点字広報ふくしま第299号
<県政の窓> 水害から大切な命を守るために
6月から10月は、集中豪雨や台風等による洪水が起きやすい時期です。水害から自分の命と、大切な人の命を守るためにできることを考えましょう。
1 令和元年東日本台風を教訓に
一昨年10月の令和元年東日本台風では、県内で初めて大雨特別警報が発令され、建物や河川などで多くの被害が発生しました。県内の水害による犠牲者数は戦後2番目となる大きな災害でした。
○ 令和元年東日本台風等の主な被害状況(県災害対策本部調べ)
災害直接死 |
32人 |
建物(住家)被害 |
21,903棟(R3.4.13時点) |
避難者数(各市町村最大避難人数の合計) |
26,175人 |
災害直接死の32人中21人が65歳以上の高齢者で、うち15人が浸水により自宅の1階で亡くなりました。早めの避難、高所への避難が重要です。
2 被災世帯住民の行動から分かったこと
県が行った住民避難行動調査(※)の結果から、「避難情報をきっかけに避難した人は少なく、身に危険が迫ってきていることを感じてから避難行動を起こした人が多い。」「事前に具体的な計画を立てていた人ほど早めの水平避難(自宅外への避難)をしていた。」などが分かりました。
命を守るために、日頃から安全な避難場所を決めておくこと、避難場所への経路を確認すること、そして、大雨の際は市町村などの避難情報を基にためらわず避難することが大切です。
※住民避難行動調査とは・・・令和元年東日本台風の被害が大きい13市町の被災世帯を対象として、日頃からの防災の備えや当日の避難行動に係るアンケート調査を実施したもの。
3 インタビュー
地域で命を守る ~本宮市舘町町内会の取り組み~
本宮市舘町(たてまち)町内会 前副会長 小濱 謙(おばま けん)さん
■日頃からの備えを災害時に活かす
本宮市は多くの水害を経験しています。そのことを教訓に、舘町町内会では自主防災組織を設け、毎年、防災訓練を行い、災害への備えと防災意識の向上に努めています。
令和元年東日本台風が来る2日前には、緊急連絡を各戸に配布し、情報収集の大切さ、避難の準備とタイミングをお知らせしました。台風当日は、自宅から避難しない方、出来ない方を、役員が訪問し「増水の場合は高所(2階)へ避難するように」と呼びかけたことで、町内会で亡くなった方はいませんでした。
■強い意志で避難を
「災害」は時間や季節、天候を選ぶことなくやってきます。「この土地は大丈夫だろう」「自分は大丈夫だろう」という過信を捨て、警戒レベルの発令に沿って、強い意志で【避難する!】と決めることが命を守る最大の鍵と考えています。
住民同士のつながりも重要です。日頃から町内会行事で親睦交流して、人間関係を築くことで、災害時に若いメンバーと情報交換が円滑にでき、避難の呼びかけにも住民が信頼して応じてくれたと実感しています。
4 避難情報の名称が変わりました
大雨などの災害時に自治体が発表する避難情報について、これまでの「避難勧告」が廃止となり「避難指示」に一本化されるなど、今年5月から名称が変更されていますので、ご確認ください。
警戒レベル |
避難情報 |
状況 |
5 |
緊急安全確保 |
災害発生又は切迫 |
4 |
避難指示 |
災害のおそれ高い |
3 |
高齢者等避難 |
災害のおそれあり |
2 |
大雨・洪水・高潮注意報 |
気象状況悪化 |
1 |
早期注意情報 |
今後気象状況悪化のおそれ |
■住民が取るべき行動
○ 避難に時間のかかる高齢者等の方は、警戒レベル3「高齢者等避難」で危険な場所から避難しましょう。
○ 警戒レベル4「避難指示」で、危険な場所から全員が避難しましょう。(これまでの「避難勧告」は廃止されました)
○ 警戒レベル5は、すでに安全な避難ができず命が危険な状況です。警戒レベル5の発令を待つことなく、警戒レベル4までに必ず避難しましょう。
<わかる県政>みんなの健康のために!受動喫煙を防止しよう
令和3年4月1日から施行された「ふくしま受動喫煙防止条例」について紹介します。
■ ふくしま受動喫煙防止条例
受動喫煙を防ぐために、県や県民の皆さんが気を付けることや取り組むべきことを定め、県民の皆さんへの受動喫煙による悪影響を未然に防ぐことを目的とした条例です。
1 受動喫煙とは?
