ふくしま男女共同参画プラン(改訂前) 基本目標1-1-(1)学校教育におけるジェンダーにとらわれない男女平等教育の推進
基本目標 | 男女平等・人権尊重・自立意識の確立 |
1 男女共同参画に関する教育・学習・普及・啓発の推進
(1)学校教育におけるジェンダーにとらわれない男女平等教育の推進
目標
人格形成過程において固定的な性別役割意識が形成されることがないように、人権尊重を基盤とし、男女平等・自立意識の確立に向けた学校教育を目指します。
現状と課題
福島県では、平成15年度までにすべての県立高校を男女共学化する計画を進めています。感受性が豊かで思考が柔軟であり、自我の確立される青年期に、男女が共に学び合い、それぞれの人格を尊重して成長していくことは、男女平等意識の確立のうえでも極めて大切なことです。 男女共同参画に関する意識調査(平成11年福島県)では、学校教育の場においては58.1%が「平等である」と回答しており、家庭や職場が男性優遇なのに対し学校は男女平等であるという認識があります。しかし、教育の現場において、指導する側が無意識のうちにジェンダーにとらわれているなどのいわゆる「潜在的カリキュラム」の存在も指摘されています。また、保護者や生徒自身も、「男子向き、女子向き」などの社会通念にとらわれやすくなっています。 このため、教科指導や生活指導、進路指導等も含め、幼稚園や小学校低学年から、学校教育全体を通じて、人権の尊重、男女の平等、相互理解・協力についての指導を一層充実させることが大切です。また、教材や慣習・慣行についても点検・見直しを行うことにより、性別にとらわれず、個性を生かして主体的に生き方を選択でき、自立して生きることのできる児童・生徒を育成することが必要です。
※潜在的カリキュラム :教職員の言動や学校での活動を通して、意図的ではないが結果として一定の意識や態度を伝えていること。男女を必要以上に区別しジェンダーにとらわれた男性像、女性像を子供達に伝えていることなどを指す。
大学学部への進学者の割合
※資料:「学校統計要覧」平成12年5月 教育庁総務課
施策の方向
- 学校教育全体を通じて、人権の尊重、男女の平等、相互理解・協力についてジェンダーにとらわれない視点で指導を充実させるとともに、教材における配慮や教員研修の充実等に努めます。
- 教育の場における男女共同参画について点検し、問題点の改善を図ります。
具体的施策
施 策 の 内 容 | 担当部局 | |
---|---|---|
1 | 学校におけるジェンダーにとらわれない男女平等教育を推進します。 | 教育庁 |
2 | 男女混合名簿の導入を推進します。 | 教育庁 |
3 | 「潜在的カリキュラム」の実態調査を実施します。 | 生活環境部 教育庁 |
4 | 男女平等の視点に立った進路指導や生活指導を実現します。 | 教育庁 |
5 | 教職員の男女共同参画に関する研修を実施します。 | 教育庁 |
6 | 教員の管理職における女性の登用を促進します。 | 教育庁 |
7 | 子ども達に男女共同参画の大切さを理解してもらうための副読本を作成し活用します。 | 生活環境部 教育庁 |
8 | モデル校を指定し男女平等教育に取り組みます。 | 教育庁 |
9 | 人権を軽視する表現や考え方などの影響を受けやすい若年層に向け、人権尊重のための教育・学習を充実します。 | 生活環境部 保健福祉部 教育庁 |
10 | 思春期教育など、人権としての性についての情報・学習機会の提供や相談、指導者研修の充実に努めます。 | 生活環境部 保健福祉部 教育庁 |
市町村に期待すること
公立学校において、男女混合名簿の導入をはじめ男女平等・人権教育の推進に取り組むことが望まれます。
県民に期待すること
学校行事やPTA活動等に積極的に参画し、男女平等教育の推進に協力していくことが望まれます。
目標値等
項 目 | H12 現状値 | H22 目標(期待)値 |
---|---|---|
男女混合名簿の導入率 (公立小・中の出席簿) | 16.9% | (100%) |
男女共同参画等に関する副読本の活用率 (公立高) | 48.9% | H14 100% |
教職員における男女共同参画に関する研修の受講者数(公立) | 1,206人 | |
教員の管理職における女性の割合 (公立小・中・高・盲・聾・養護の校長、教頭) | 6.6% | 13.2% |
〔県民から寄せられた意見〕
学校行事やPTA活動は、共働きの家庭も参加しやすいような日程、やり方を考えてほしい。