■ 衛生研究所 |
課題名 | 内容 | 活用状況 | アドバイザーコメント |
簡易専用水道等貯水槽における維持管理と水質の関係調査 | マンション等の貯水槽について、水質を調査。 | 保健所の環境衛生監視員が貯水槽の立入検査や監視指導の際、安全でおいしい水の供給指導に本研究成果を活用。 | 行政指導に参考になるまでデータが蓄積されれば多方面に利活用可能になる。 |
食品、飲料水及び食器等から溶出する環境ホルモンの調査研究 | 有機スズ等の環境ホルモンの高感度な分析法を検討。 | 平成14年度より「食品安全対策事業」の「魚介類中の特定物質検査」における有機スズ化合物(TBTO、トリブチルスズ、トリフェニリスズ)分析法として、本法を活用。 | 環境ホルモン検出につき、より改良された方法が開発されたことに意義がある。測定に時間がかかるという難点はあるものの、種々の検査において応用可能となったのは評価される。 |
PCR法による急性脳炎・髄膜炎からのウイルス遺伝子検出法の確立と感染症発生動向調査体制構築に関する研究 | 急性脳炎や髄膜炎などの疾病への迅速対応のため、病原ウイルス遺伝子検出を検討し、また、病原体情報の収集と還元を行うための調査体制を構築。 | 検査法の確立及び情報収集還元のための体制を構築したことで、全国的な情報還元が可能となった。本検査法については、技術の習得等が必要となるが、他のウイルス検査に対しても汎用性のある手法であり本研究の有用性が認められている。 | 迅速なウイルス遺伝子検出法により、検査結果を直ちに還元出来るようになったことが評価できる。検査できる病原体が限られていることに難点があり、注目されている疾患の検査にも応用が望まれる。 |
■ ハイテクプラザ |
課題名 | 内容 | 活用状況 | アドバイザーコメント |
電解砥粒研磨技術によるシャフトの仕上げ技術 | シャフトの外面を、電解砥粒研磨の工程に代替し、表面粗さが現状の半分である0.4μmRyと細かくきれいな面に仕上げる技術を開発する。 | 確立したシャフトの仕上げ技術、技術支援事業等で普及を図っている。 | 電解研磨において一定の成果を得ている。国内他研究所での取り組みとの利欠点、優位性を示しながら、技術実施を進めてほしい。 |
大径・長尺ワーク用円筒形状測定機の開発 | 印刷機のロールなど比較的大型の円筒形状物の、形状測定機の開発を行った。 | 要望メーカーの状況の変化(当該製品の受注の減少、測定機の導入に投入できる費用の制限など)により、現場での活用には至っていない。 | 計測技術開発は加工技術などと不可分の重要な分野である。市販品との優位性を明らかにしながら加工に係わる企業など広い分野での利用を進めてほしい。 |
環境材料の利用技術 | 抗菌ステンレス鋼の抗菌性・加工性・用途について検討。 | 県内の厨房機器メーカなどの県内企業に、抗菌ステンレス鋼を加工するための基礎技術を普及。 | 利活用にあたっては、溶接部での抗菌性低下の原因究明と対策を講じるなど課題を克服しながら進めることが不可欠である。 |
微細構造の寸法・形状評価技術の確立に関する研究 | 県内企業における小型精密部品の微細形状評価の基盤技術を確立するため、市販されている細形状測定装置について特性比較。 | 県内企業からの相談・試験依頼(レンズの形状測定など)において研究成果を活用。 | ニーズに対応できる寸法、形状評価技術の開発は不可欠であり、要求される性能を意識して、確実にこれに応える正確な評価技術の維持を図ってほしい。 |
■ 農業試験場(現 農業総合センター) |
課題名 | 内容 | 活用状況 | アドバイザーコメント |
ネギ生産における高品質化・周年安定化技術の開発 | 本県産ネギの周年生産のためのハウスネギ栽培の効率化技術を開発する。 | 平成17年より会津美里町を中心に1法人を含む3戸の生産者が冬期間のハウスと労力を活用しながら生産を始め、「天女物語」というネーミングで販売されている。 | 新たな施設栽培技術に関わる研究が、普及にまでつながりつつあるところであり、非常に意義が大きいと考える。会津地域に一部定着したならば、地域ブランド食品の食材としての利用とも併せてのPRなどできないであろうか。 |
■ 畜産試験場(現 農業総合センター畜産研究所) |
