原子力防災のしおり
緊急事態発生の広報を聞いたら
もし、原子力発電所において緊急事態が起こった場合には、国、県、地元町などは、あらゆる伝達手段を使って、災害対策本部からの指示や必要な情報を、速やかにお知らせします。
放射線や放射性物質は、人間の五感で感じることができないため、自ら被害の程度を判断することができません。
- 皆さんは、国、県、町等からの正確な情報に基づき、沈着、冷静、確実に行動してください。
・テレビやラジオのスイッチを入れ、国や県などから発表される情報に注意してください。
・皆さんの安全を確保するため、重要な情報をお伝えします。 - 広報車や防災行政無線などによる町からの情報を確認し、その指示に従って落ち着いて行動してください。
・避難などの特別な行動を必要とする場合は、町が防災行政無線や広報車の巡回などにより、皆さんがとるべき行動についての指示をお伝えします。
・自分勝手な行動はとらないで、次の指示が出るまで待ちましょう。 - 不要な外出は控え、指示があるまで自宅等で待機しましょう。
- デマなどにまどわされないように注意してください。
- 不必要な電話(携帯電話)は、控えてください。
皆さんの地域で聴けるラジオや、見ることのできるテレビは、次のとおりです。
ラジオ放送局周波数一覧表 AM(中波)放送
NHK福島(第一)いわき放送局 1341KHz NHK福島(第一)原町放送局 1026KHz (第二)いわき放送局 1539KHz RFC(ラジオふくしま)いわき放送局 1431KHz RFC(ラジオふくしま)原町放送局 801KHz FM放送 NHK-FM福島放送局(富岡) 84.5MHz NHK-FM福島放送局(いわき) 86.1MHz NHK-FM福島放送局(原町) 83.3MHz ふくしまFM(いわき) 78.6MHz 【テレビ放送局】
NHK総合テレビ、NHK教育テレビ、福島テレビ、福島中央テレビ、福島放送、テレビユー福島
屋内退避の指示が出されたら
自宅などの建屋内に入り、できる限り外気に触れないよう、ドアや窓を全部締めてください。
屋内に留まっていれば、受ける放射線の量を少なくできます。
災害対策本部の指示に従い、冷静沈着に行動してください。
- 屋内に入り、外出しないでください。
- テレビ、ラジオ、広報車、防災行政無線などで発表される情報や指示に注意してください。
- 電話による問い合わせなどは控えてください。
- 屋内退避の指示は、早め早めに出されます。あわてず落ちついて行動してください。
避難やコンクリート屋内退避に備え、次の物を準備してください。
準備品リスト
- ラジオ(ポータブルタイプ)、懐中電燈(電池も忘れずに)
- 現金、預金通帳、印鑑など
- 非常食(缶詰、スナック菓子など)
- 飲料水
- 着替え(2~3日分程度)
- 常用薬(血圧の薬など)
- 赤ちゃんの居る家庭では、おむつ、粉ミルクなど必要なもの。なお、町では避難場所に食料や飲料水などの生活必需品を準備します。
避難やコンクリート屋内退避の指示が出されたら
避難やコンクリート屋内退避の指示は早め早めに出されます。
災害対策本部の指示に従い、冷静沈着に行動してください。
まず指示の内容をよく確認し、指示された場所に集合してください。
避難所は、防災計画に定められた施設の中から、放射線の影響を受けにくい場所にある施設が選ばれます。
- 集合場所は、歩いて行けるところにあります。歩いて集まってください。
- 病人や歩けない人には、災害対策本部が救急車などを用意します。
- 集合場所では、係の人の指示に従ってください。
- 集合場所からは、バスなどで移動します。
立入制限について
避難および屋内退避などが指示された区域においては、広報や避難誘導等の防災活動を円滑に行うため、防災関係者とその車両以外の立入りが制限されます。
また、立入禁止区域の周辺においても交通規制が実施されるとともに、発電所周辺の海域についても関係船舶以外の立入りが制限されます。
緊急事態発生の広報を聞いた場合は、不要な外出をひかえてください。
避難所に到着したら
避難所では、係員が皆さんのお世話をします。
係員の指示に従い、お互いに協力して、冷静沈着に行動してください。
- 避難所に到着して最初にすること
・避難所の受付では、避難された皆さん全員について住民登録を行います。係員の説明に従い、正確に記入してください。
・必要により、放射性物質による汚染の有無の診断(スクリーニング)を受けていただきます。
・スクリーニングを受け汚染のないことが確認された方は、避難所内で待機することになります。 - 汚染が見つかったときは
・スクリーニングの結果、基準値を超える汚染が確認された場合、専門の施設で放射性物質を洗い落とすとともに、詳細な検査を実施します。 - 避難の途中にケガ等をされた方は
・避難所には救護所が設置されますので、軽度のケガや病気の方は、その場で応急手当を受けることができます。
・なお、ケガや病気の程度により、専門的な治療が必要な場合は、一般病院に搬送します。
- 避難所での生活は
・係員が、災害状況などの必要な情報や災害対策本部からの指示をお伝えします。皆さんは、災害対策本部からの正確な情報や指示に基づき、落ち着いて行動してください。
・避難所で必要となる飲食物、生活必需品については、町から支給されます。
・避難所での生活は自宅での日常生活とは違った環境になるとともに、原子力災害の特殊性から、健康に不安を持つ人が多くなることが想定されます。避難所では、こうした健康に不安をもつ皆さんのために、健康相談を実施します。
- ヨウ素剤の配布について
・災害対策本部では、必要に応じて、皆さんにヨウ素剤を配布します。
・配布場所は、避難のための集合場所、避難所及び屋内退避の対象地区などです。皆さんは、災害対策本部の指示に従って服用してください。
ヨウ素剤について
ヨウ素剤は、ヨウ化カリウムを飲みやすい錠剤にしたものです。 原子力発電所の事故時には、放射性ヨウ素が放出されることがあります。ヨウ素は、体内に入ると甲状腺に集まる性質があります。ヨウ素剤を服用すると、放射性ヨウ素が甲状腺に入るのを防ぎ、甲状腺を放射線から保護する役目を果たしてくれます。
県では、万一に備えて関係6町等に安定ヨウ素剤を備蓄しています。
飲食物の摂取制限の指示が出されたら
避難または屋内退避などが指示された区域においては、とりあえず屋内に貯蔵してある飲食物以外の飲食物の摂取が禁止されます。
災害対策本部は、緊急時環境放射線モニタリングを行い、飲料水や飲食物について、放射性物質による汚染濃度が基準値を超えるおそれがある場合は、その地区の住民に対して、飲食物の摂取を禁止する指示を出します。そのときは、県や地元町では指定された地区の皆さんに飲料水や飲食物を支給します。なお、摂取制限が指示された飲食物でも、すでに屋内に保存されていたものについては摂取することができます。
また、指定された地区においては、同時に、農畜水産物の採取、漁獲の禁止、出荷の禁止等の指示も出されます。
飲食物の摂取制限等の指示については、テレビ、ラジオ、防災行政無線、広報車などで皆さんにお伝えします。皆さんは災害対策本部の指示を守ってください。