温室効果ガス排出量算出結果(2014)
福島県における2014年度(平成26年度)の温室効果ガス排出量について
本県における2014年度(平成26年度)の温室効果ガス排出量について、地球温暖化対策の推進に関する法律第21条第10項に基づき公表します。
1 温室効果ガス排出量について
2014年度の温室効果ガス総排出量(各温室効果ガスの排出量に地球温暖化係数※1を乗じ、それらを合算したもの)は、1,751万トン(二酸化炭素換算)となりました。
なお、2014年度における温室効果ガスの種類別の排出量の内訳は、図1のとおりです。
また、温室効果ガス排出量の9割以上を占める二酸化炭素(以下「CO2」という。)の部門別の排出量の内訳は図2、エネルギー別の排出量の内訳は図3のとおりです。
2 基準年度〔1990年度(平成2年度)〕からの温室効果ガス排出量の増減について
(1) 福島県地球温暖化対策推進計画で温室効果ガス削減目標の基準年度としている1990年度(平成2年度)の総排出量である1,455万トン(CO2換算)と比較すると、温室効果ガスの総排出量は+20.3%となりました。
(2) 温室効果ガスの種類別の増減としては、CO2が+24.0%、ハイドロフルオロカーボン類(以下「HFCs」という。)が+114.2%となっていますが、それ以外の温室効果ガスであるメタン(以下「CH4」という。)、一酸化二窒素(以下「N2O」という。)、パーフルオロカーボン類(以下「PFCs」という。)、六フッ化硫黄(以下「SF6」という。)については、基準年度を下回っています。
(3) CO2排出量について部門別にみると、民生家庭部門(+67.3%)と民生業務部門(+56.2%)で高い増加率を示しています。
(4) 森林吸収量等による調整後排出量について
上記総排出量から2014年度の森林吸収による削減量(172万トン(CO2換算)、林野庁算定データ)、及び東北電力の調整後排出係数※2による増加量(2.9万トン(CO2換算))を合計すると、排出量は1,582万トン(CO2換算)となり、基準年度である1990年度(平成2年度)と比較すると、8.7%上回りました。
※1 地球温暖化係数とは 個々の温室効果ガスの地球温暖化に対する効果を、その持続時間も加味した上で、二酸化炭素の効果に対して相対的に表す指標。メタンは二酸化炭素の約21倍、一酸化二窒素は約298倍、フロン類は数百~数万倍となる。 ※2 調整後排出係数とは 電気事業者の電力の排出係数について、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT制度)に伴う調整等を行った後の排出係数。 |
3 前年度〔2013年度(平成25年度)〕からの温室効果ガス排出量の増減について
温室効果ガスの総排出量は、前年度の1,810万トン(CO2換算)と比較すると3.3%の減少となりました。総排出量の大部分を占めるCO2の排出量の増減については以下のとおりです。
CO2の排出量は1,630万トンとなり、前年度の1,687万トンと比較すると3.4%の減少となりました。その主な要因としては、省エネ等によるエネルギー使用量の減少や、東北電力の新潟・福島豪雨で停止していた水力発電所の運転再開等による、電気使用量に係る二酸化炭素排出係数(以下、「電力の排出係数」という)※3の改善などがあげられます。
(1) 産業部門※4(前年度比▲1.6%)
CO2排出量は減少しました。その主な要因としては、製造品出荷額は前年度より増加していますが、エネルギー使用量の減少や、電力の排出係数の改善等により、単位製造品出荷額当たりの排出量が減少したことがあげられます。
(2) 民生家庭部門※5(前年度比▲4.8%)
CO2排出量は減少しました。その主な要因としては、世帯数は増加していますが、省エネ等によるエネルギー使用量の減少や、電力の排出係数の改善等により、1世帯あたりの排出量が減少したことがあげられます。
(3) 民生業務部門※6(前年度比▲6.3%)
CO2排出量は減少しました。その主な要因としては、オフィスや店舗等の業務床面積は前年度とほぼ横ばいですが、省エネ等によるエネルギー使用量の減少と、電力の排出係数の改善等により、単位業務床面積あたりの排出量が減少したことがあげられます。
(4) 運輸部門※7(前年度比▲2.8%)
