病原性大腸菌
印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月1日更新
Escherichia coli
菌の特徴
大腸菌は、人や動物の腸管に存在し、通常病原性はありません。しかし、いくつかの大腸菌は人に対して病原性があり、これらは病原性大腸菌と呼ばれています。 現在、この菌は次の5つに分類されています。
- 腸管侵入性大腸菌(EIEC) ~ 腸の細胞内へ入り、赤痢のような症状(血便、腹痛、発熱)をおこす。
- 腸管病原性大腸菌(EPEC) ~ 急な発熱、下痢、腹痛を症状とし、サルモネラ属菌とよく似た急性胃腸炎をおこす。
- 毒素原性大腸菌(ETEC) ~ エンテロトキシンにより、コレラのような激しい水様性の下痢をおこす。
- 腸管出血性大腸菌(EHEC) ~ ベロ毒素により、腹痛や血便などの出血性腸炎をおこす。
- 腸管集合性大腸菌(EAggEC) ~ 腸の細胞に付着し、エンテロトキシンを産生することにより、散発的に下痢症をおこす。我が国ではほとんど報告されていない。
原因食品
ハンバーグ、生肉、生レバー、井戸水など。
症状
潜伏期間は、EPEC及びETECの場合12~72時間、EIEC及びEAggECの場合1~5日(3日以内がほとんど)、EHECの場合4~8日です。
主症状は、腹痛、下痢、発熱(38~40℃)、おう吐、頭痛などです。
予防のポイント
- 帰宅時、調理前、食事前、生肉を取扱った後などには、十分に手を洗うこと。
- 食肉を扱った容器・包丁・まな板は、熱湯等で消毒すること。
- 生肉・生レバーは、食べないこと。
- 食材は、よく洗い、十分に加熱すること(75℃1分間以上)。
- まな板、包丁、ふきんなどは、食材ごとに使い分け、十分に洗浄・消毒すること。
その他
腸管出血性大腸菌に関する正しい情報の提供を目的として、厚生労働省ホームページにQ&Aが掲載されていますので御覧ください。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177609.html