プール設計の留意点
Q1:プールの構造で衛生的な利用のために、設計時に留意されているのはどんな点でしょうか。
プールには施設基準があって、プール本体、給水設備、排水設備、浄化設備などに関して規定があります。ただ、それとは別に、現場の衛生管理者に理解していていただきたい点があります。
一点目は、逆流の防止です。
プール設備における逆流は2種類あります。
プール水の給水管への逆流と排水のプールへの逆流で、どちらも衛生上防止しなければなりません。
特に水道水などの飲料水をプール水として給水する場合は、給水口を水面下に設けるのは困ります。これは、断水時などに給水管内が負圧になった場合、吸引作用によって給水管内にプール水が逆流してしまうからです。
給水口と水面との距離を吐水口空間といいます。プールの設計時にはこれを配慮して吐水口空間が十分あるように造られているはずですが、万が一水面下に給水口がある場合は直していただく必要があります。
また、構造的に給水口が水面の上にあるにも係わらず、ホースなどを繋いで水面より下で給水するようにしている場合は同じ結果となりますので、注意してください。
排水がプールに逆流するのは排水管などが詰まっている場合です。特に冬季に閉鎖するプールの場合、水張りの前に確実に流れることを点検する必要があります。
二点目は、更衣室やトイレからプールサイドに行く場合、必ずシャワーや足洗い槽などの洗浄設備を通らなければいけないようになっていることです。
これはプールの水質を衛生的に保つためには利用者が体の汚れを落として入る必要があるからです。
そのため、抜け道的な通路を設けず、必ずシャワーを浴びてからプールサイドに行くように動線を取ってあります。
場合によってはロープや鎖で通路を制限してあるかもしれません。
誤って取り外した状態で利用させることのないようにしてください。