平成29年度駐日外交団福島県視察
平成29年度駐日外交団福島県視察(Diplomats' Study Tour)
平成30年1月31日(水)~2月1日(木)の1泊2日で、駐日大使を始めとする外交団を対象とした県内視察ツアーを実施しました。今年度は、東日本大震災後、初めて浜通りを訪れるコースとなりました。
1日目
参加者の皆さんをJR郡山駅でお迎えし、三春町にある福島県環境創造センター交流棟『コミュタン福島』に向かいました。角山所長より福島県の概要や震災による影響等について講演していただいた後、展示室を見学しました。『ふくしまの歩みシアター』や東京電力福島第一原子力発電所の模型を熱心に御覧になり、質問も出る等、高い関心を示されました。360度の全球型スクリーンの映像を楽しめる『環境創造シアター』を体感しました。
同センター内で、角山所長や大山副所長とともに三春グルメンチやほうろく焼き等、地元の食材を盛り込んだ昼食をとって交流するとともに、センターのスタッフが準備してくださった機器を用いて、身近な物の放射線量を測定しました。
続いて川俣町の『かわまたおりもの展示館』を訪問し、昔ながらの織物の機械や世界一薄い絹織物『フェアリーフェザー』を使って、桂由美先生がデザインして作られたウェディングドレス、雛人形を御覧になりました。『からりこ館』では、手織物の体験をし、各々のコースターを製作しました。
また、世界一薄い絹織物『フェアリーフェザー』を開発・製造する齋栄織物株式会社も訪れ、製造工程を見学し、お土産として『フェアリーフェザー』のポケットチーフをいただきました。
夕刻、内堀雅雄福島県知事主催の歓迎レセプションが福島市のホテル辰巳屋で開催され、和やかな雰囲気の中で、交流されました。知事から来県への感謝の気持ちを込めて『大堀相馬焼』の絵皿が記念品として、参加者全員に贈呈しました。
参加者を代表して、駐日ジャマイカ特命全権大使のリカード・アリコック閣下より福島県民への友情と共感、そして視察先の感想が温かい言葉で述べられました。記念品を代表して受け取った駐日サモア独立国特命全権大使のファアラヴァアウ・ペリナ・ジャックリーン・シラ・ツアラウレレイ閣下からは、今後も交流を深めていきたいとの御発言がありました。
2日目
ホテル辰巳屋を出発した皆さんは、相馬市伝承鎮魂記念館にて、東日本大震災の津波被害の映像を視聴しました。自身のいる場所の津波被害の大きさを実感した様子で、映像を食い入るように見つめている方がたくさんいらっしゃいました。かさ上げして再建された相馬港湾建設事務所へ移動し、相馬港周辺の被災・復興状況について説明を受けました。
続いて石油資源開発株式会社相馬事業所に向かい、国内最大級のタンクを有するLNG基地を見学しました。ガラス越しに一瞬だけ見せていただいた制御室、津波被害を想定して設計された建物、避難場所となる4階の展望デッキなどを見て回りました。
次に訪問したのは、津波被害に遭いながらも営業を再開した和田観光苺組合です。いちご狩りを楽しみ、美味しいいちごを味わいました。参加者の皆さんは、御家族や同僚へのお土産を大量に購入され、当日の直売分が売切れてしまうほどの人気でした。昼食に訪れた『たこ八』も津波被害から復興したお店です。ほっき飯や煮魚、刺身、てんぷら等を味わいました。
最後の視察先となるJAEA楢葉遠隔技術開発センターでは、概要説明を受けた後、VR体験とロボット技術開発のための試験を行う施設を見学しました。VR体験では特殊なメガネをかけて、福島第一原子力発電所2号機の内部を歩く体験をし、パイプ等をすり抜けて歩くという、非日常的な体験をしました。試験棟では、実際の原子力発電所と同じ大きさの模型で試験していること、幅や角度が変えられる階段、水中でロボットの動きを試験できる大型水槽、ドローンの飛行試験等、様々な試験が実施されているのを見学しました。
天候にも恵まれた視察は、JRいわき駅でのお見送りで終了しました。参加者の皆さんは、両手にお土産をお持ちになって、お帰りになりました。