点字広報ふくしま第289号
<県政の窓>ふくしまの花
広大な県土を有し、浜通り・中通り・会津という個性豊かな3つの地域から成り立つ福島県。県内では、標高差のある多様な気候を生かし、年間を通して高品質な花(か)き栽培が行われています。県や産地によるオリジナル品種も育成され、近年では、海外への輸出も増えてきています。全国上位の出荷量を誇る本県の花きの主な品目や、丹精込めて花を育てている生産者の思いを紹介します。
大切な人に届けたい。ふくしまの花
県内では切り花・枝物・鉢物など、多種多様な花きが生産されています。その中でも、全国上位の出荷量を誇る主要4品目をご紹介します。
<りんどう>
鮮やかな花色と花持ちの良さで人気がある切り花。県や県内の育種家が育成し、本県の自然条件に適したオリジナル品種も栽培されています。
〇出荷時期 7~10月
<トルコギキョウ>
さまざまな品種があり花持ちも良いことから、業務用から家庭用まで幅広く利用される華やかな花。県内のほぼ全域で栽培されています。
〇出荷時期 5~11月
<宿根(しゅっこん)かすみそう>
細い枝に小さな花が無数に咲いて、ふんわりと広がります。会津坂下地方は夏秋期の国内有数の産地となっており、全国各地に出荷されています。
〇出荷時期 6~11月
<菊(輪(りん)ぎく、小ぎく、スプレイぎく)>
日本の国花である「菊」は、県内で最も生産されている切り花。小ぎくは、福島市を中心に産地が広がっており、スプレイぎくは、施設化によりほぼ一年を通して出荷されています。
〇出荷時期 輪ぎく・小ぎく 6~12月 スプレイぎく 4~12月
オリジナル品種を育成しています
<りんどう>
県では、平成2年からりんどうの新品種の開発を始め、これまで6品種を育成しています。県オリジナル品種は、本県の自然条件に適して育成や形が良いことが特長で、県内の民間育成品種とともに「福島県花きオリジナル普及品種」として選定されています。
オリジナル品種を普及することで、シーズンを通した切れ目のない出荷や、特性を生かした戦略的な販売・Prを目指しています。
<カラー>
中山間地の立地条件を生かした切り花として、県内では夏秋期に良質なカラーが出荷され、全国有数の産地となっています。県では、平成18年から新品種の開発を始め、現在、品種登録を目指しています。
インタビュー(1) 『地域の元気のために笑顔で花を育てます』 合子(ごうし)りんか(田村市都路町) 坪井千賀子さん 英子さん 益子さん
みんな親戚で、ご近所に住んでいます。原発事故後に避難して、平成26年に戻ってきたとき、旧警戒区域の未利用農地を何とかしたくて。みんな花が好きだったので、りんどうの栽培を始めたんです。
花き栽培は初めてでしたが、できるだけ色んな品種をいっぱい作ろうって、16種類も育てています。病気になったり虫が付いたりと大変なこともありますが、いつも3人で楽しくやっています。
りんどうはかわいい花で、白やブルーやピンクの品種もあるので、仏花はもちろん、アレンジなどにも使ってほしいですね。
インタビュー(2) 『品質の良いかすみそうをご家庭で楽しんでください』 JA会津よつばかすみ草部会部会長 立川幸一さん、洋子さん(昭和村)
夫婦二人三脚でかすみそう栽培を始めて22年。2品種を中心に1万6千株を育てています。標高差を生かして3カ所のほ場で時期をずらすので、6~11月くらいまで長く出荷できるんです。日持ちが良く、きれいな白い花にするためには、気候に合わせた栽培が大切。暑い時期に標高の高いほ場で育てると、品質の良い花ができるんですよ。
3年前から直売所を始めて、規格外の花を売っています。かすみそうが大好きだからと、遠くから買いに来てくれるお客さんもいて、それが一番うれしいです。県内のスーパーにも出荷しているので、たくさんの人に楽しんでほしいですね。
情報ボックス
自分でできる!を増やしましょう
県では、中途失明者や視覚障がい者等を対象に、在宅生活訓練のための講師を派遣します。安全で簡単な調理方法や視覚障がい者向けのパソコンソフトの使い方、白杖を使った歩き方等の日常生活に必要な動作を自宅で学べます。
受講希望の方は、お住まいの市町村の障がい福祉担当窓口を通じてお申し込みください。「見えないから仕方ない」と諦めずに、自分でできることを増やしませんか。
◆問い合わせ先 県障がい者総合福祉センター 電話番号 024(521)2824
架空請求ハガキなどにご注意ください!
