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【令和7年度】ホシガレイの稚魚を放流しました

印刷用ページを表示する 掲載日:2025年6月23日更新

ホシガレイの稚魚を放流しました

 福島県では新たな栽培漁業の対象魚種として、高級魚として知られるホシガレイを選定し、種苗生産と放流効果の調査に取り組んでいます。
 今年は 6月17日に相馬市の松川浦漁港で、全長6~10cmのホシガレイ稚魚約6,500尾を放流しました。
 トラックに積んだ水槽から、ホースで海の中に放流していきます。
 1尾でも多くのホシガレイが大きく育って、漁獲されて欲しいと願いながら放流しました。
ホシガレイ稚魚
ホシガレイ放流の様子(松川浦漁港)
 放流したホシガレイには、頭の中にある「耳石」という器官に標識を付けています。
 漁獲されたホシガレイの耳石を調べることで、いつ、どこで放流した魚なのかを判別することができます。
 今後は、魚市場での漁獲状況や、耳石の解析により、放流効果を調査していきます。

先端技術を使った研究に取り組んでいます

 福島県では福島国際研究教育機構(F-REI)の先端技術展開事業「ICTインフラを用いた効果的な種苗放流による資源の安定化」により、福島大学、京都大学等の研究機関と共同で、最新のバイオテレメトリー技術を使用してホシガレイの行動を調べる研究に取り組んでいます。
 バイオテレメトリーとは、生物に小型の発信器などを取り付け、行動・生理・環境についてのデータを遠隔測定し、行動や生態を調査する研究手法のことです。
 ホシガレイの稚魚の体内に、超小型の超音波発信機を装着して放流し、どのように移動するかを調べようというもので、6月17日に発信機を装着した120尾のホシガレイ稚魚を、松川浦周辺に放流しました。
発信機付きホシガレイの放流の様子1
発信機付きホシガレイの放流の様子2
 今年は放流後の被食について調査するため、イシガニやマアナゴ、アカエイ等にも発信機を装着して放流を行いました。
 また、カワウの飛来・潜行等の行動を調査しました。
 ホシガレイ稚魚と捕食者の行動を比較することで、稚魚の生残を高める放流方法の開発を目指します。
発信機付きアカエイ
 今後、様々なデータが蓄積されて、放流したホシガレイの行動が解明されることで、より効果的な放流方法の開発につながることが期待されます。