点字広報ふくしま第291号
<県政の窓>すべての人が暮らしやすい ふくしまを目指して
県では、すべての県民が障がいの有無にかかわらず、お互いに尊重し合いながら共生する社会の実現を目指して、2つの条例を制定しました。障がいや障がいのある人への理解を深め、障がいのある人の社会参加を進めるための取り組みを紹介します。
障がいのある人もない人も共に暮らしやすい福島県づくり条例(平成31年4月1日施行)
この条例は、障がいや障がいのある人への県民の理解を深め、障がいを理由とする差別の解消の推進に関し、基本となる事項等を定めています。
福島県手話言語条例(平成31年4月1日施行)
この条例は、“手話は言語である”との認識に基づいて、手話とろう者(聴覚障がい者のうち、手話を言語として生活を営む人)に対する県民の理解を促進し、手話の普及等に関する基本理念や施策の基本となる事項を定めています。
1 ふくしま共生サポーター養成講座
障がいのある人が日常生活で困ることは何か、どのような援助を必要としているかなど、障がいや障がいのある人への理解を深め、職場や地域において積極的に情報提供を行う「ふくしま共生サポーター」の養成講座を実施しています。受講者には、県が発行する受講証を交付します。
◆問い合わせ先 県庁障がい福祉課 電話番号 024(521)7170
2 インタビュー 枠にとらわれない個性的なアート 森(もり) 陽(はる)香(か)さん
郡山市安積町の地域生活サポートセンター「パッソ」の壁に飾られた色鮮やかな絵。作者の森さんは、パッソに週3日通いながら、創作活動を行っています。
「ここではいろんな活動をするけれど、一番好きなのは創作の時間。絵を描いたり物を作ったりすることが楽しいです。今は野菜と果物の絵本を作っています」
展覧会への出展歴も多数ある森さん。たくさんの人に作品を見てもらうことが、ひとつの目標になっていると言います。
「展覧会では、私の作品を見た人の反応を感じることができてうれしいです。脚で描くので細かいのは苦手だけれど、長所を生かして、今後は壁一面を使うような大きな作品も描いてみたいですね」
障がいのある方の生活介護を行うとともに、その創作活動を支援しているパッソには、森さんのほかにも複数のアーティストが通所。企業の提案で作品のデザインがネクタイや靴下などに製品化されるなど、その活動に注目が集まっています。
3 障がい者スポーツを体験!
パラリンピック競技体験イベント
東京2020パラリンピックへの機運を盛り上げるため、いわき市でパラスポーツの体験イベントを開催しました。
パラアスリートやオリンピアンによるトークステージなども行われ、来場者はアスリートの方たちと触れ合いながら、さまざまなパラスポーツを体験しました。
福島の輝く未来へ!スポーツわくわくプロジェクト「車いすバドミントン教室」
パラバドミントンは、東京大会から正式競技に採用。東日本国際大学バドミントン部などの協力により、初心者でも楽しめる体験教室を南相馬市で開催しました。
県では、今後も県内各地で、子どもたちの将来の自分づくりの一環として、スポーツや運動に親しみながら、体を動かす機会を提供します。
参加者の声 横山(よこやま) 颯(はやて)さん
バドミントンを初めて体験しました。優しく教えてくれて、練習しているうちに少しずつうまく打てるようになってうれしかったです。
<わかる県政>災害に備えよう「そなふくノート」避難編
「そなえる ふくしま ノート」略して「そなふくノート」は災害に対して普段から備えることや災害が起こってから行うことをまとめた防災ガイドブックです。今回、新たに「避難編」を作成しました。
そなふくノート避難編の内容
【避難する】 避難するために必要なこと
【生活する】 災害後の生活について
【知っておこう】避難所の運営や情報収集など役に立つ情報
災害への備え、災害が起こった時の避難方法や避難時のポイントを中心にまとめています。最近の災害では「避難の遅れ」により、尊い命が失われた事例がありました。災害は何度も発生します。「備え」「身を守り」「行動(避難)する」ことの大切さを改めて考えてみましょう。
危機管理センターを見学してみませんか
災害発生時に、速やかに対応方針を決定するなど、迅速な災害対応を行う拠点です。施設見学や「そなふくノート」を活用した防災講座に加え、新たにタブレット端末を使った「防災クイズ」も行っています。
■見学可能日時 月~金曜日(祝休日除く)午前9時~午後4時
■申込方法 ホームページから申込書をダウンロードし、必要事項を記入の上、
希望日の一カ月前までにFaxまたはメールでお申し込みください。
◆問い合わせ先 県庁危機管理課 電話番号 024(521)8497
情報ボックス
消費生活の問題を専門家に相談してみませんか?
