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プールの水質維持管理

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月1日更新

Q2:プール水の水質は、どのように管理されているのでしょうか。

項目基準値測定頻度説明
水素イオン濃度5.8以上〜8.6以下月1回以上 水素イオン濃度は一般にpH(ペーハー)という言葉で知られていますが、水の酸性アルカリ性の度合いを示すものです。
 プール水では残留塩素を維持するために塩素消毒を行いますが、プール水のpHが高くなると(アルカリ性になると)殺菌力の強い遊離塩素が消費されてしまいますので、pHは低い方がよいことになります。
 ただ、逆に低すぎれば配管類や設備の腐食が進行しやすくなりますから、できるだけ中性(7.0)付近が望ましいのです。
濁度2度以下月1回以上 濁度を2度以下にすることによって通常の明るさの条件下では、水中で3m程度の視界が確保でき、遊泳時の衝突事故防止につながるとともに見た目にも清潔感が得られます。
過マンガン酸カリウム消費量12mg/L以下月1回以上 過マンガン酸カリウム消費量は、プール水中の有機物量による汚染の程度を表す水質指標です。
 有機物はそのほとんどが遊泳者が持ち込む汚れ成分です。
 汚れ成分はろ過装置などで取り除かれますが、水中にとけ込んでいる成分の中には取り除けないものもあり、だんだん過マンガン酸カリウム消費量の値が大きくなっていきます。
 その場合は補給水を増やすなどして、常に基準値の12mg/lを越えないように十分な余裕を持って水質管理をすることが必要です。
遊離残留塩素濃度0.4mg/L以上1.0mg/L以下が望ましい)毎日、午前1回と午後2回以上 遊離残留塩素濃度はプール水の消毒管理の指標です。
 遊離残留塩素濃度を0.4mg/L以上に保つことは、感染症を予防するなどプールの衛生管理上最も重要です。
 なお、遊離残留塩素濃度が極端に高いと入泳者の眼や皮膚粘膜への刺激となりますから、1.0mg/L以下が望ましいとされていますが、この上限値を少々越えても入泳者の健康に影響を及ぼすとは考えられていません。
大腸菌検出されないこと月1回以上 プール水の大腸菌は糞便による汚染の指標です。
 河川水や湖沼水などでは、人由来の大腸菌ばかりでなく動物由来の大腸菌も存在しますが、プール水では入泳者によって大腸菌が継続的に持ち込まれているものと考えられます。
 それでもろ過装置や消毒装置が適正に管理されていれば検出することはありません。
 大腸菌が検出されるということは、残留塩素濃度の維持も含めてプールの管理が明らかに不適切であることを示しています。
一般細菌200CFU/ml以下CFU:Colony Forming Unit月1回以上 プール水中の一般細菌は、塩素消毒耐性菌の生息状況や清浄度の目安の1つとすることができます。
 一般細菌の多くは非病原性であり、その数も細菌感染症との関連性はほとんどありませんが、基準値は、適正に管理が行われている場合に達成可能な値として200CFU/ml以下としています。
総トリハロメタン暫定目標値としておおむね0.2mg/L以下が望ましい年1回以上(6月〜9月までの水温の高い時期) 総トリハロメタン(クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルム)は、発ガン性物質として水道水質基準で0.1mg/L以下と規定されていますが、これは毎日飲用した場合の基準であり、プールにおいては、口に入る程度であり、経皮吸収や気道吸収についての知見が十分でないことをふまえ「暫定目標値としておおむね0.2mg/L以下が望ましい。」としています。
 トリハロメタンは、プール水中の有機物と塩素剤が反応して生成されるため、この値が高い場合は、補給水量を多くする等して水質を良好にする必要があります。

 プール水が水質基準を満足しなかった場合、遊泳を禁止させるなどの措置を直ちにとり、その原因を徹底的に究明し、必要な改善策を行うようにしなければなりません。
 さらに、水質が回復したことを確認したうえで遊泳を再開するようにします。