ラウンド農ふくしまWeb-センター通信(R4出来事)-
令和4年度 センターの出来事
ふくしまの新しいイチゴ「ゆうやけベリー」の収穫が始まりました
農業総合センターのパイプハウスでは、ふくしまの新しいイチゴ「ゆうやけベリー」が10月中旬に開花し、11月中旬から収穫が始まりました。県内のイチゴ産地でも、14カ所60aで先行栽培が行われ、販売が始まっています。
「ゆうやけベリー」は、「福島ST14号」という名称で今年2月に福島県が品種登録の出願をしました。公募により「ゆうやけベリー」という名前を決め、9月に発表し、現在、商標登録出願中です。
「ゆうやけベリー」の特徴は、(1)収穫期間を通して甘みが強い。(2)外観は、やや橙色がかった鮮やかな赤色で、形がきれいな大粒(3L以上)が多い。(3)収穫開始時期が早く、クリスマスや年末年始の需要期にたくさん出荷できる。(4)厳寒期でも良く育ち、栽培管理がしやすいことです。
作物園芸部野菜科では、生産者に安心して「ゆうやけベリー」の栽培をしていただけるよう、令和3年度から品種の良いところを伸ばせるような栽培方法の開発を目指し、肥料の量、電照の効果、適正な芽の数など、詳しい管理技術について研究しています。生産環境部流通加工科では、消費者に新鮮でおいしいイチゴが届けられるよう、輸送に関する試験を行っています。
今季は生産量が限られていますが、来年以降、栽培面積が拡大される予定です。お店で見かけましたら、ぜひ、「ゆうやけベリー」を味わってください。
写真1 「ゆうやけベリー」の実った様子 写真2 「ゆうやけベリー」の電照栽培試験
収穫の秋を楽しんでいただきました!
収穫の秋の10月、センターでは稲刈りやイモ掘りの体験イベントを開催しました。
地元の高倉小学校5年生のみなさんには、県が開発した水稲品種「福笑い」の稲刈りとはせ掛け(稲を干して乾燥させる方法の一つ)の作業を体験してもらいました。体験学習「田んぼの学校」として、これまで5月に田植え、6月に除草を行い、稲刈りも含め、全て昔ながらの手作業を体験し、農業の大変さや楽しさ、食べ物の大切さを学んだことでしょう。
また、郡山市の若竹保育園の年中組のみなさんには、イモ掘りを体験してもらいました。新型コロナウイルス感染対策のため、なかなか園外活動が難しく、久しぶりのお出かけということで、とても楽しみにしていたようです。みなさん、元気いっぱいイモ掘りをしました。
【令和4年11月 企画技術科】
家庭で出来る肥料づくりセミナーを開催しました
福島県農業総合センターでは、県民の皆さまが楽しく農業への理解を深めていただけるよう、「農的楽しみセミナー」を開催しています。
9月15日に実施したセミナーでは有機農業推進室が講座を担当し、「家庭でできる肥料づくり」と題して、「ぼかし肥料(※)」の作り方を実際に体験してもらい、「ぼかし肥料」について理解を深めていただきました。
参加した方々からは、「ぼかし肥料の材料」や「畑にぼかし肥料をまく量」等について質問がありました。
また、セミナー後のアンケートから「今後も農的楽しみセミナーのような親しみやすい講座があると嬉しい」といった意見をいただきました。
(※)ぼかし肥料とは、油かすや米ぬかなど有機質資材に、土や種菌(微生物資材等)を混ぜて発酵させて作る肥料です。
【令和4年10月 有機農業推進室】
オタネニンジンの種取りを行いました (会津地域研究所)
オタネニンジンをご存知ですか?
薬用人参や高麗人参などとも呼ばれ、生薬の原料になっている作物です。
会津地域では江戸時代から栽培が始まり、古い歴史があります。
オタネニンジンは、生長がゆっくりであるため、種まきから収穫まで4~5年かかります。
収穫する根の生長を優先させるため、通常は蕾のうちに摘み取ってしまうので、花を残して種取りをするのは主に4年目の1度だけです。
会津地域研究所では、7月29日からオタネニンジンの種取りを行いました。
オタネニンジンの花は初夏に咲き、咲き終わった後にできた果実は緑色から鮮やかな赤色に変わります。その真っ赤に熟した果実の中に種ができます。
種には「催芽処理」という発芽しやすくするための作業を行い、10~11月に種まきを行います。
果実は真っ赤に色づきます 採種作業の様子 果肉除去後の種
【令和4年9月 会津地域研究所】
オープンキャンパスを開催しました(アグリカレッジ福島)
西白河郡矢吹町にある福島県農業総合センター農業短期大学校(アグリカレッジ福島)は、将来の地域のリーダーとなる農業者を育成する2年制の大学校です。
7月24日、30日、8月3日の3日間、令和4年度オープンキャンパスを開催しました。
学生が中心となって進行や説明・誘導を行い、学校紹介や施設見学、希望する学科での体験実習などを実施しました。たくさんの高校生や保護者の方々にご参加いただき、本校の雰囲気やキャンパスライフのイメージをそれぞれに感じていただけたご様子でした。
【令和4年9月 アグリカレッジ福島】
ソバの排水対策について(浜地域農業再生研究センター)
令和4年6月21日、生産者や関係機関等を対象に、ハーフソイラと溝掘り機を用いた技術移転セミナー「ソバの排水対策の実演会」を川内村で開催しました。ハーフソイラとは土中の固い部分を破砕し、水を土中に流れやすくする機具であり、下層の石等を表面に上げる機具です。溝掘り機は畦畔の際や畑の中に溝を掘り、表面の余分な水や土中の水を横に流れやすくする機具です。どちらもトラクターに取り付けて施工し、畑の水はけを良くする効果があります。
川内村では、水田から転換した畑でソバの栽培が拡大していますが、水はけが悪いために耕うんや種まき作業を適期に行えず、収量が下がってしまうことが問題になっています。そのため今年度は、地元の生産者から水はけが悪い畑をお借りし、ハーフソイラと溝掘り機による水はけの効果を実証しています。
今回のセミナーでは、スガノ農機株式会社東北支店と、株式会社南東北クボタ福島ソリューション推進課に御協力いただき、機具の説明や実演を行いました。参加者からは多くの質問が寄せられ、関心の高さがうかがえました。
実証研究について詳しく知りたいことがありましたら、当センターまでお問い合わせ下さい。
講師による機具の説明 ハーフソイラによる施工
溝切り機による施工 施工後の畑
【令和4年8月 浜地域農業再生研究センター】