本人がたばこを吸っていなくても、他の人が吸っているたばこから立ち上る煙やその人が吐き出す煙を吸い込んでしまうこと。受動喫煙により、周囲の人の健康にも悪影響が及ぼされてしまいます。
2 一人一人が取り組むこと
● ライフサイクルの各段階を通して喫煙や受動喫煙による健康への悪影響について理解を深めましょう
● 他の人に受動喫煙をさせてしまわないように努めましょう
● 保護者の方などは、喫煙場所に子どもが立ち入らないようにするなど、受動喫煙による悪影響を未然に防ぐよう努めましょう
3 事業者、管理権原者等が取り組むこと
● 飲食店等で喫煙室を設けない場合は、その旨を表示しましょう
● 公園や児童遊園の管理権原者は、受動喫煙により健康を損なう可能性の高い利用者への受動喫煙防止に努めましょう
● 学校や児童福祉施設等、子どもが主として利用する施設は特定屋外喫煙場所を設置しないように努めましょう
※ 特定屋外喫煙場所とは
敷地内が原則禁煙である学校、病院、児童福祉施設等、行政機関などで一定の要件を満たした場合に設置できる屋外喫煙所のこと。
4 たばこを吸う人が気を付けること
子どもや妊婦等は受動喫煙により健康を損なう恐れが高いため、次の点に努めましょう。
● 家庭では同じ部屋で喫煙しない
● 車内で同乗中は喫煙しない
● 学校、児童福祉施設などの周辺の路上や通学時間帯の通学路で喫煙しない
● 公園、児童遊園では受動喫煙を防止する
◆問い合わせ先 県庁健康づくり推進課 ☎024(521)7640
情報ボックス
新型コロナウイルス感染症に関するお知らせ
1 ワクチン接種について
ワクチン接種までの流れは次のとおりです。
(1) 接種可能な時期を確認する
ご自身の接種の順番になりますとお住まいの市町村から接種券が届きますので、同封の案内をよく読んで、接種の準備を進めてください。
(2) 医療機関・接種会場を探す
市町村からの広報やインターネットで、ワクチンを受けることができる医療機関や接種会場をお探しください。
(3) 予約する
市町村が指定する予約方法でご予約ください。
※ 接種当日は、肩を出しやすい服装でお越しください。
2 ワクチンを受けるのに注意が必要な方
以下にあてはまる方は、ワクチンを受けることができない場合や、注意が必要な場合があります。まずは、かかりつけ医などにワクチンを受けてよいかどうかご相談ください。
(1) 受けることができない方
・明らかな発熱がある方や、重い急性疾患にかかっている方
・ワクチンの成分(ポリエチレングリコールなどが成分として含まれます)に対し、重度の過敏症を起こしたことがある方
(2) 受けるにあたり注意が必要な方
・現在、何らかの病気で治療中の方(心臓病、腎臓病、肝臓病、血液疾患、免疫不全で治療中の方、血が止まりにくい病気の方や、血をサラサラにする薬を飲んでいる方)
・薬や食品に対する重いアレルギー症状、けいれん(ひきつけ)の症状が出たことがある方
3 ワクチン接種後に副反応が出た場合
主な副反応としては、注射した部分の痛み、頭痛、関節や筋肉の痛み、発熱などがあります。ワクチンを受けた後、2日間以上熱が続く場合や症状が重い場合は、医療機関などへの受診や相談、下記の副反応コールセンターへの相談をご検討ください。
■福島県新型コロナワクチン副反応コールセンター 電話番号 0120(336)567
毎日 午前9時~午後8時
4 不審電話にご注意ください!
新型コロナワクチン接種のために必要とかたり、金銭や個人情報をだまし取ろうとする電話に関する相談が消費生活センターに寄せられています。保健所や市町村が、ワクチン接種のために金銭や個人情報を電話で求めることはありませんのでご注意ください。
◆新型コロナワクチン詐欺消費者ホットライン 電話番号 0120(797)188
毎日 午前10時~午後4時
5 相談窓口
発熱等の症状がある方は、まずは電話で、かかりつけ医や身近な医療機関へご相談ください。かかりつけ医がいない方、どこに相談していいか分からない方は「受診・相談センター」にご相談ください。
医療機関の受診や健康診断を控えると持病の悪化や病気の発見が遅れる恐れがあります。医療機関では、換気や消毒など感染予防対策を実施していますので、健康に不安があるときは早めに相談しましょう。
■受診・相談センター 電話番号 0120(567)747
受付時間 24時間(毎日)
ご自宅で太陽光発電をしませんか?
県内の住宅に太陽光発電設備や蓄電設備を設置する方を対象に補助金を交付します。要件や必要書類など、詳しくはお問い合わせください。
■応募方法
申請書類を応募先にご提出ください。
■応募期限
令和4年3月18日(金曜日)
※補助申請総額が予算額に達した場合、期間内でも募集を締め切ります。(先着順)
◆問い合わせ先・応募先
福島県再生可能エネルギー推進センター 電話番号 024(526)0070
受付時間 午前9時~午後5時30分(土日祝日を除く)
なりすまし詐欺にご注意ください!
