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「福島県版ユニバーサルデザイン実現への提案」ファシリテータより「ユニバーサル・デザイン研究会」を振り返って

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月1日更新
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福島版ユニバーサルデザイン実現への提案

「ユニバーサル・デザイン研究会」を振り返って

 本研究会は2001年7月の第1回研究会を皮切りに、宿泊での議論を含めて延べ7回開かれ、さらに提案書作成に向けてのワーキンググループでの検討は延べ6回に及びました。正・副会長をはじめ会員の皆様はそれぞれお仕事を抱えながらの研究会への参画であったので、本当に大変だったのではないかと思います。特に、ワーキングループでの議論は深夜に及ぶことも多かったので、本当にご苦労様でした。  私は研究会とは別の立場の第三者的な役割を担って参画しましたので、ここではあくまでも個人的な感想を述べさせていただきたいと思います。

 「ユニバーサル・デザイン」という新しい概念に挑戦した本研究会での議論は、各会員によるショートプレゼンテーションをはじめ、グループに分かれてのワークショップなど、意欲的な試みをしました。また、先進事例などに学ぶ研修会や講演会などへ参加しながらの議論も行いました。昼間の議論だけでは時間が足りなくなって、夜を徹しての議論や会員同士の相互理解を深めるための交流会も開かれました。形式的には福島県から依頼された形の研究会ではあったのですが、行政の方はあくまでも裏方に徹して、会員同士の自由闊達な議論ができたことはよかったのではないかと思います。そういう意味でも、本研究会は、これからの県民参画型の方向性を示した意欲的な試みではなかったかと考えています。  ただ、欲を言えば、ユニバーサル・デザインはすべての分野に及ぶ考え方であるため、時には行政の各分野の職員との意見交換も必要だったのではないかと思います。また、企業や商店街、公共・公益施設などの関係者との意見交換があってもよかったかもしれません。さらに言えば、室内での議論だけではなく、実際に街や公共・公益施設などに出かけて行き、会員の眼で検証してみることも必要だったかもしれません。そのためには、2年間ぐらいの時間をかける余裕があったほうが、より深い提言書にまとめあげることができたのではないかと思います。  また、これからの行政施策・事業を展開していくためには、古くて新しい課題である声なき大多数の人(サイレント・マジョリティー)の声をどのように汲み取っていくのかの試みがより大事になっていくと考えています。現在、公共交通機関の衰退を背景として、市民の足を確保していくためのコミュニティ交通を整備していく試みが全国各地で取組まれるようになってきています。この取組みの中では、「高齢者が利用しやすければ、市民だれもが利用しやすい」というユニバーサル・デザインの考え方が導入されつつあります。交通分野にとどまることなく、今後、あらゆる分野においてユニバーサル・デザインの考え方に基づく取組みが期待されています。本提言書が、実践の場へと進んでいくことを期待しております。  最後に、本研究会の議論をそのつど筆記していく作業を行っていただいた事務局の皆様に深く感謝申し上げます。

ふくしまユニバーサル・デザイン研究会 ファシリテータ 佐藤 昇司 (平成14年2月22日ワーキンググループ終了後記す)

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