点字広報ふくしま第284号
<県政の窓>
特集1 知事インタビュー 内堀知事に、県政への思いを聞きました
1 二期目の決意は
福島県は今、地震・津波・原発事故・風評という複合災害、そして、急激な人口減少、この二つの重い課題に直面しています。県民の皆さんの切実な声、県政への思いを踏まえ、福島県知事として、この課題に全身全霊で取り組んでいきます。
2 「複合災害」にどう取り組んでいきますか
まず、被災された皆さんの生活再建、生業・産業の再生、風評払拭のため、さまざまな手を尽くすこと、さらには医療・介護サービスの確保、商業施設の整備、学校の再開、地域公共交通ネットワークの構築など、市町村や国と力を合わせ、きめの細かい施策を実行していきます。
また、福島イノベーション・コースト構想を踏まえて、ロボット、再生可能エネルギー、航空宇宙産業などの新産業を集積し、浜通り地方に多くの人々を呼び込み、魅力的な雇用の場を創出するなど、大胆な施策にも取り組んでいきます。
3 「急激な人口減少」にどう取り組んでいきますか
福島県は、人口減少が全国でも厳しい状況にあるという「危機意識」を持って、総合的な対策を進めます。
県全体の産業基盤を強化し、若者の定着・還流を促すための魅力ある雇用の場をつくっていくほか、切れ目のない結婚・出産・子育て支援の充実や新規就農者の受入体制整備、県内への移住促進に向けた支援など、「しごと」を創り、「人」の流れを生み出す施策を展開していきます。
4 将来に向けて、どのような福島を創っていこうと考えていますか
「チャレンジ県ふくしま」、これが理想とする福島県の姿です。さまざまな課題を解決するために、私自身も、常に新しい挑戦をしていきます。私たち現役世代が挑戦することで、子どもたちの世代に「福島に生まれてよかった」と言われるような福島を創ることができると考えています。「福島といえば、チャレンジの県だよね」と、国内外の皆さんに言っていただけるよう、これからも努力を重ねていきます。
内堀雅雄 福島県知事 プロフィール
昭和39年3月26日生まれ(54歳)。長野県出身。東京大学経済学部卒業。平成13年福島県生活環境部次長。生活環境部長、企画調整部長、副知事を経て平成26年11月知事就任。
◇趣味 スポーツ観戦、音楽鑑賞
◇好きな言葉 進取果敢(しんしゅかかん)
特集2 地域の医療を守る
日本全国で急激な人口減少、少子高齢化が進んでいます。県では、地域の皆さんが安心して暮らせるよう、医療サービスを確保するさまざまな取り組みを進めています。今回はふたば医療センター附属病院の役割を通して、地域医療を守る取り組みと、県全体の医療人材の不足を解消するための取り組みを紹介します。
多目的医療用ヘリ
県が新たに導入し、10月29日から運航を開始した医療用のヘリコプター。ふたば医療センター附属病院を基地として、双葉地域で発生した救急患者の搬送や浜通りの医療機関から県立医科大学附属病院などの高度専門的な治療が行える医療機関への患者搬送などに対応します。これにより、搬送時間が短縮され、双葉地域における救急医療の質の向上が期待されています。このようなヘリの公立病院での導入は、全国でも例のない取り組みです。
(インタビュー1) 「双葉地域の皆さんが安心して戻れる環境をつくりたい」
ふたば医療センター附属病院 院長 田㔟長一郎(たせ ちょういちろう)さん
9月末までで、1日あたり平均して6.8人が来院しています。予想に比べると多いですね。看護師は29人、日中はのべ4~5人、夜間は2~3人の医師が待機しています。スタッフの配置としては十分な体制です。
戻ってこられた方の中には、1人でお住まいの方もいます。「せっかく戻っても、車で都会まで病院に通うのは大変なので助かる」「ご近所の皆さんが戻ってきていない中、病院に来て、先生たちと話をするのが楽しい」という声をいただいています。
開院してからまだ半年。24時間365日稼働の救急病院ということもあり忙しく、診療時間・シフトもバラバラで、我々の中でも、同じ目線に立って語り合うことができていないと感じています。先生方、職員の皆さんのそれぞれの思い、情報交換を綿密にしながら、お互いの信頼関係をより強く構築していきたいです。職員一丸になって、地域の皆さんの健康・医療を支えていきます。
ふたば医療センター附属病院
