ラウンド農ふくしまWeb-センター通信(スマート農業)-
試験研究・業務の紹介-スマート農業の取組-
スマート農業で米づくり! -(2)リモコン除草機-
夏場の草刈り、大変ですよね。
家の敷地や農地周りなど、草刈り作業で苦労したことのある方は多いと思います。
特に、梅雨から夏にかけては、刈っても刈っても、あっという間に雑草が茂ってしまう時期です。
また、この時期の草刈りは、雨天後のぬかるんだ斜面での転倒や、炎天下での作業による熱中症など、作業中の事故のリスクが非常に高い作業でもあります。
そこで今回、紹介させていただくのが、ロボット技術を活用したリモコン除草機です。
この機械は、ラジコンカーと同じ要領で、本体を遠隔で操作し、草刈りを行うことができます。
6月28日に、広野町でこの除草機を使用した草刈り作業の実証を行いました。
作業した田んぼの畦畔は、最大で40度近くの傾斜がありましたが、滑ることなくまっすぐ動き、手持ち式の刈払機で作業した場合に比べても1.7倍という高いペースで草刈りを行うことができました。
また、遠隔操作を活かし、木陰などから操縦できるので、夏場の熱中症のリスク回避にも効果的です。
実証農家の方からも好評で、日々の農作業でも積極的に使っていただいています。
【令和3年7月19日 企画経営部経営・農作業科】
スマート農業で米づくり! -(1)直進アシスト田植機と自動給水ゲート-
令和3年度も広野町の水稲有機農家にご協力をいただきながら、様々なスマート農業機器を取り入れた経営体系の実証を進めています。
5月25日に直進アシスト田植機による田植えを行いました。この直進アシスト田植機には、最近の自動車に備わっている道路からはみ出さないようなアシスト機能と同じような機能が備わっており、GPSのデータを元に直進を補助してくれるため、苗は曲がることなく、隣の列と並行に植えることができます。
田植機の操作に慣れていない方の手助けになるのはもちろんのこと、ベテランの実証農家からも「普通の田植機よりもハンドル操作に集中しなくて良いため、疲れにくい。他のことにも意識を向けられるので、作業時の注意力が向上した。」と感想がありました。
直進アシスト田植機による田植えの様子
また、この実証農家では、自動給水ゲートも設置しました。
通常、農家は稲の生育や天気を見ながら、田んぼの水の出し入れをこまめに行います。時期によっては、毎日水の量を確認して、ゲートを開け閉めするなどとても大変です。自動給水ゲートは、スマートフォン上で水位や水温を確認でき、さらに遠隔操作で水口を開閉できるため、家にいながら水管理が可能です。
家から田んぼまでが遠い、あるいは田んぼが点在している農家の方にはとても心強い機器となります。
水口に設置した自動給水ゲート
今回ご紹介した直進アシスト田植機と自動給水ゲート以外にも、この実証農家さんの田んぼでは多くのスマート農業機器を使っています。
今までとはひと味違う農業を多くの方に知っていただけるよう、今後も時期に合わせて、様々なスマート農業技術を紹介していきます。
【令和3年5月27日 企画経営部経営・農作業科】
スマート農業って?
皆さんは「スマート農業」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
スマート農業とは、農業にロボットやAI、インターネットなどの分野の先端技術を組み合わせた、最新の農業のスタイルです。農業総合センター企画経営部経営・農作業科では、このスマート農業を研究しています。
写真は南相馬市小高区で行った稲の刈取りの風景です。稲穂が整然と刈り取られていますが、実は操縦をしているのは就農から短い若手の農家さんなのです。このコンバインにはGPS(衛星測位システム)により、自動で直進や旋回を操作してくれる機能が搭載されているため、撮影当日もベテラン農家さんに引けを取らない腕前とペースで収穫ができていました。しかも、このコンバインの作業の記録や収穫したコメの収穫量は、クラウドサービスを通じて、いつでもインターネット上で確認することができます。
このような技術によって、新たに就農する方の農業に対するハードルを下げたり、高齢の方でも負担が少ない農業経営を可能にし、農業の担い手不足を解消していくことがスマート農業の大きな役割の一つです。
当科では、今回紹介したコンバインをはじめ、様々なスマート農業機器を多くの農家さんに取り入れたいと思っていただけるような、新しい農業の経営プランづくりを支援しています。
【令和2年10月16日 企画経営部経営・農作業科】