CO2排出量は減少しました。その主な要因としては、運輸部門のCO2排出量のうち97.0%を占める自動車の使用に伴うガソリン使用量が前年度に比べ減少したことがあげられます。
(5) 廃棄物部門※8(前年度比▲0.5%)
CO2排出量はほぼ変化ありませんでした。その主な要因としては、災害廃棄物焼却に伴う排出量は前年度に比べ減少しましたが、産業廃棄物焼却に伴う排出量は増加したことがあげられます。
※3 電気使用量に係る排出係数とは 電気使用に伴う二酸化炭素の排出量を計算するための係数。 (電気使用量 × 電力の排出係数= 電気使用に係る二酸化炭素排出量) ※4 産業部門とは 製造業、農林水産業、鉱業、建設業におけるエネルギー消費に伴う排出を対象としたものである。 ※5 民生家庭部門とは 家庭におけるエネルギー消費に伴う排出のうち、自家用自動車等の運輸関係を除いたものを対象としたものである。 ※6 民生業務部門とは 企業の事務所・ビル、ホテルや百貨店等の第三次産業等におけるエネルギー消費に伴う排出を対象としたものである。 ※7 運輸部門とは 運輸部門とは、乗用車やバス、船舶や航空などの運輸関係におけるエネルギー消費に伴う排出を対象としたものである。 ※8 廃棄物部門とは 廃棄物の焼却、廃棄物の埋め立て、排水処理、廃棄物の燃料代替等利用に伴う排出を対象としたものである。 |
4 その他
(1) エネルギー使用量について
2014年度のエネルギー使用量(原油換算)は4,202千klであり、前年度である2013年度と比較すると2.6%の減となりました。その部門別内訳は図4、エネルギー種類別内訳は図5のとおりです。
(2) 算定方法について
今回の算定においては、国が公表しているエネルギー消費統計等の基礎資料が、統計手法の変更等により過去に遡って改定されたため、本県の温室効果ガス排出量についても基準年である1990年度に遡り排出量を算定し直しています。
参 考
1 電力の排出係数について
電力の排出係数とは、電気使用に伴うCO2の排出量を計算するための係数です。(電気使用量 × 電力の排出係数= 電気使用に係る二酸化炭素排出量)
調整後排出係数とは電気事業者の二酸化炭素排出係数について、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT制度)に伴う調整等を行った後の排出係数です。
2014年度の東北電力の実排出係数は0.000571 t-CO2/kWh、調整後排出係数は0.000573 t-CO2/kWh。 2013年度の東北電力の実排出係数は0.000591 t-CO2/kWh、調整後排出係数は0.000589 t-CO2/kWh。 |
2 「福島県地球温暖化対策推進計画」における温室効果ガス排出量削減目標について
本県では、地球温暖化対策に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために「福島県地球温暖化対策推進計画」を策定しています。
2011年3月に発生した東日本大震災により、本県の置かれた状況が大きく変わったことから、2013年3月に本計画の改定をしました。
中期目標として、2020年度は再生可能エネルギーの導入や県民・企業の省エネルギーに向けた努力等を行うことにより、温室効果ガス排出量について、基準年度(1990年度)比で10~15%の削減を図ることを目指しています。
なお、気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)での「パリ協定」合意、国の「地球温暖化対策計画」及び「気候変動への適応計画」策定、本県が取りまとめた「福島県の気候変動と影響の予測」結果等を踏まえ、現在「福島県地球温暖化対策推進計画」の改定を進めています。
3 排出量の公表時期について
2014年度の日本の温室効果ガス排出量の算定結果については、2016年4月に公表されていますが、本県の排出量算定に必要な都道府県ごとの統計資料及び福島県内の各種統計資料の発表が遅れることから、本県の公表時期は国と異なります。
4 関連図表
○ 本県における温室効果ガス排出量の推移 [PDFファイル/281KB]
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)