民事訴訟最終告知」や「消費料金確認通知」というハガキが届いたという相談が寄せられています。連絡しないと訴訟を起こすなどと不安をあおるようなことが書いてあっても、身に覚えがなければ無視するようにしましょう。連絡を取ってしまうと、架空請求詐欺被害に遭う恐れがあります。
困ったときは一人で悩まず、県消費生活センターにご相談ください。
◆問い合わせ先 県消費生活センター相談専用ダイヤル 電話番号 024(521)0999
受付時間 月~金曜日 午前9時~午後6時30分
第4日曜日 午前9時~午後4時30分
飼い猫には不妊去勢手術を!
福島県が平成29年度に引き取り、殺処分した猫の数は全国で2番目の多さでした。
猫は繁殖力が強いため、不妊去勢手術を実施しないと数が増えます。その結果、猫を適切に飼えなくなり、県に引取りを依頼される飼い主が少なくありません。
殺処分による不幸な命を減らし、生殖器系の病気を予防するとともに、繁殖期特有の鳴き声や尿スプレーも減らすことができる不妊去勢手術を必ず実施して、飼い猫と快適に生活しましょう。
◆問い合わせ先 県庁食品生活衛生課 電話番号 024(521)7245
台風19号災害に関する県等の相談・担当窓口一覧
受付時間 月~金曜日(祝日除く)午前8時30分~午後5時15分
相談の内容 | 担当課等 | 電話番号 |
医療に関する相談 | 地域医療課 | 024-521-7221 |
障がい福祉に関する相談 | 障がい福祉課 | 024-521-7170 |
生活福祉資金に関する相談 | 県社会福祉協議会 | 024-523-1250 |
県税に関する相談 | 税務課 | 024-521-7070、7069 |
消費に関する相談 | 消費生活センター | 024-521-0999 (受付時間は月~金曜日 午前9時~午後6時30分 |
被災者の住宅に関する相談 | 建築指導課 (被災者住宅相談窓口) | 024-521-7698 (午前9時~午後5時) |
県政に関する総合相談窓口 | 県民広聴室県政相談コーナー | 024-521-7017 (午前9時~正午、午後1時~4時) |
点字図書館だより
1. 携帯電話番号・メールアドレスの登録について(お願い)
10月12日の台風19号で被害に遭われた皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。
当館では、登録いただいている電話番号で、被害の大きかったと思われる地域にお住いの利用登録をされている方々へ状況確認のお電話をしました。
被災の状況をお伺いし、支援が必要な場合は、社会福祉法人日本盲人福祉委員会をはじめ、関係団体や市町村と情報共有を図り、必要な支援を提供しました。
しかし、何人かの方とは、固定電話での連絡が取れず、状況確認ができませんでした。
個人情報の取り扱いには十分注意しますので、固定電話で登録していると思われる方には、ぜひ、携帯電話とメールアドレスのご登録をご検討くださるようお願いします。
2.「平成30年度 増加図書目録」について
当館で平成30年度に所蔵した図書の目録ができました。
点字版、活字版、デイジー版があります。目録には、書名・著者名・分類番号と巻数や時間などを記載しています。
本誌(点字広報ふくしま)に毎回掲載している「新刊案内」と重複するため、全利用者への配布はしません。1年分がまとまったものを希望する方は当館までご連絡ください。1人1種類に限り、無料でお送りします。
3.「読書会」を開催します!
