ふくしま男女共同参画プラン(改定前) 基本目標4-1-(2)男女間における暴力の被害者支援と再発防止対策
基本目標 | 男女の人権が侵害されることのない社会づくり |
1 男女間におけるあらゆる暴力の根絶
(2)男女間における暴力の被害者支援と再発防止対策
目標
被害を受けた女性が安心して相談でき、安全に身を寄せられ、自立に向けた支援を受けられる環境づくりを目指します。
また、加害者への再発防止対策の研究など女性の人権が守られる環境づくりを目指します。
現状と課題
県の婦人相談所が受け付けた女性からの相談の内訳を見ると、「夫婦間の問題」が最も多く、電話相談では34.3%、来所相談では66.7%を占めています。
一方、総理府の「男女間における暴力に関する調査」(平成11年10月)によると、夫・パートナーから身体的な暴力を受けた女性のうち公的機関や民間機関に相談した者は4.0%にすぎず、誰にも相談しなかった者は37.8%に上っています。
誰にも相談しなかった理由としては「自分さえ我慢すればやっていけると思った」「自分にも悪いところがあると思った」がともに41.2%で、「相談するほどのことではないと思った」(32.9%)、「相談しても無駄だと思った」(20.0%)などが続いています。
同じ調査で性犯罪の被害者においても、誰にも相談しなかった者が38.8%に上っており、被害が潜在化していることが分かります。
このようなことから、夫などからの暴力や性犯罪の潜在化を防ぐため、被害の相談や届け出がしやすい環境を整備するとともに、被害女性の安全の確保や、精神的・経済的自立に向けた支援体制の整備が求められています。
また、行政の関係機関や民間団体が連携し、総合的な被害者支援システムの構築や加害者の再発防止策の検討を早急に進める必要があります。
夫からの身体的な暴力被害についての相談の有無
※ 資料:「男女間における暴力に関する調査」平成12年2月 総理府
施策の方向
- 性犯罪や夫などからの暴力など、潜在化しやすい被害に関する相談体制の充実を図り、被害の相談や届け出がしやすい環境づくりに努めます。
- 関係機関や民間団体等との緊密な相互連携体制を整備し、夫などからの暴力により保護を必要とする女性に対する緊急一時保護等の体制の充実を図るとともに、必要に応じた継続的な自立支援を行います。
- 妻などに対する常習的な暴力事案に関する再発防止プログラムの研究を行います。
具体的施策
施 策 の 内 容 | 担当部局 | |
---|---|---|
1 | 相談窓口の整備や被害女性に接する職員の研修など、相談体制の充実を図り、被害の相談や届け出がしやすい環境づくりに努めます。 | 生活環境部 保健福祉部 警察本部 |
2 | 婦人保護施設の機能拡充を図り、保護を必要とする女性の保護と自立支援を充実します。 | 保健福祉部 |
3 | 被害者の状況に応じた適切な保護のあり方について、関係機関と連携し検討を進めます。 | 生活環境部 保健福祉部 |
4 | シェルター(緊急一時避難施設)等を運営する民間団体の育成、支援、連携のあり方等を検討します。 | 生活環境部 保健福祉部 |
5 | 被害者の自立に向けたカウンセリング等支援体制及び相談体制を整備します。 | 生活環境部 保健福祉部 警察本部 |
6 | 加害者に対する再発防止プログラムを研究し再発防止施策に反映させます。 | 生活環境部 |
7 | 女性の被害者支援を総合的、効果的に進めるため、関係機関や民間団体等とのきめ細かい連携体制を確立・強化し、具体的解決を図ります。 | 生活環境部 保健福祉部 警察本部 |
目標値等
項 目 | H12 現状値 | H22 目標(期待)値 |
---|---|---|
女性の人権に関する相談件数 (婦人相談所、男女共生センター等で受けた相談件数) | H11 41件 | 1,800件 |
〔県民から寄せられた意見〕
今、ドメスティック・バイオレンスは大きな問題。どこに相談すれば良いのか悩んでいる女性が多いので、相談窓口の設置や相談機能の拡充を求めます。
※ドメスティック・バイオレンス domestic violence 夫や恋人など親密な関係にある男性からの女性に対する暴力。広義には女性や子ども、高齢者や障害者など家庭内弱者への暴力を指す。