幼稚園などの小規模プールの管理
Q12:幼稚園などにある小規模プールはどのように管理したらよいでしょうか。
小規模のプールには、これまで述べてきたような水質基準は適用されません。
それでも、衛生的に管理することの必要性は全く同じです。
特に、幼児用などの小規模プールには十分な浄化設備がない場合が多いのですが、適切な水質を確保することは、むしろ大規模なプールよりも大切です。
抵抗力の弱い幼児などが、プール水による感染症を起こさないようにするために、遊離残留塩素濃度の確保など、十分気を配って管理してください。
小規模プールであっても、循環ろ過装置の付設したプールであれば、設備の管理はこれまで述べてきたことと同様です。
循環ろ過装置がない場合、あるいは水遊び用の仮設のプールの場合は、現状はそれぞれの施設で管理方法が異なり、衛生水準もまちまちのようです。
小規模プールの管理のポイントは次のようなものです。
水量の小さいプールの場合は、極力、利用の都度水を入れ替えるようにします。
もし、容積が比較的大きいなどの理由で、その都度水の入れ替えが困難な場合であっても、5日に1回は水の交換をしてください。
消毒は、大規模のプールと同じようにすることが望まれます。
ただ、プール用として市販されている薬剤は、包装単位が大きいので、食品添加物用の次亜塩素酸ナトリウム溶液(薬局で500ml瓶が販売されています)を用いるのが適当です。
遊離残留塩素を0.4mg/L以上になるようにするためには、次亜塩素酸ナトリウム溶液が6%の場合、水1立方メートルに対し15〜20ミリリットル入れると、遊離残留塩素濃度が1mg/L程度になります。
ただし、使用しているうちに濃度は低下するので、随時濃度チェックする必要があります。