県消費生活センターでは、借金・多重債務問題や震災関連の問題など、さまざまな消費生活相談に対応するため、「弁護士・司法書士による法律相談」と「ファイナンシャルプランナーによる生活再建等相談」を行っています。
また、県中・県南・会津地方振興局では弁護士による無料法律相談を実施しています。詳しくは下記までお問い合わせください。
◆問い合わせ先 県消費生活センター 相談専用ダイヤル 電話番号 024(521)0999
受付時間 月~金曜日 午前9時~午後6時30分
第4日曜日 午前9時~午後4時30分
被災者をねらった泥棒や詐欺に注意
現金や携帯電話などの貴重品は常に持ち歩きましょう。また、車から離れるときは、車内に貴重品を置かず、わずかな時間でも施錠するようにしてください。
市町村の職員が、義援金や補償金などの支給に関して、手数料を求めたり、電話でATMの操作を指示したりすることはありません。
そのような話があればすぐに110番通報してください。
◆問い合わせ先 県警察本部生活安全企画課 電話番号 024(522)2151
ジェネリック医薬品を使ってみませんか?
ジェネリック医薬品(後発医薬品)は、先発医薬品と同一の有効成分が使われ、同等の効き目があり、国の厳しい審査基準をクリアしているので、安心して利用することができます。また、先発医薬品より3~5割程度安価なものもあるため、家計の負担を減らし、医療保険財政の改善にも繋がります。
先発医薬品より飲みやすいように工夫されたものもあるので、医師・薬剤師に気軽にご相談ください。
※全ての医薬品にジェネリック医薬品があるわけではありません。また、自己負担額があまり変わらない場合もあります。
◆問い合わせ先 県庁国民健康保険課 電話番号 024(521)7203
県庁薬務課 電話番号 024(521)7233
新型コロナウイルス感染症の予防について
予防対策の基本は、手洗いの徹底です。咳やくしゃみが出る方は、マスクを着用するなど咳エチケットを行ってください。
37.5度以上の発熱が4日以上続いている方、強いだるさや息苦しさがある方は、お住いの地域の帰国者・接触者相談センターにご相談ください。(電話番号はホームページで確認するか、県庁地域医療課までお問い合わせください。)※高齢者や基礎疾患のある方、妊娠中の方は早めにご相談ください。
■相談専用ダイヤル 電話番号 024(521)7871 (平日、午前8時30分~午後9時)
※各保健福祉事務所、福島市・郡山市・いわき市の保健所でも相談を受け付けています。
◆問い合わせ先 県庁地域医療課 (024(521)7238
点字図書館だより
1.受賞おめでとうございます
当館の図書製作に尽力され、令和元年度に表彰を受けられた奉仕員の皆さんを紹介します。(五十音順・敬称略)
●平成31年度各種功労者知事表彰 (令和元年5月16日)
筒井 惠子(点訳)、横山 美智子(音訳)
●第67回全国盲人福祉施設大会 ボランティア表彰(令和元年6月21日)
石井 美恵子(点訳)、長沼 美智子(点訳)
●第22回「ふくしまボランティアフェスティバル」における知事感謝状 (令和元年8月3日)
斎藤 悦子(点訳)
●第22回「ふくしまボランティアフェスティバル」における県社会福祉協議会会長表彰 (令和元年8月3日)
坂井田 虎三郎(点訳)、中村 由紀子(点訳)
●第22回「ふくしまボランティアフェスティバル」における県社会福祉協議会会長感謝 (令和元年8月3日)
加賀谷 功(音訳)、小林 友子(点訳)
福島県点友会(団体)
●第49回「朗読録音奉仕者感謝の集い」
