地球探検 チリ共和国 山寺四郎隊員 6
チリ便り 9月号
皆さまお元気でしょうか。
ここTemucoも9月に入り晴れの日が多くなり、一段と日差しが強くなってきたように感じられます。草木の花の数も多くなってきました。また、多くの木々の芽吹きも始まってきました。
さて私の近況ですが、4月17日にここTemucoに着任してから5カ月半が過ぎました。当初は何もかにもが珍しく興奮状態にあったような気がします。現在は物事を少しさめた目でじっくりと見ることが出来るような気がします。できるだけこちらの人々の目線で物事を判断するように心がけています。あまり日本の社会とは比較しないようにしております。
事務所の状況ですが、9月に入り職員が一挙に5~6名増員され事務所が狭くなってきました。これも政策的な意味合いが感じられます。と言うのも今年の12月にチリの大統領選挙があることから、次期大統領によっては組織体制が一変されるのでその前の布石かもしれません。この事務所も12月過ぎには人事異動も含めてだいぶ変わるのではないかと思っております。
私の日常生活は、相変わらずこちらの方々に親切にしていただいております。私としては、お客様ではなく一日でも早くこちらの人と同じく取り扱っていただきたいと願っております。最近は自分の意思を伝えるように心がけております。
最近の出来事としては、9月18日(金曜日)が独立記念日にあたり土日と三連休でした。19日(土曜日)に職員のLorenaさんが車で三時間ほど離れた国立公園(Parque Nacional Congullio)に私と吉田さん(私と同じボランテイア)家族四人とともに連れて行っていただきました。まだ山には雪が残っており日本の春山を思い出しました。また登山をしている自分の姿を見ているような気分になりました。途中の景色もとても美しいものでした。透明度がものすごく高い湖がありとても感激です。すべてが鏡のようでした。また太陽の光線によって湖の色が濃い緑、ブルー等に変化をするのでいつまでも見とれてしまいました。
また、噴火の後も生々しい火山岩の平原を車道が通っており別の惑星の中に居るような気分にもなりました。最終目的地の湖は上高地をもっと大きくしたような感じで、ブルーの湖面に反射する相似形の雪山の姿にはしばし目を奪われてしまいした。チリ南部は自然美の宝庫であると感じました。ここでロンガニーサ(肉の腸詰?)の炭火焼きをして昼食を取り湖の浜辺でしばし子供たちと遊んで楽しみました。
その後、徒歩で近きにある更に高い所にある湖を目指しました。歩道はほとんどが雪で覆われ子供たちは大はしゃぎで遊びまわっていました。回りは巨大な木々に覆われ、特にこちら特産の木“Araucania”(アラウカニア:松の種類?ここの州の名前になっている。)の巨木が立ち並び独特の雰囲気を醸し出していました。目的地の湖までは雪のため時間がかかり時間切れとなり途中で引き返しました。次回夏にもう一度行ってみたいところであります。
これからのこちらでの生活は自分でもだいぶ慣れてきたので、なるべく人の世話にならないように行動しようと思っております。回りの雰囲気にも流されないように、常にシニア海外ボランティアであることを意識して業務に努めたいと思っております。また二年先の自分の姿を描きながら。
皆さまもお元気で。
Lorenaさんのお子さん二人。
まるで鏡のようです。
一面火山岩の中を車で通ります。
最近の私です。背景の木はアラウカニアです。
山寺 四郎 (20年度4次隊 自然環境保護活動)