1 申請受付年月日
令和2年3月20日
2 申請者(被申請者)
申請者 X組合
被申請者 Y株式会社
3 あっせん事項
組合掲示板の設置、貸与を求める
4 あっせん申請に至るまでの経過
年 月 日
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交 渉 経 過
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平成24年 8月
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組合支部(以下、「X組合」という)結成に伴い、支部組合掲示板の設置・貸与を支部長が所属していたY株式会社(以下、「Y会社」という)A支店へ要求した。 |
平成24年 9月
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Y会社から「組合掲示板は、社屋管理協議会で設置の可否を決定するが、10月1日に会社統合を予定しており、それまでの間は協議会を開催できない状況であるため、すぐには回答できない」旨の回答があった。
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平成25年 4月
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X組合は改めて支部組合掲示板の設置・貸与を要求した。 |
平成25年 7月 |
第1回団体交渉において、Y会社側からの予算上困難であるとの回答に対し、X組合は休憩室隣の2つの掲示板が1年近く使われていないと指摘した。Y会社側は、後日所属長に確認するとしたが、数日後、指摘した掲示板に会社の掲示物が掲示された。
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平成25年 8月 |
第2回団体交渉において、X組合側は貸与を要求した直後に会社掲示物が掲示されるのは不自然であると指摘したが、Y会社側は赴任した所属長から掲示の指示が事前にあったと主張した。 |
平成25年 9月 |
第3回団体交渉で、X組合側は他組合には貸与し当組合に貸与しない対応は、中立保持義務に反し不当労働行為であると主張した。これに対しY会社側は、予算上困難との従来の回答を繰り返した。
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平成25年10月 |
X組合は改めて支部組合掲示板の設置・貸与を要求した。 |
平成25年11月
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団体交渉において、Y会社側は不当労働行為には当たらない、予算上、社屋上困難との回答に終始し、議論は平行線をたどった。それ以降、しばらくの間、X組合は掲示板設置について要求しなかった。また、支部長はB支店へ転属となった。 |
令和 元年 5月 |
X組合は改めて支部組合掲示板の設置・貸与をB支店へ要求した。 |
令和 元年 9月~
令和 2年 3月
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9月以降、4回の団体交渉を行ったが、Y会社側は従来の主張を繰り返したため、X組合はY会社に対し、労働協約に基づき、労働委員会にあっせんを申請する旨を通知した。 |
令和 2年 3月 |
X組合は当委員会にあっせんの申請を行った。 |
5 当事者の主な主張
(1) 労働組合側
ア 他労組には組合掲示板を設置・貸与しているにもかかわらず、当組合には組合掲示板を設置・貸与しないことは、組合差別の不当労働行為である。
イ 会社側は設置・貸与は困難であると主張するが、設置可能な壁面はあり、貸与は可能である。
ウ 掲示板設置に関する費用に関しては、当組合が負担することも可能である。
(2) 使用者側
ア 会社としては、団体交渉において誠実に対応し、前向きに検討すると回答している。組合差別となるような行為行っておらず、丁寧に対応している
イ、ウ 現在、会社の業況が厳しい状況であるため、掲示板設置の予算を計上することは容易ではない。組合側は簡易的な掲示板でも構わないと主張するが、景観上、また、組織統制の観点からも掲示板を設置するのであれば、相応なものでなければならない。
6 終結状況(解決) (終結年月日 : 令和2年5月25日)
あっせんにおいて、労働組合側は、一方の組合にのみ組合掲示板を貸与することは不当労働行為であり、他労組と同様に扱ってほしい旨を主張した。
これに対し、使用者側は組合に掲示板を貸与する方針であり、他労組への掲示板貸与の条件と同じ条件に組合側が承諾すれば掲示板を貸与することを主張した。
あっせん員による調整の結果、使用者側が提示した条件の下で掲示板を貸与することに労使双方から了承する意向が示されたため、あっせん案を提示した。
その後労使双方からあっせん案受諾の文書回答が提出(労働者側:5月20日、使用者側:5月25日提出)され、本争議は解決した。
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