令和5年度駐日外交団福島県視察
令和5年度駐日外交団による福島復興視察ツアー(Fukushima Revitalization Tour)
令和5年8月2日及び3日、福島県は外務省との共催で、駐日外交団を対象とした「福島復興視察ツアー」を実施しました。
自国への強い発信力をもつ駐日大使等を本県に招待し、これまでの御支援への感謝の思いを伝えるとともに、復興の現状や魅力など「ふくしまの今」を直接感じていただくことを目的とし、浜通りを中心に視察を行いました。
〇日 程
令和5年8月2日(水曜日)~3日(木曜日)
〇訪問先
【1日目】ホテルハマツ(福島県主催交流会)、福島県環境創造センター 交流棟(コミュタン福島)、
福島県立ふたば未来学園、ワンダーファーム、いわき新舞子ハイツ(外務省主催夕食会)
【2日目】福島県水産海洋研究センター、浅野撚糸(株)双葉事業所 フタバスーパーゼロミル・エアーかおる双葉丸、
道の駅なみえ(昼食)、福島水素エネルギー研究フィールド、まるせい果樹園
○参加者
12か国から15名の駐日大使等
1日目
〇ホテルハマツ(福島県主催交流会)
ツアー冒頭に歓迎の意を表するため、郡山市にあるホテルハマツを会場に、福島県主催の交流会が行われました。 内堀雅雄知事が参加者をお出迎えした後、「FUKUSHIMAの未来」と題して福島県の復興状況等を紹介しました。
また、今回参加された駐日外交団を代表して、ピエール・フェリング駐日ルクセンブルク共和国特命全権大使が答礼挨拶を行いました。その後の昼食会においては、フルーツ王国福島を代表する夏の果実「桃」のジュースで乾杯した後、福島牛や常磐産ヒラメなど、福島県産の食材を豊富に使った料理を提供し、駐日外交団は福島の食を堪能しました。
〇福島県環境創造センター 交流棟(コミュタン福島)
最初の視察先として、原子力災害からの復興の歩みや福島の環境について学ぶことができる福島県環境創造センター交流棟(愛称:コミュタン福島)を訪問しました。
駐日外交団は、砂場に映像を映し出し再生可能エネルギーについて学べる展示「エネルギークリエーター」など、今年3月にリニューアルされたばかりの展示室を視察し、放射線や福島の環境の現状について理解を深めていただきました。
〇福島県立ふたば未来学園
平成27年に「福島県の復興を支え、社会に貢献する人材の育成」などを教育目標として広野町に創設された、中高一貫の県立ふたば未来学園を訪問しました。冒頭では、国内外で輝かしい成績を残しているバドミントン部の練習場所や教室、学生たちが食品製造の際に利用する食品加工室などを見学したほか、学校長より学校の特色や取組についての紹介がありました。
その後、コーヒーブレイクでは学生たちから地域と連携して開発したマドレーヌなどの提供があったほか、海外研修でニューヨークを訪問した生徒たちから研修報告のプレゼンテーションがあり、駐日外交団から生徒への質疑応答などを通して活発な意見交換・交流の場が設けられました。
〇ワンダーファーム
平成28年、いわき市にオープンした農と食の複合施設ワンダーファームを訪問しました。施設側からトマトの栽培技術や食の安全に対する取組等の説明を受けた後、トマト狩りが行われ、駐日外交団からは「とても美味しい」との声が上がりました。
〇いわき新舞子ハイツ(外務省主催夕食会)
ツアー1日目の夜は、いわき新舞子ハイツで外務省主催夕食会が催されました。いわきの料理人が腕を振るう旬の海鮮を贅沢に使った料理や、福島が誇る日本酒が提供され、福島の食の魅力を満喫しました。
2日目
〇福島県水産海洋研究センター
ツアー2日目の朝は、東日本大震災と原発事故により被害を受けた福島県漁業の復興と再生に関する調査研究を行うほか、水産業関係者の水産物加工技術開発、食の安全に係る情報発信支援を目的とした施設である福島県水産海洋研究センターを訪問しました。県担当者から水産物の放射性物質モニタリング等の取組について説明を受け、その理解を深めました。
〇浅野撚糸(株)双葉事業所 フタバスーパーゼロミル・エアーかおる双葉丸
双葉町の復興産業拠点(工業団地)にタオル等の製造・販売を行う浅野撚糸(本社・岐阜県)が開設した工場やタオルショップ、カフェなどから成る施設を訪問しました。同社の社長から工場設置の背景や復興への思い、各取組の詳細な説明を受けた後、工場見学を行いました。
〇道の駅なみえ(昼食)
ツアー2日目の昼食場所として、浪江町産品を、買う・見る・食べるが叶う場所として令和2年にオープンした道の駅なみえを訪問しました。冒頭で浪江町長から挨拶があった後、駐日外交団は請戸漁港で水揚げされたばかりの新鮮な魚介類を使った料理や、浪江町の郷土料理、なみえやきそばを堪能しました。
〇福島水素エネルギー研究フィールド
再生可能エネルギーを利用した世界最大級の水素エネルギーシステムを備える福島水素エネルギー研究フィールドを視察しました。
浪江町担当者から再生可能エネルギーに関連し、町と施設が連携した取組等について説明がありました。同町は水素エネルギーの利活用にも積極的に取り組んでおり、その挑戦や現状の課題について、駐日外交団は強い関心を寄せていました。
〇まるせい果樹園
福島の「桃」の魅力を知っていただくため、100年以上の歴史を持つ福島市のまるせい果樹園を訪問しました。同社の社長より、果樹園として桃の美味しさを追求するだけでなく、震災後はASIAGAPを取得するなど、食の安全を示す取組にも挑戦しているなどの説明を受けました。
その後は、福島を代表する桃の品種「あかつき」などを収穫するとともに試食を行いました。新鮮で甘く高品質な桃に、駐日外交団からは多数の賞賛の声が上がりました。