ふくしま男女共同参画プラン(改定前) 基本目標4-2-(1)リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康・権利)の増進
基本目標 | 男女の人権が侵害されることのない社会づくり |
2 生涯を通じた男女の健康支援
(1)リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康・権利)の増進
目標
リプロダクティブ・ヘルス/ライツの概念の浸透を図り、生涯を通じた女性の健康の保持増進を目指します。
現状と課題
女性の健康については、これまで、子どもを産み育てる「母性」の側面が重視されてきており、思春期や更年期における健康上の問題、不妊、安全な避妊・中絶、性感染症の予防など、出産以外の健康を支援する視点は十分ではありませんでした。
また、女性は結婚して子供を持つのが当然という意識がまだまだ残っており、女性が自分の身体のことを自分で決める権利(子供を産む、産まない、いつ何人産む等)について、それが女性の重要な人権であるという認識が不足しています。
一方、性情報の氾濫や性に対する意識の変化などにより、性体験の低年齢化が進む中、十代の望まない妊娠と中絶が増加しています。また、「援助交際」など「性の商品化」の傾向に若い世代が巻き込まれている現状もみられます。
このため、リプロダクティブ・ヘルス/ライツの概念の浸透を図り、それが女性の人権であるという認識を広め、男女が互いの性を尊重する人間教育としての性教育を充実するとともに、妊娠・出産も含め女性の生涯を通じた総合的な健康支援施策を推進することが必要です。
※リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康・権利) reproductive health/rights 女性が生涯を通じて、自らの身体について自己決定を行い健康を享受する権利のこと。国際人口・開発会議(1994年カイロ開催)で提唱され、女性の重要な人権の一つとされている。子供を産む、産まない、いつ何人産むかなどを選ぶ自由、安全で満足のいく性生活、安全な妊娠・出産、子供が健康に産まれ育つことなどが含まれる。
人工妊娠中絶件数の推移(福島県)
※ 資料:「母体保護統計報告」平成11年 厚生省
人工妊娠中絶件数のうち20歳未満の占める割合
※ 資料:「母体保護統計報告」平成11年 厚生省
施策の方向
- リプロダクティブ・ヘルス/ライツの概念についての浸透を図ります。
- 男女平等の精神に基づく異性観や判断能力を養えるよう、家庭、学校、行政が一体となった人間教育としての性教育を推進します。
- 思春期、妊娠・出産期、更年期等における女性の適切な健康管理を支援します。
具体的施策
施 策 の 内 容 | 担当部局 | |
---|---|---|
1 | 思春期教育など、人権としての性についての情報・学習機会の提供や相談、指導者研修の充実に努めます。 | 生活環境部 保健福祉部 教育庁 |
2 | 生涯を通じた女性の健康に関する調査・研究を推進します。 | 生活環境部 保健福祉部 |
3 | 妊娠・出産・避妊・中絶に関する相談や情報提供を充実します。 | 生活環境部 保健福祉部 |
4 | 妊娠から出産までの一貫した母子保健サービスの提供に努めます。 | 保健福祉部 |
5 | 成人期、高齢期等における女性の健康づくりを支援します。 | 保健福祉部 |
市町村に期待すること
思春期における保健学習事業や、がん検診の受診率向上に向けた取組み等、生涯を通じた女性の健康支援対策への積極的な取組みが望まれます。
目標値等
項 目 | H12 現状値 | H22 目標(期待)値 |
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思春期における保健・福祉体験学習事業の実施市町村数 | 12 | 90 |
人工妊娠中絶件数に占める20歳未満の割合 | H11 13.6% | H17 (9.5%) |
〔県民から寄せられた意見〕
すべての女性がいつでもどこでも気軽に検診できるようにするなど、生涯を通じた健康支援を実施することが必要だと思います。