重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について(注意喚起)
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について(注意喚起)
【ご注意ください】全国的に、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の報告が増加しています
重症熱性血小板減少症候群(以下「SFTS」)については、2021年以降、国内で毎年100名を超える患者が報告されていますが、
2025年は、第31週(7/28~8/3)時点で既に124名の報告があり、既に昨年1年間の報告数を上回っています。
これまでのところ、SFTSの患者は、西日本を中心に報告されており、2025年8月10日現在、福島県内で患者発生の報告はありませんが、
徐々に患者発生が確認された地域が広がっており、注意が必要です。
また、東アジアや東南アジアでの流行が示唆されており、海外での感染機会にも留意してください。
SFTSとは
SFTSは、マダニにより媒介されるSFTSウイルスによる感染症で、主な初期症状は発熱、全身倦怠感、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)で、重症化し、死亡することもあります。
致命率は約10~30%程度とされており、早期治療が重要です。
感染経路
SFTSウイルスを保有するマダニに刺されることで感染します。
また、SFTSウイルスに感染した動物(ネコやイヌ)との接触や、患者の血液などの体液に直接触れたことが原因と考えられる事例報告があります。
マダニに刺された場合の対応
マダニ類の多くは、ヒトや動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間(数日から、長いものは10日間以上)吸血します。
吸血中のマダニに気が付いた場合は、自分で無理に引き抜こうとせず、医療機関(皮膚科等)で処置してもらってください。
数週間程度は体調の変化に注意し、発熱等の初期症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診し、マダニに刺されたことを医師に伝えてください。
※マダニに刺されたことに気づかない場合もあります。過去2週間ほどの間に草むらなどへの出入りがあり、発熱や消化器症状が出たときは、医療機関を受診し、野外活動の事実を医師に伝えてください。
予防対策
承認されたワクチンはないため、マダニに刺されないようにすることが重要です。
特に、マダニの活動が盛んな春から秋にかけては、マダニに刺される危険性が高まります。草むらなど、マダニが多く生息する場所に入るときは、次のような対策をとることが有効です。
◇長袖・長ズボン・足を完全に覆う靴を着用するなど、肌の露出を避けること
◇補助的に、必要に応じてマダニの忌避効果が認められている虫除け剤(DEET(ディート)やイカリジンという成分を含むもの)を使用すること
◇屋外活動後はすぐに入浴し、体をよく洗い、マダニに刺されていないか確認すること
◇着用した衣服は室内に持ち込まず、すぐに洗濯すること
治療
対症療法が主体となりますが、抗ウイルス薬による治療が検討される場合があります。
医療機関の皆さんへのお願い
SFTSが疑われる方を診た場合、医療機関を管轄する保健所へご相談ください。
SFTSは、感染症法で四類感染症(全数把握対象)に定められています。届出基準に合致する場合は、診断した医師により「直ちに」管轄保健所へ届出をお願いします。
届出基準及び発生届の様式はこちら(厚生労働省ホームページへ)
関連リンク
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について(厚生労働省ホームページ)