震災前、双葉郡には入院治療を必要とする患者に対応できる二次救急医療機関がありましたが、震災後、すべて休止状態になりました。ふたば医療センター附属病院は県立医科大学の全面的なバックアップのもと、近隣の病院、診療所などと連携・役割分担しながら地域診療の確保を目指しています。
救急医療は24時間365日対応。高度な医療や専門医療が必要な場合、適切な病院に多目的医療用ヘリなどで搬送します。
◆問い合わせ先
ふたば医療センター附属病院
電話番号 0240(23)5090
(インタビュー2) 「皆さんへの御礼を込めて、医師として地元に還元したい」
寿泉堂綜合病院 耳鼻咽喉科 医長 湯田孝之(ゆだ たかゆき)さん
会津若松市出身で、地元に帰って医療に携わりたいという思いがありました。大学卒業後3年目は南会津地域医療支援センター、4年目は只見町の朝日診療所、研修を経て、8~10年目は県立南会津病院で勤務しました。診療所勤務当時は、内科を中心に何でも診察していました。普段心がけていたのは、現地の方言を大事にすること。私の姓が湯田なので、「地元の人」という期待をする患者さんもおられます。壁を作らないように、同じ言葉でコミュニケーションが取れるように努めました。
私もそうですが、自治医科大学の卒業生は皆、「県民の皆さんのおかげで、医師として勤務できている」という思いがあります。今後もその思いを胸に技術を磨いて、福島県で頑張ります。
「キビタン健康ネット」に参加しよう!
「キビタン健康ネット」とは、県内の医療機関をインターネットで結び、診療情報や調剤情報を共有することで、転院や在宅療養時の継続した治療、同一検査の省略、お薬の重複処方の削減などが可能になり、より適切な診断・治療を受けることができるサービスです。登録すると「キビタン健康パスポート」が交付されます。登録方法など詳しくは、福島県医療福祉情報ネットワーク協議会にお問い合わせください。
◆問い合わせ先
福島県医療福祉情報ネットワーク協議会
電話番号 0120(578)818
地域医療を担う医療関連人材確保の取り組み
(1)ふくしまの地域医療を担う医師・医学生交流会
県は、県内に勤務し、地域の医療に貢献する医師へ感謝の書簡を贈りました。この取り組みは、修学資金の返還などが免除される勤務の期間を終えた後も、引き続き県内の地域医療を担う医師に感謝の意を示そうと新たに始めたものです。贈呈式の後、寿泉堂綜合病院の湯田先生から、県立南会津病院などでの勤務経験の発表があり、医師や医学生が熱心に聞き入っていました。県では、このほかにも福島県内での勤務を希望する医師と医療機関をつなぐ「ドクターバンクふくしま」事業や、地域医療の現場を県外の医師や学生に体験していただくツアーなどを実施しています。
(2)2021年4月、県立医科大学に新たな学部を開設
県では、保健医療従事者の人材不足を解消するために、福島県立医科大学に新たな学部(仮称:保健科学部)を設置します。理学療法士や作業療法士、診療放射線技師、臨床検査技師を養成する4学科からなり、定員は4学科計145人/年の予定です。
情報ボックス
交通事故相談のお知らせ
県では、交通事故による損害賠償や示談の仕方などの相談を受け付けています。相談は無料、秘密は厳守します。
また、県合同庁舎においては、巡回相談を実施しています。巡回相談は事前予約が必要です。詳しくは、下記までお問い合わせください。
相談場所
県庁県政相談コーナー(本庁舎2階)
相談時間
月曜日~金曜日(祝日、年末年始を除く)
午前9時~正午、午後1時~午後4時相談場所
問い合わせ先
県庁県政相談コーナー
電話番号 024(521)4281
高齢者総合相談センター
高齢者やその家族の日常生活における悩み相談、専門家による法律相談(要事前予約)を行っています。また、県内を巡回して相談を受け付けています。相談は無料、秘密は厳守します。
○一般相談 平日(祝休日を除く)午前9時~午後5時
○専門相談 (事前予約制)
相談ダイヤル
高齢者総合相談センター
電話番号 024(524)2225
問い合わせ先
県庁高齢福祉課
電話番号 024(521)7197
おいしく残さず食べきろう!
日本の食品ロス(まだ食べられるのに捨てられている食品)は年間約646万トン発生しており、特に宴会では多くの食べ残しが発生しています。忘・新年会やパーティーなどでは、開始30分、終了10分は、席を立たずにしっかり食べる時間を設ける、食品ロス削減に取り組んでいる「食べ残しゼロ協力店」を利用するなど、食品ロスの削減に取り組みましょう!
