ノロウイルス
Norovirus
ウイルスの特徴
ノロウイルスは、感染すると激しい嘔吐と下痢などの急性胃腸炎をおこします。また、60℃10分程度の加熱では病原性を失わず、消毒用アルコールに対して抵抗性があります。
電子顕微鏡で観察すると、小さな球形の構造をしており、以前はSRSV(小型球形ウイルス)と呼ばれていました。
原因食品
ノロウイルスに汚染された水や食品を摂取することで感染します。特に、ノロウイルスに汚染(一次汚染)された生カキなどの二枚貝を生・加熱不十分の状態で摂取して感染源になる場合と、サラダ、果実、ケーキなどそのまま食べる食品がノロウイルスに汚染(二次汚染)されて感染源になる場合があります。ノロウイルスによる食中毒の多くは、感染した調理従事者や他から持ち込まれたウイルスが食品に付着して汚染される二次汚染により発生していると考えられています。
また、感染者の便・嘔吐物に接触したり、そこから飛散・浮遊したウイルスを吸い込んだりすることにより、二次感染を起こすことがあります。
症状
潜伏期間は、24~48時間で、下痢、吐き気、腹痛、発熱(38℃以下)が主症状です。通常3日以内で回復します。
予防のポイント
- カキなどの二枚貝の生・加熱不十分での摂取は避けること。
- 生鮮食品(野菜、果物など)は十分に洗浄すること。
- 調理従事者は、胃腸炎症状がある場合は、食品に直接触れる作業をしないこと。
- 調理の際は、必ず手洗い(石けん・流水で2回洗うのが効果的)をすること。
- まな板、包丁、ふきんなどは、よく洗い、熱湯(85~90℃・90秒)や塩素系漂白剤(200ppm)で消毒すること。
- 便・嘔吐物は、直接接触しないように「処理キット」等により取扱い、塩素系漂白剤(1,000ppm)で消毒すること。処理した後は、十分に手洗い・うがいを行うこと。
その他
ノロウイルスに関する正しい情報の提供を目的として、厚生労働省ホームページにQ&Aが掲載されていますので御覧ください。 http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html#top