「おすすめの本」や「好きな作家」などを一人ずつ紹介していく、読書をゆるーく楽しむ会を開催します。「読書会」には、自分の知らなかった本の存在を知ったり、本に関心がある人との交流やつながりが生まれるという効果があります。当館の司書がナビゲートをします。どうぞ気軽にご参加ください。
■日 時 12月15日(日曜日) 午前10時~正午
■会 場 点字図書館 閲覧室 (福島市森合町6-7)
■対 象 当館の利用者と奉仕員
■参加費 200円(お菓子代として当日徴収)
■申込締切日 12月10日(火曜日)
※利用者の方で、「おすすめの図書」をもう一度読んでから参加したい方は当館へ早めにご連絡ください。
4.「点字広報ふくしま」について
2カ月ごとに発行している「点字広報ふくしま」の種類は、点字版・活字版・デイジー版があります。ご希望により1戸につき1種類をお送りしています。媒体の種類を変更したい場合はご連絡ください。すべて返却は不要です。
また、県のホームページには「県政の窓・わかる県政・情報ボックス・点字図書館だより・みんなの広場」、点字図書館のホームページには「点字図書館だより・新刊図書案内」を掲載しています。郵送に合わせて、テキストデータを更新していますので、どうぞご利用ください。
5.年末年始の休館日について
令和元年12月27日(金曜日)から令和2年1月6日(月曜日)は、休館日となります。貸し出しの申し込みなどの連絡は、12月20日(金曜日)までにお願いします。
◆県点字図書館 電話番号 024(531)4950
みんなの広場
「親子点字体験教室」に参加した方から感想をいただきました。
【門馬 凛太朗(もんま りんたろう)さん 福島市立大森小学校4年】
夏休みに点字を勉強しに行こうと、お母さんに言われました。なぜかというと、お母さんの友だちにさそわれたからでした。その人は、目の病気で目が不自由になってしまったそうです。ぼくは点字のことは知っていたけれど、今まで気にしていなかったので、どんな教室なのかなと思っていて、点字教室は楽しみでした。
点字教室が始まると、どうやって点字が出来たのかとか、読み方とか色々なことを教えてもらいました。点字に直した本も見たけれど、ものすごく厚い本になっていてびっくりしました。読み方は難しくて、沢山まちがえたりしました。目が見えていてもこんなに大変なのに、目が見えなかったらもっと大変だなぁと思いました。
点字を打つ道具で、自分の名前を打つ練習もしました。たくさんまちがえて、5回目くらいにやっと名前がぜんぶ打てました。すごくうれしかったです。『もんま』は、もう何も見なくても打てるようになりました。お兄ちゃんの名前も打って、しおりにしました。見ながらでもむずかしいのに、見えなくて点字を勉強するのは本当に大変だと思いました。色々な事が分かって、点字教室に行って良かったと思いました。
【森口 遥香(もりぐち はるか)さん 福島市立第三小学校5年】
わたしは、ふだんの生活の中で点字を見かける機会もあり、以前からきょうみをもっていたので、今回の体験を楽しみにしていました。実際に点字を打つ体験をしてみると、位置や大きさが決まっていたり、力の入れかげんで上手に打てなかったりして、思っていたよりもむずかしいと感じました。教えてくれた方の点字を読んだり打ったりする早さにはおどろきました。
わたしは点字を読むのも打つのも初めてだったので大変だったけれど、だんだんとなれてきて「のみこみが早いね」と、ほめてもらえてうれしかったです。
今回の体験を通して点字にふれあえたことはとてもきちょうな体験でした。今後も機会をみつけて点字に関わっていきたいとおもいます。
協力会だより
日常生活用品(用具)をあっせんします
本会では、視覚障がい者の日常生活自立支援のため、日常生活用品(用具)の入手などについての相談、あっせんを常時行ってます。
必要な用品(用具)がありましたら、事務局までご相談ください。視覚に障がいのない方でも使える、便利商品などがたくさんそろっていますよ。
