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【令和6年度】ホシガレイの稚魚を放流しました

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年7月11日更新

ホシガレイの稚魚を放流しました

 福島県では新たな栽培漁業の対象魚種として、高級魚として知られるホシガレイを選定し、種苗生産と放流効果の調査に取り組んでいます。
 今年は水産資源研究所で生産したホシガレイの稚魚 合計約5万5千尾を海に放流しました。

 5月15日には浪江町の請戸漁港で、全長6~8cmのホシガレイ稚魚約4万5千尾を放流しました。
 トラックに積んだ水槽から、ホースで海の中に放流していきます。
ホシガレイ放流(請戸漁港)
 7月9日には相馬市の松川浦漁港で、全長10cmのホシガレイ稚魚約1万尾を放流しました。
 1尾でも多くのホシガレイが大きく育って、漁獲されて欲しいと思います。
ホシガレイ放流(松川浦漁港)(1)
ホシガレイ放流(松川浦漁港)(2)
 放流したホシガレイには、頭の中にある「耳石」という器官に標識を付けています。
 漁獲されたホシガレイの耳石を調べることで、いつ、どこで放流した魚なのかを判別することができます。
 今後は、魚市場での漁獲状況や、耳石の解析を行い、放流効果を調査していきます。

先端技術を使った研究に取り組んでいます

 福島県では福島国際研究教育機構(F-REI)の先端技術展開事業「ICTインフラを用いた効果的な種苗放流による資源の安定化」により、福島大学、京都大学等の研究機関と共同で、最新のバイオテレメトリー技術を使用してホシガレイの行動を調べる研究に取り組んでいます。
 バイオテレメトリーとは、生物に小型の発信器などを取り付け、行動・生理・環境についてのデータを遠隔測定し、行動や生態を調査する研究手法のことです。ホシガレイの稚魚の体内に、超小型の超音波発信機を装着して放流し、どのように移動するかを調べようというもので、6月19日に80尾、7月9日に40尾の発信機を装着したホシガレイ稚魚を、松川浦周辺に放流しました。
発信機の装着
発信機を装着した魚の放流
 今年は放流後の被食について調査するため、ホシガレイの捕食者であるカニや魚類にも発信機を装着して放流を行いました。
 ホシガレイ稚魚と捕食者の行動を比較することで、稚魚の生残を高める放流方法の開発を目指します。
発信機を装着したモクズガニ
 今後、様々なデータが蓄積されて、放流したホシガレイの行動が解明されることで、より効果的な放流方法の開発につながることが期待されます。