Daisy編集奉仕者地区表彰 (令和元年9月20日)
横沢 浩(デイジー編集)
朗読録音奉仕奨励賞 (令和元年10月10日)
石橋 菊子(音訳)、齋藤 啓子(音訳)
鈴木 由紀(音訳)、若林 良子(音訳)
●福島県点字図書館館長感謝状 (令和元年9月29日)
遠藤 説子(点訳)、野村 秀重(点訳)
●厚生労働大臣表彰(令和元年11月22日)
遠藤 美代子(点訳)
2.視覚障がい者歩行誘導ソフトマット「歩導くん」が設置されました。
当館北西側、閲覧室奥の緩やかに左へ曲がる廊下について、以前から迷いやすいとの声がありました。それを受け、このたび視覚障がい者歩行誘導ソフトマット「歩導くん」を該当箇所に設置しました。長さは約6月5日メートルです。
点字ブロックとは異なる柔らかなゴムマットの感触をぜひ体感してみてください。
歩いてみてのご意見・ご感想もお待ちしています。
3.「見えにくい・見えない人のための生活・福祉機器展」について
今年も「見えにくい・見えない人のための生活・福祉機器展」を8月に開催します。ぜひご参加ください。詳細は、5月号(292号)でお知らせします。
■開催日 8月2日(日曜日)
■会 場 コラッセふくしま(福島市三河南町)
お知らせ:中村雅彦館長が一身上の都合により1月末で退職しました。
後任は、阿曽幸夫県視覚障がい者福祉協会会長が行います。
みんなの広場
第88回全国盲学校弁論大会優勝報告
福島県立視覚支援学校保健理療科1年 常松 桜(つねまつ さくら)
10月4日に東京都立文京盲学校で開催された、第88回全国盲学校弁論大会に東北地区代表として出場しました。「シロウサギ」という演題で、7分間の弁論(暗記)を行いました。
アルビノ(白皮症)として生まれ、小中学校時代、偏見に苦しみ、周りとの違いを感じ、髪を黒く染めました。高校受験で壁にぶち当たり、視覚支援学校高等部普通科での3年間、仲間と出会い、ネット下の格闘技(フロアバレーボール)に汗を流し、卒業と同時に髪を白く戻しました。ありのままの姿で生きる自分をさらけ出しました。中学時代のバレーボールで苦しんだ時のことを考えると、フロアバレーボールで全国大会に3年連続出場できたことは、感慨深いです。
また、私の誕生を「我が家に天使が生まれました」と喜んでくれた家族への感謝の気持ちも表しました。7分間では伝えきれなかった想い、それは、アフリカでのアルビノ狩りや人身売買の事実です。広く世界の仲間へ、皆さんにも目を向けてほしいのです。
これからが始まりだと思っています。まずは日々の学習や実技練習を頑張り、かっこいい理療師になれるように、あん摩マッサージ指圧師の資格取得のために勉強に精進していきたいと思います。そして卒業後は、「アルビノ」について私なりの発信ができるような未来を夢見ています。
協力会だより
〜福島県ロ-ビジョンネットワ-ク活動に参加〜
本会では、県内のロ-ビジョンの方(視力や視野に障がいがあるが、完全には失明しておらず残された視力、視野を使うことによって、情報を得ながら日常生活を送る方)への支援を目的に医療,福祉、教育やボランティアなどの垣根を越えた情報交換や研さんのための福島県ロ-ビジョンネットワ-ク活動に参加しています。
当ネットワ-クは、「(盲を含めての)ロ-ビジョンの方々のために取り組みをしているさまざまな分野の団体がお互いの垣根を越えた連携をとれば、もう一段上の支援ができるのではないか」との思いから、平成19年に立ち上げられたもので、福島県立医科大学をはじめとした計16団体で構成されています。(代表:八子恵子氏 北福島医療センター)
