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増設ALPS配管洗浄作業における身体汚染について

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年2月13日更新

トラブルの概要 

 令和5年10月25日、増設多核種除去設備(増設ALPS)にて、クロスフローフィルタ出口配管内の洗浄作業を実施していたところ、洗浄廃液を移送していた受入タンク内から仮設ホースが外れ、近傍で作業していた作業員に洗浄廃液が飛散した。洗浄作業に携わった作業員5名の内4名に身体汚染が発生し、内2名に対して除染を行ったが退出基準(4Bq/平方センチメートル)以下まで除染が困難であったことから、福島県立医科大学付属病院へ搬送された。鼻腔スミアにより内部取り込みがないこと、また、医師の診断結果から放射線障害による熱傷の可能性は低いと判断された。

経過

・搬送された作業員2名は、病院での処置を受け退院した。(10月28日)
・作業員2名について、汚染が退出基準(4Bq/平方センチメートル)以下まで低下したことが確認された。また、残りの作業員3名については、被ばく線量評価が実施され、線量限度(※)を超えないことが確認された。(11月16日)
・作業員2名について、被ばく線量評価が実施され、線量限度(※)を超えないことが確認された。(12月14日)
※線量限度:「東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設の保安及び特定核燃料物質の防護に関する規則」に定める「当該作業における実効線量:5mSv」、「皮膚の等価線量限度:年間500mSv」

福島県の対応

申し入れ

県では東京電力に対し、重大なトラブルに繋がるリスクに対して申し入れや要請を行っています。

 今回のトラブルでは、現場の作業管理や東京電力の情報発信の正確性に問題が見られたことから、作業安全の確保を徹底し、正確な情報発信に責任を持って取り組むよう、申し入れを行いました。

会議による確認結果

 会議において、東京電力の対応状況や再発防止対策について説明を受け、安全対策の構築や正確な情報発信に取り組むよう求めました。
会議 開催日 増設ALPS配管洗浄作業における身体汚染に関する議題
第35回(令和5年度第2回)労働者安全衛生対策部会 令和5年10月31日 増設ALPS配管洗浄作業における身体汚染について
第91回(令和5年度第4回)廃炉安全監視協議会 令和5年11月17日 増設ALPS配管洗浄作業における身体汚染発生に係る対応について
第92回(令和5年度第5回)廃炉安全監視協議会 令和6年1月31日 増設ALPS配管洗浄作業における身体汚染発生に係る対応について

原子力安全対策課楢葉町駐在による現場確認

調査報告書
令和5年12月11日

【参考】福島県原子力安全対策課現地駐在

 福島県では、東京電力ホールディングス株式会社の廃炉に向けた取組等の確認体制を強化するため、平成26年4月1日から、楢葉町内に原子力安全対策課職員が常駐し、現地確認やトラブル時の迅速な情報収集を行っています。なお、重大なトラブルが発生した時には休日・夜間も現場確認ができるように体制を整えています。

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