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できると認められるもの (1)、(2)のいずれかに該当し、労働者が契約の更新又は締結を申し込んだ場合に、使用者がその申込みを拒否することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、従前の労働条件と同じ労働条件で労働者の申込みを承諾したものとみなされます(労働契約法第19条)。 (参考) 1.雇止めの有効性に関する裁判例の傾向 雇止めについて争われた裁判例をみると、以下の6つの要素により契約関係の状況を総合的に勘案したうえで、雇止めの有効性が判断される傾向にあります。 2.有期労働契約の民法上の原則 有期労働契約は、契約期間の満了をもって終了するのが民法上の原則です。 判例○東芝柳町工場事件(最一小判昭和49.7.22 民集28巻5号) |
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