課題名 | 内容 | 活用状況 | アドバイザーコメント |
能力系統豚の造成と維持技術(新世紀銘柄豚造成) | 生産性の高い、産肉性・繁殖性に優れた、「フクシマL2」を完成。 | これまで、県内全域の養豚農家に生体で14戸、50頭、人工授精用精液で5戸、78セットが導入されており、農家における生産性向上や県産ブランド豚肉の確立に寄与している。なお、「フクシマL2」を導入している県中、会津地方の養豚農家5戸では、この豚を種豚とし、エゴマ種子添加飼料を給与した県産ブランド豚肉「うつくしまエゴマ豚」を年間4,500頭出荷。 | 十分に活用されているものと認められる。 |
中山間地域の遊休農地、転作田等を活用した黒毛和種育成技術の確立 | 中山間地域の遊休桑園を黒毛和種の放牧に利用ための管理技術等を確立。 | 主に県北、県中地方の阿武隈山系において、普及センター、試験研究機関、行政等が一体となって、この技術の導入に積極的に取り組んでいる。また、本技術成果を活用して、県単事業「牛のいる風景創出事業」を創設し、普及拡大を図っている。 | 「牛のいる風景創出事業」は貴重な試みであり、遊休桑園の畜産的利用の課題は大きい。さらに、これらは都市農村交流などのソフト面での展開と組み合わせる必要があり、そうした試みとの連携が求められる。 |
中山間地域の遊休農地、転作田等を活用した黒毛和種育成技術の確立 | 耕作放棄水田における低コスト放牧技術・施設、草地造成技術を検討し、経済性・省力性に優れる放牧利用技術体系を確立。 | 立地条件の悪い中山間地域の耕作放棄水田の利用に有効な技術であることから、主に県中、相双地方等において、普及センター、試験研究機関、行政等が一体となって、この技術の導入に積極的に取り組んでいる。また、上記「牛のいる風景創出事業」に成果を活用。 | 「牛のいる風景創出事業」は貴重な試みであり、耕作放棄水田における畜産的土地利用の課題は大きい。さらに、これらは都市農村交流などのソフト面での展開と組み合わせる必要があり、そうした試みとの連携が求められる。 |
■ 林業研究センター |
課題名 | 内容 | 活用状況 | アドバイザーコメント |
ナメコ種菌の安定性向上技術の開発 | ナメコ菌床栽培の発生不良を防止するため、種菌特性の安定化技術の確立を図る。 | 発生不良防止マニュアルにより、栽培者自らが栽培過程において項目をチェックすることで発生不良の兆候を素早く捉え、適切な対策を早急に実施することが可能になり、県内のナメコ生産者において利活用が進んでいる。 | 十分に活用されているものと認められる。 |
ナメコ優良品種選抜 | 消費者ニーズに適合した独自優良品種の選抜を行う。 | 選抜した「福島N2号」は、子実体が大型であり、従来の利用法にとらわれることなく利用することが可能。県内のナメコ生産者において栽培が進んでいる。 | 十分に活用されているものと認められる。 |
スギ、カラマツ、アカマツ等の強度試験 | 建築用構造材の強度特性を調査し、材料性能を明確化することにより、適正な品質をもつ県産材製品の安定的な供給に資する。 | 県産スギの構造用製材の強度性能を明らかにしたことにより、県産スギ材の品質を一定レベルで保証できるだけでなく、建築設計における構造計算の基礎データとして活用できるため、設計事務所等において利活用が進んでいる。 | 強度性能を明らかにしながら、県産材としての質の高さと安定供給を図る必要がある。県産材の特性を積極的にアピールすることも重要である。 |
スギ人工乾燥の低コスト化に関する研究 | 安定した品質のスギ乾燥材生産体系を確立する。 | スギ材乾燥工程全体の効率化に伴う生産コストの低減が見込まれることから、県内の製材業者や木材加工業者を対象に利活用が進んでいる。 | 乾燥工程の継続的な改良の取り組みは評価できるが、市場ニーズをふまえた新たな展開も必要。 |
■ 内水面水産試験場 |
課題名 | 内容 | 活用状況 | アドバイザーコメント |
アユの追加放流効果 | 漁期中にアユ成魚を追加放流することにより、釣獲を向上させる。 | 平成18年度現在、半数程度の漁協(アユ放流漁協)が追加放流を実施。また浜通り地方の漁協の一部には、天然遡上の不振に備え、当初の放流計画に追加放流を組み込むなど積極的な成果の活用がみられる。 | 十分に活用されているものと認められる。 |