宅配業者を装ったショートメールに関する相談が寄せられています。配送物の確認のため、記載のURLをクリックするよう求められ、クリックすると、個人情報を入力させるフィッシングサイトや、不正なアプリのインストールへ誘導されます。指示に従うと、金銭被害にあったり、知らないうちに宅配不在通知を不特定多数に送りつける側になったりしてしまいます。
困ったときは一人で悩まず、消費者ホットライン188にご相談ください。
■受付時間
月曜日~金曜日:午前9時~午後6時30分
第4日曜日:午前9時~午後4時30分
◆問い合わせ先 県消費生活センター相談専用 電話番号 024(521)0999
点字図書館だより
1 館長あいさつ
点字図書館館長 金子 久雄(かねこ ひさお)
令和3年4月1日から、阿曽幸夫 前館長の後任として着任しました金子久雄と申します。よろしくお願いします。
私は群馬県の出身です。先天性の弱視で中学校から高等部専攻科理療科まで盲学校で学びました。その後、大学に進学し理療科教員として群馬県立盲学校、福島県立盲学校(現 視覚支援学校)で、定年まで勤務させていただきました。その間、数多くの視覚に障がいのある生徒たちや、社会の第一線で活躍している卒業生の皆さまとの関わりの中で、本当に多くの事を学ばせていただきました。これからは館長という立場ではありますが、少しでも皆さまに恩返しができればと考えています。
さて、今年度の点字図書館は、未曽有の新型コロナウイルスに翻弄(ほんろう)されながらも、感染症対策を十分行いながら、少しずつ通常の業務を再開しています。昨年度は実施できなかった「見えにくい、見えない人のための生活・福祉機器展」、「音訳奉仕員養成講座」、「親子点字体験教室」など実施に向け準備を進めています。参加希望者を事前登録制にしたり、参加人数を制限したりなど、以前とは少し異なりますが、皆さまのご理解とご協力をお願いします。
まだまだコロナに振り回される日が続きますが、点字図書館の利用者の皆さまに喜んでいただけるような、そんな点字図書館にしていきたいと考えています。今年度も点字図書館をよろしくお願いします。
2 点字雑誌の紹介
当館で貸し出している点字雑誌の一部を紹介します。予約が入っている方から順番で発送しています。新たに貸し出しを希望する方や、掲載外の雑誌の詳細などについては点字図書館までお問い合わせください。
・点字日本(月刊)
日視連の活動状況や文化・スポーツ行事のご案内、その他福祉関係情報を幅広く掲載。
・経絡鍼療(隔月刊)
症例研究・臨床講義・経営指南等々、臨床の現場に活用できる記事が満載。墨字版とほぼ同一内容ですが、ページ数に限りがあるため、一部の記事は墨字版と異なることがあります。
・旅(月刊)
1988年創刊のロングセラー。旅行・温泉・グルメ情報満載。読者からの旅行記も。なかなか旅にはでかけられないけれど、読むだけで旅気分になれるとの声も。さあご一緒に旅してみませんか?
・点字ジャーナル(月刊)
視覚障がい者にとっての課題や話題、あるいは問題点をえぐり、追求する、をコンセプトに、視覚障がい者の世界の新しい点字メディアを目指した、点字媒体による総合月刊誌。
・Newsがわかる(月刊)
ニュースが好きになる・受験に強くなる。おもに小中学生向けにニュースをわかりやすく解説する月刊誌です。やさしいことばで説明し、事件やできごとの核心をズバリと伝えます。大人の方からも好評。
・ライト&ライフ(隔週刊)
視覚障がい者に身近な生活情報を提供することにより、日常生活を向上させる目的で創刊された生活情報誌。
◆県点字図書館 電話番号 024(531)4950
みんなの広場
東京暮らし一年生
利用者・元点字図書館職員 野地 美行(のぢ よしゆき)
春という季節は、世の中が多くの一年生であふれます。今年、片道切符と新しい住まいの鍵を手に、私もその仲間入りをしました。
私には、いつか東京へ住みたいという長年の夢があり、それを40歳までには実現しようという密かな目標がありました。そして、39歳を迎えたこの春、念願かない東京暮らしをスタートさせることができたのです。
なぜ東京なのか。私の実家がある場所は、お世辞にも交通の便が良いとはいえません。全盲で車の運転ができない私にとって、駅への送迎は両親が頼みの綱でした。しかし、日々年老いていく両親に、いつまでも頼っているわけにはいきません。交通の不便さを解消し、そして自立するには、都会へ住むことが最も近道です。そして、どうせ行くなら東京へ。そんな単純な発想からでした。いつ実現するか分からない自動運転など、待ってはいられないのです。
