福島県農業環境規範(作物の生産版)の解説
福島県農業環境規範(作物の生産版)の解説1 土づくりの励行土づくりは、環境と調和のとれた農業生産活動の基盤となる技術である。また、土づくりにおけるたい肥等の有機物の利用は、循環型社会の形成に資する観点からも重要である。このため、たい肥等の有機物の施用などによる土づくりを励行する。 実践にあたっては、県内の畜産農業者が生産したたい肥等を積極的に利用し、高温発酵等により病原性微生物等が影響を及ぼさないたい肥、及び重金属等の含有量の確認を行ったたい肥、等を使用するよう留意する。 2 適切で効果的・効率的な施肥施肥は、作物に栄養を補給するために不可欠であるが、過剰に施用された肥料成分は環境に影響を及ぼす。このため、県の施肥基準や土壌診断結果等に則して肥料成分の施用量、施用方法を適切にし、効果的・効率的な施肥を行う。 実践にあたっては、適切に保管・管理された肥料を施用するよう留意する。 特に、水稲の作付けは、側条施肥や苗箱施肥等、水環境の保全に留意した施用方法を行うとともに、代かき後の水田からの落水時期や落水時の流量を適正に管理する等、適切な水管理を行う。 3 効果的・効率的で適正な防除自然生態系が有する病害虫及び雑草抑制機能を可能な限り活用したり、より環境に調和した天敵・微生物・フェロモン等を利用した防除を実践するとともに、病害虫発生予察情報等を活用し、被害が生じると判断される場合には、必要に応じて多様な防除手段を適切に組み合わせて、効果的・効率的な防除を励行する。これらを実践することにより、総合的病害虫・雑草管理(IPM)を推進する。 また、農薬の使用、保管については関係法令に基づき適正に行う。 4 廃棄物の適正な処理と有機性資源の利活用循環型社会の形成に資するため、作物の生産に伴って発生する使用済プラスチック等の廃棄物の処理は関係法令に基づき適正に行う。また、作物残さ等の有機性資源についても、畜産農業者へ供給する等利活用に努める。 5 エネルギーの節減温室効果ガスである二酸化炭素の排出抑制や資源の有効利用等に資するため、ハウスの加温、穀類の乾燥など施設・機械等の使用や導入に際して、不必要・非効率的な利用の削減や、農業用機械や施設の共同利用の推進等、無駄なエネルギー消費が無いよう努める。 6 新たな知見・情報の収集環境と共生する農業を行うため、作物の生産に伴う環境影響などに関する知見と適切な対処に必要な情報の収集に努める。 7 生産情報の保存生産活動の内容が確認できるよう、肥料・農薬の使用状況等の記録を保存する。 なお、すでにトレーサビリティー等のために生産履歴を記帳している場合は、それをもって対応したものとする。 8 安全な農産物生産への配慮農産物の安全性を確保するため、生産環境の清浄維持に努める。さらに農産物の生産段階における危機管理を実施し、作物の安全性に配慮した管理手順の点検等生産体制の整備を図る。 |