用品(用具)の一例
・点字機器類:標準点字盤、点字タイプライタ-など
・便利商品:安全つめきり、軽量特大折りたたみ傘など
・日用品:裁縫道具、財布、小銭入れなど
・その他:ロ-ビジョン用品や時計、おもちゃ、ゲ-ムなど
点字体験講習会などへ講師を派遣します
視覚障がい者への理解を深めていただくとともに、ボランティア活動および地域との交流促進を図るため、学校・サークル・団体の点字講習会などに講師を派遣しています。
授業や講習会などで点字体験を計画している学校・サークル・団体がありましたら「講師派遣事業」をご活用ください。
なお、点字機器や点字用紙などの教材は、当方で準備します。詳しくは、事務局までお問い合せください。
◆県視覚障がい者協力会 電話番号 024(533)4085(ファクス兼用)
生活支援センターだより
サークル活動のご紹介
当センターでは、専門の講師による「教室」や「講座」の他に、皆さんが自主的に行っているサークルがあります。サークル活動への参加は随時受け付けています。気に入ったサークルを見つけてみませんか。
〇卓球サークル(サウンドテーブルテニス)
卓球台の上で金属の玉が入ったピンポン球を転がし、その音を頼りにラケットで打ち返します。ラバーの付いていないラケットを使い、ネットの下を通します。卓球台の周囲にはボールが落ちないように縁が付いています。試合開始は、「始めます」「はい」と声で確認します。
見えづらい、見えなくてもできるスポーツとして、当センターで卓球を楽しまれる方が増えてきました。
どなたでも、いつからでも気軽に始められます。ちょっと運動をしたいという方は、ぜひ見学にお越しください。
開催日:毎週火曜日 午前10時~午後2時
〇唱歌・童謡を歌う会(コスモス会)
センター和室で皆さんになじみの歌を楽しく歌っています。幼い頃の文部省唱歌をはじめ、さまざまな曲の歌声が響いています。
午後2時30分からは、朗読ボランティアによる朗読会も行われています。サロンのような雰囲気です。いつでも歓迎いたします。
開催日:毎月第1木曜日 午後1時~3時
◆県視覚障がい者生活支援センター 電話番号 024(535)5275
福祉協会だより
「あん摩師等法19条裁判のその後について」
以前にもこの紙面でお知らせしましたが、視覚障がい者である本福祉協会会員をはじめ、全国の視覚障がい者が生活の糧としている「あん摩マッサージ指圧」の職域を巡って、現在、東京・大阪・仙台で裁判が行われています。
本年10月現在で東京地裁で14回、大阪地裁で15回、仙台地裁で14回の口頭弁論が開かれました。
そして、9月5日に開かれた第14回口頭弁論で東京地裁での裁判が結審し、12月16日に判決が言い渡されることになりました。我々も、また全国の視覚障がい者、支援してくださっている個人や団体も、判決の行方に重大な関心をもって注目しています。
また、仙台地裁も次回12月2日の第15回口頭弁論を控え、大きな局面を迎えることが予想されます。
障害者雇用促進法が施行された今日においても、視覚障がい者の職域は依然として狭く、視覚障がい者の一般雇用率は極めて低位のまま推移しており、あん摩マッサージ指圧業は視覚障がい者の中心的職種です。
視覚障がい者の職業選択の自由が未だ実現していない中で、裁判に敗訴するようなことがあれば、あん摩マッサージ指圧業の分野からも視覚障がい者が実質的に閉め出されることとなり、視覚障がい者の就労を通じた自立を奪う結果となることは必定です。
私達はそうした事態を回避するために、広く皆さまのご理解とご支持を得て、全国の視覚障がい者関係団体だけでなく、さまざまな団体との連携の下に国(厚生労働省)が勝訴するために全力を尽くしていきたいと考えています。
◆県視覚障がい者福祉協会 電話番号 024(535)5275
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