さて、一人暮らしを始めた私を、初日からちょっとしたアクシデントが待ち構えていました。あろうことか、替えのパンツを一枚も持たずに実家から来てしまったのです。しかも、コンビニのパンツは、太めの私にとっては少々小さい。いったい私はどうしたでしょう。この先は、読者の皆さまの豊かな想像力に委ねたいと思います。
そんなうっかり者で間抜けな私ですが、すっかり一人暮らしを満喫しています。第二の人生をスタートさせた東京という地に根を下ろし、しっかり花を咲かせられるよう頑張っていきたい、そう思っています。
最後に、こんな私を快く送り出してくださった皆さまに、心から感謝申し上げます。
協力会だより
創立70周年記念式典・令和3年度定時総会開催
新型コロナウイルス感染症非常事態のさなかではありましたが、会員の方々に、70年前の当初の思いを知っていただきたい、大変な思いをしているのは障がい者の皆さんであり、情報もなかなか入ってこないという思いを共有し、これからも一緒に進んでいきたいことから、5月18日福島市内のホテルで開催いたしました。
総会に先立ち、記念式典を開催し、会長式辞、福島県知事代理県障がい福祉課長様他3名の来賓の皆さまからご祝辞をいただきました。そして、長年にわたり活動された方々に対し、会長から表彰状および感謝状と記念品が贈られました。
受賞された方々は、次のとおりです。(敬称略:五十音順)
〇表彰状
・功労者(前理事)浅倉 秀雄 石本 昭子 篠木 敏明 三浦 辰夫
〇 感謝状
・点訳 小野 信江 佐藤 裕美 鈴木 惠理子 根本 初江
・音訳 齋藤 睦
・デイジー 河内 恭子 佐藤 かほる
式典終了後、総会を開催し、令和2年度事業報告と決算および令和3年度事業計画と予算が審議され、いずれの議案も原案のとおり承認または可決されました。
また、任期満了に伴う役員改選では理事11名、監事2名が選任され、臨時理事会において会長(代表理事)と副会長2名が選定されました。
・会長(代表理事)古川 雅之(再任)
・副会長 佐藤 宏隆(新任) 橘 洋子(再任)
◆県視覚障がい者協力会 電話番号 024(533)4085(Fax兼用)
生活支援センターだより
1 後期高齢者医療被保険者の皆さんへ
~8月1日から被保険者証が新しくなります~
新しい被保険者証(オレンジ色)は7月中にお送りしています。
8月1日以降に医療機関で受診をする際には、必ず新しい被保険者証(オレンジ色)を窓口にお出しください。
今までお持ちの被保険者証(ピンク色)については、8月1日以降、なるべくお早めに、お住まいの市町村の後期高齢者医療担当課まで返却するようお願いします。
また、視覚障がいをお持ちの方で被保険者証に点字シールの貼付を希望する場合は、被保険者証を持参のうえ、お住まいの市町村の後期高齢者医療担当課にお申し出ください。
◆お問い合わせ先
お住まいの市町村の後期高齢者医療担当課
または福島県後期高齢者医療広域連合 電話番号 024(528)9025(代表)
2 「在宅生活訓練」受講希望者を募集しています
福島県障がい者総合福祉センターでは、中途失明者や視覚障がい者を対象に、在宅生活訓練のために職員(歩行訓練士)を自宅などに派遣します。在宅生活訓練のメニューとしては、パソコンや日常生活訓練、歩行訓練などが受けられます。詳細については、お住まいの市町村障がい福祉担当課までお問い合わせください。
◆県視覚障がい者生活支援センター 電話番号 024(535)5275
福祉協会だより
公益社団法人福島県視覚障がい者福祉協会の定時総会で役員改選
去る5月30日、福島県点字図書館を会場に、令和3年度 公益社団法人 福島県視覚障がい者福祉協会の定時総会が行われました。
川崎副会長の開会のことばで始まり、阿曽会長のあいさつに続き、阿曽会長を議長に、令和2年度の事業報告、活動決算書報告、会計監査報告が提案され審議の結果、原案どおり承認されました。続いて、令和3年度事業計画、活動予算書が提案され審議の結果、原案どおり承認されました。
引き続き役員改選が行われました。審議の結果、理事には阿曽幸夫氏、川崎栄一氏、関口徳成氏ら13名が理事として選任されました。
直ちに理事会が招集され、監事立ち会いのもと、13名の理事の中から阿曽幸夫氏(会長)、川崎栄一氏(副会長)、関口徳成氏(副会長)、金子久雄氏(副会長・事務局長・専務理事)が代表理事に選任されました。理事の任期は2年間になります。
◆県視覚障がい者福祉協会 電話番号 024(535)5275