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うつ病と自殺について 「高齢者のうつ病と自殺」

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月1日更新

高齢者のうつ病と自殺

高齢者がおかれている状況

高齢者では、種々の身体・心理・環境の変化のために、うつ症状を持ちやすくなります。

「思うように体が動かなくなった」「退職や子供の独立で人付き合いが減った」「同年代の友人の訃報が多くなった」などのために、元気がなくなるのは当然といえます。

しかし、本人も周りも「当然」と思ってしまって、うつ病と気づかないことが多いのです。

高齢者の抑うつ症状

自殺高齢者の約15%がうつ状態にあり、約5%がうつ病にかかっていると推計されています。

高齢者のうつ病では自殺率が高く、自殺例の背景を精神医学的に詳しく調べたところ、7-8割はうつであったと考えられています。

表向きは身体の病気や生活苦を理由にする自殺であっても、実はうつ病が隠れていることが多いのです。

うつ病は、抑うつ気分(「気分が落ち込む」)、集中力の低下、睡眠障害、食欲減退などの症状を出す病気です。

しかし、高齢者のうつ病では、症状が典型的でなく、うつ病が見落とされやすいのです。

抑うつ気分よりも、身体症状を訴えやすい

 ⇒「疲れやすい」「あちらこちらが痛い」など。体の病気が軽くても「もう自分はだめだ」などと悲観的になりやすい。

認知症と区別が難しいことがある

 ⇒「不安がって家事ができなくなった」「日常のことを覚えていないことが多くなった」など。

実は、うつ病で、不安症状だったり、周りのことに関心が乏しくなったために覚えていないだけということも多い。

(実際に認知症である場合も40%は抑うつ症状を持ち、うつ病の治療で痴呆症状も改善することが多い)

うつ病はきちんとした治療で回復します

うつ病の治療のポイントは、なるべく早く、抗うつ薬などによる治療を受けることです。

治療すると、数カ月から1年くらいで回復します。

食べられなくなって体が弱ってきている、「死にたい」という気持ちが切迫している、などの場合には、入院治療を勧めます。

周りの者は、「体が思うように動かない不安やつらさ」「身内や友達を失った寂しさ」など、ご本人の気持ちをよく理解するとともに、ゆっくり休んでもらい、長い目で見てあげることが大切です。

「がんばって」と励ますとかえって焦りが強くなってしまうので注意します。

また、ときには怒りっぽくなって周りに当たることもありますが、それだけ病気でつらいのだということを理解してあげてください。