ネットワ-クの主な活動は、郡山市の総合南東北病院で年に3回開催されているフォ-ラムです。また、ロ-ビジョンについて理解を深めるための講演会や医療関係者がロ-ビジョンの方にどのように接するか、何ができるのかを学ぶための講習会などが行われています。
フォ-ラムはこれまでに28回開催され、次回は本年7月に「安全な歩行、転落事故を考える(仮)」をテ-マに第29回フォ-ラムが開催される予定です。
本会では、当フォ-ラムに参加して日常生活用品(用具)の入手などについての相談や斡旋を行っています。なお、日常生活用品(用具)には、目が不自由でない方でも使うととても便利な用品がたくさんあります。
詳しくは、事務局までお問い合わせください。
◆県視覚障がい者協力会 電話番号 024(533)4085(ファクス兼用)
生活支援センターだより
2020年度生活支援センター 講座・サークル活動のご案内
2020年度開催予定の講座とサークル活動についてご案内します。詳細は新年度5月号でご確認ください。多くの方のご参加をお待ちしています。
[講座]
・カラオケ教室 第1土曜日午後1時~3時(5月から年7回)
定員10名 申込開始 4月2日(木曜日)から
・大正琴教室 第4土曜日午前10時~正午(6月から年4回)
定員6名 申込開始 4月2日(木曜日)から
・文学講座 5月23日(土曜日)・11月28日(土曜日) 午後1時~3時
昨年に引き続き「百人一首」の解説とカルタ取り・坊主めくり。 申込開始 4月2日(木曜日)から
・IT教室 第2日曜日午前10時~正午(通年)
定員 数名(毎回 要予約)
パソコン・携帯電話・プレクストーク等、個人指導です。
・茶道教室 第2水曜日午前10時~正午(6月から年6回)
定員8名 申込開始 5月7日(木曜日)から
茶道の基本所作、日本文化の精神を学びます。
・生け花教室 年2回 予定
・白杖歩行体験会 予定
[サークル活動]…自主活動の場
・卓球サークル 毎週火曜日午前10時~午後2時(通年)
・唱歌・童謡を歌う会 第1木曜日午後1時~3時(通年)
・対面朗読 毎週金曜日午後1時~2時30分(通年)
お知らせ:中村雅彦センター長が一身上の都合により1月末で退職しました。
後任は当分の間、阿曽幸夫県視覚障がい者福祉協会会長が行います。
◆県視覚障がい者生活支援センター 電話番号 024(535)5275
福祉協会だより
あはき裁判
以前にもこの紙面でお知らせしましたが、視覚障がい者である本福祉協会会員をはじめ、全国の視覚障がい者が生活の糧としている「あん摩マッサージ指圧」の職域を巡って、現在、東京・大阪・仙台で裁判が行われています。
その中で最も早く昨年9月に結審した東京地裁で、昨年12月16日に判決が言い渡されました。東京地裁の古田裁判長は「視覚障がいのある、あん摩マッサージ指圧師の生計維持が、困難とならないようにする目的で、定められたあはき法19条1項を、今なお維持する立法府の判断は、国会の裁量の範囲内で、著しく不合理とは言えない」と判断し、原告の請求を棄却しました。これにより、被告(国:厚生労働省)の主張が認められ、同時に我々視覚障がい者の主張も認められました。ありがとうございました。
ただ、残念なことに原告は判決を不服として、昨年12月下旬に控訴の手続きを行ったとの事です。
私たちは、引き続き今年2月25日の大阪地裁における判決および今年4月27日に予定されている仙台地裁における判決でも、東京地裁の判決と同様、国の主張、同時に私たちの願いと合致する正当な判決が言い渡されることを切望します。
◆県視覚障がい者福祉協会 電話番号 024(535)5275