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残留農薬のポジティブリスト制度について

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年2月25日更新

ポジティブリスト制度に対応した農薬適正散布の要点!!

農薬の飛散防止に細心の注意を!

 国内に流通する農産物等の安全性を確保するため、食品衛生法が改正され、農産物に対して、すべての農薬成分の残留農薬基準(対象外物質を除く)が設定されました。これまで基準値がなかった農薬成分と農産物との組み合わせの一部には、「人の健康を損なうおそれのない量」として、極めて低い濃度の一律基準(0.01ppm)が定められました。
 この制度は、平成18年5月29日から施行され、基準値を超過した農産物は違反食品となり、食品衛生法に基づき販売等が禁止されるとともに、回収命令等の措置が行われます。
 「農薬の飛散(ドリフト)」や「防除器具等の不十分な洗浄」などにより、思いもかけない農薬残留による食品衛生法違反が発生するおそれがありますので、十分に注意しましょう。

1 次の項目は、自分自身で心がけ、チェックしてください。

(1) 化学農薬を低減できる栽培・防除体系を実践しましょう。

  • 効果的・効率的で適正な防除を!(福島県農業環境規範)
  • 防除計画を立てましょう。(うっかりミスを防ぐ!)
  • 飛散しにくい使用方法・剤型、適用作物が広い農薬を選択。

(2) ネット等の遮蔽物を設置しましょう。

  • 隣接して他の農作物が栽培されている場合や住宅地等に隣接する場合も、境界には目合いの細かいネット等の遮蔽物を設置しましょう。

(3) 農薬使用基準を遵守しましょう。

  • 適用作物、希釈倍数または使用量、使用時期、使用回数を遵守!(有効成分の総使用回数には、とくに注意!)
  • 使い慣れた農薬でも、ラベル、FAMIC(農林水産消費安全技術センターHP)の登録情報やメーカーHP等の表記事項をよく読んで!(注意事項の再確認)

(4) 散布作業は、風のない時に!

  • 風の強い時(秒速3m以上の風速)は、散布作業を行わないようにしましょう。(風速の目安:木の葉、稲の葉がそよそよと絶えず動く状態)

(5) 散布終了後は、防除器具(タンク、ホース等)を十分に洗浄しましょう。

(6) 散布方法を見直し、ほ場の隣接部や外周部には細心の注意をはらいましょう。

  • 飛散の少ないノズルを選びましょう。
  • 適正な散布圧・風量、散布方向の確認、散布量の低減。

(7) 作業日誌に、使用した農薬の散布実績を正確に記録しましょう。 

2 農薬の飛散防止は、地域全体で話し合い対策を考えておきましょう!

安全・安心な農産物の生産にみなさんの御協力をお願いします。

(1) 地域内で栽培されている農作物を確認しましょう。

  • 農作物の種類と収穫時期(栽培期間、露地・施設栽培等)
  • 複数の異なる農作物が露地で栽培されている場合は、とくに注意!
  • 果樹園から隣接する他の農作物へ農薬が飛散しないよう万全を期すこと。
  • 航空防除実施の有無(水稲と隣接する露地作物の把握)。
  • 同一施設内で輪作が行われている場合は、前作に使用した農薬(粒剤等)が次の農作物に残留するおそれあり。また、施設栽培では、露地栽培に比べて残留期間が長くなることも考慮!

(2) 農作物(食べる部分)の形態等によって農薬の残留量が異なります。

  • 農薬が付着する表面積が大きく、軽い農作物(葉もの)は要注意(ホウレンソウ、ネギ、ニラ、シュンギク、ミツバ、サヤエンドウ など)
  • 可食部に直接農薬が被曝しない農作物は、農薬の飛散によるリスクは小さいが粒剤など土壌に処理される農薬の吸収には注意を!

(3) 生産者同士の連携を強化しましょう。

  • 生産組織・出荷団体等で防除計画(防除暦)を検討し、すべての生産者に伝えて!
  • 農薬使用にあたって、地域集落内でどんな危険性が想定されるか。生産組織・出荷団体等で話し合い、問題点を整理し、チェックシートや対策マニュアルを準備!
  • 緩衝地帯を設けるなど、作付体系の見直し。
  • 農薬を使用する際の連絡体制の確立。
  • 収穫が始まったことを他の生産者に伝えて!

3 パンフレットはこちらから