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地球探検 パラグアイ共和国 廣瀬靖夫隊員 15

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月1日更新

地球探検  

パラグアイ通信(15)

  うら若い女性がキセルのようなパイプから何かを吸っている(写真1)のを見て、何か悪いもの(マリファナか何か?)をやっているのかと思いきや、お茶を飲んでいるのだそうです。ポット・ストロー(ボンビージャ)・カップがワンセットになっています。お茶の葉っぱをカップに入れ、その上からポットでお湯または水を注ぎ、ボンビージャをお茶の葉っぱの中へ差し込んで、抽出されたお茶を飲むのです。ボンビージャの先はお茶の葉が入らないように工夫されています。これが南米ー帯でよく飲まれているマテ茶です。

   これはジェルバの葉(写真2)を火で乾燥させたもので、マテ(ジェルバ・マテ)は南米原産のモチノキ科の植物、「ジェルバ」はスペイン語で「ハーブ」、「マテ」はインデオの言葉で「ひょうたん」(ひょうたんにお茶を入れていたそうです)を意味するそうです。

   これはスーパーマーケットでパックになって売っていたり、ティバッグになっていたりしているので、私たちもこのティバックのマテ茶を買って愛飲しています。味はと言うと、ほとんど癖がなく、日本で売っているペットボトルの「十六茶」みたいな味です。

   ところが夏になると、街の角々で薬草のようなものを売っていて、客の求めに応じてすり鉢でいくつか混ぜてすりつぶして売ってくれるのです(写真2)。これをマテ茶のカップに入れて、「水」を注いでボンビ-ジャから飲むのです。これは「テレレ」と言って、「お湯」を入れるマテ茶と明確に区別しています。

   このテレレは、原住民であったガラニー族からの伝統で、二日酔いのときは、これとこれ、便秘のときは、あれとあれを調合してくれるそうで、よく効くと言います。漢方薬みたいなものですね。

   このマテ茶・テレレはよく回し飲みされます。Aさんが入れたマテ茶をBさんに渡しBさんがひと口で飲み、またAさんがお湯か水を注ぎCさんに渡す。Cさんもひとくちチュッと吸ってまた次の人に渡すのです。これはパラグアイでは、友情を示す証として行われる儀式です。

   日本でも、茶会の席で同じ茶碗のお茶を回し飲みする作法があり、昔秀吉の茶会に呼ばれ、ハンセン病の大谷吉継が飲んだお茶碗を石田三成がそのまま飲んで2人の友情が深まったのはあまりにも有名な話ですね。 だが私は、まだマテ茶の回しのみに加わったことはありません。今、新型豚インフルエンザが流行っていますしね!

写真1

マテ茶を飲む女性                         

マテ茶を飲む女性とポット・カップ・ボンビージャの3点セット

ボンビージャの先の構造 

ボンビージャの先の構造(―例)

写真2

街角で売られているテレレ

テレレを街角で売っている。すりつぶす鉢に入れて調合中です。

ジェルバ・マテの葉

ジェルバ・マテの葉(ウィキペディアより)

廣瀬 靖夫 (シニアボランティア 環境工学)