堆肥処理施設の先進地調査を実施しました!
畜産経営にとってふん尿処理問題は永遠の課題といえます。
当管内では、畜産農家個々の対応によりふん尿が処理されていますが、高齢化が進む中、将来に向け新たな処理システムの検討を進める必要があります。町村が事業主体となって堆肥センターを設置し完成した堆肥を流通させている猪苗代町と鮫川村について、施設の運営状況等について現地調査を行いました。
まず最初に、隣接する猪苗代町の優良堆肥製造施設を調査しました。
この施設は、農業が有する自然循環機能を活かした有機性資源の利活用による環境にやさしい循環型社会の構築を目指し、町が事業主体となり平成19年7月に設置し同年10月から本格稼働させたものです。
これまでは、バオイマス原料として牛ふん、生ごみ、モミガラ、下水汚泥を受け入れていましたが、堆肥化後の需要が見込めないことから、現在は下水汚泥の受入を中止しているとのことでした。
なお、牛フンについてはコンテナを畜産農家に設置しておき、専門の運搬業者が週4回センターに搬入しており、処理料を一端畜産農家から徴収しますが、後に補助金が充当されるとのことでした。
なお、完成した堆肥は袋とバラでの販売となりますが、バラの場合には2円/kgで散布まで請負可能とのことでした。
また、地域内の循環が基本理念であるため、堆肥の流通は原則として町内に限るとのことでした。
続いて、鮫川村の豊かな土づくりセンターゆうきの郷土を調査しました。
鮫川村の基幹産業である農業の振興と循環型社会の形成を図ることを目的に、堆肥化製造施設を整備。平成25年4月からの稼働となりました。
原材料は、牛フン堆肥、食品残渣(オカラ、野菜くず、魚のアラ等)、モミガラ、落ち葉を受入。なお、牛フンについては、畜産農家で一次発酵させたものを受け入れています。畜産農家側に利用料金がかかりますが、減免措置により半額になるとのことでした。
施設には悪臭対策のため臭気を水に吸着させ、微生物とバーク堆肥を混合した生物濾過機で脱臭するシステムも整備しましたが、これまで一度も使用したことはなく、苦情も1件もないとのことでした。
両施設とも町村が事業実施主体となり設置し運営しており、いずれも牛フンのほか食品残渣や生ゴミ、モミガラ等を堆肥の原材料として受入れていました。
また、いずれの施設でも施設周辺で悪臭は感じられず、生産された堆肥はいずれも良質で、散布まで請け負い可能でありました。
しかし、いずれの施設も運営に町村からの財政持ち出しがあり、この部分が大きな課題になるものと思われました。