問い合わせ先
県庁一般廃棄物課
電話番号 (024(521)7172
住宅の二重ローン返済を支援します
東日本大震災により半壊以上の被害を受けた住宅に、ローンが500万円以上残っている方が、県内で住宅を購入・建設、または建物を修繕して居住するために、新たに資金を500万円以上借り入れた(または借り増しした)場合、既存の住宅ローン5年間分の利子相当額(最大140万円)を一括補助します。
補助対象など、ご不明な点は気軽にお問い合わせください。
問い合わせ先
被災者向け住宅相談窓口専用ダイヤル 024(521)7698
県庁建築指導課 電話番号 024(521)8449
点字図書館だより
1. 「iPhone・iPadサロン」を開催します!
VoiceOver機能があることで、視覚障がい者の情報取得に大変有効なiPhoneやiPad。
日本盲人社会福祉施設協議会主催の「情報化対応支援者研修会」で講師を務めている当館職員の野地を中心に視覚障がい者が使いやすい「iOSアプリ」について情報交換をしませんか。
今、お使いの方も、これから使ってみたい方も気軽にご参加ください。
日時
平成31年2月17日(日) 午前10時~正午
会場
点字図書館 閲覧室 (福島市森合町6-7)
参加費
無料
申込締切日
平成31年2月8日(金)
2. 新しいデイジー雑誌のご紹介
東京新聞や朝日新聞、週刊誌や雑誌など、23本の記事と音楽で構成されたデイジー雑誌「声の雑誌 さくら草」の貸し出しを始めました。今回の内容は、「ノーベル賞受賞 本庶佑(ほんじょたすく)語る」、「フェイスブックは民主主義を壊すのか」、「ビタミンⅮ欠乏症の子が増加中」、「見た目ファースト」、「魚は高いそれでもおいしく安く食べる」、映画の名曲や民話などになっています。
さらに詳しい内容や貸し出しを希望する人は気軽にお問い合わせください。
3. 施設見学について
当館では、随時、施設見学を受け付けています。学校やグループ、個人の方などどなたでも見学できます。
内容の一例としては、点字図書館の概要、視覚障がい者理解、点字・録音図書の紹介、点字体験などです。
日時や内容、所要時間など希望に合わせて調整しますので、事前にお問い合わせください。
4. 貸し出し担当よりお願い
(1)貸し出し期間は、郵送の期間を除いて一般図書は15日以内です。貸し出し数は、デイジー図書は5タイトル、点字図書は2タイトルまでです。期間延長を希望するときはご相談ください。なお、ご要望にこたえられない場合もありますのでご了承ください。
(2)貸し出しの申し込みは電話・FAX・手紙・電子メールなどで受け付けています。メールで送信するときは、氏名と件名(例「デイジー貸し出し希望」など)の記入をお願いします。
(3)前の週に新しく蔵書をした点字・録音図書、点字・録音雑誌を毎週水曜日にメール配信しています。パソコンだけでなく、携帯電話やスマートフォンでのメール登録も可能です。また、当館のイベントや地域情報もお知らせしています。
新刊図書メール配信サービスを希望する方は当館へご連絡ください。
◆県点字図書館
電話番号 (024(531)4950
みんなの広場
「福島県点字図書館のつどい」に参加して 利用者 穴沢 勲(あなざわ いさお)
中村館長はじめ関係全スタッフのみなさん、そして福島県点字図書館会員のみなさん、こんにちは。 山の手のレイチャールズこと会津若松市の穴沢勲です。
過日、福島市にありますコラッセふくしまで行われました「点字図書館のつどい」に参加させていただきました。その感想とお礼を述べさせていただきます。 第一部のコカリナ演奏と歌声で、今では汚れてしまいました心が、その演奏と奥様の美声を聞いてからはクリーンなハートになっていました。音楽の力はすごいですよね。それが終わり、待ちに待ったランチタイムです。が、品数多くボリュームたっぷり弁当、ヘルパーさんと物々交換をしていただきました。諸費用を合わせての千円の会費は安いと思いました、ありがたいです。
そして、待ちに待った、抽選会です。お笑い芸人の「ミスター野地」の軽快でまた軽妙な語り口で、笑いの渦に巻き込んでの抽選会でした。ミスター野地は、どこの地方の人?男?女?そして、爺様なのか婆あ様なのか?何がなんだか分からないうちにイベント終了となりました。 そして、イベントの中でも各ブースの「売り子さん」のガラガラ声、ハスキーボイスありでの品物提供面白かったです。
最後になりましたが、旧友との再会、新しい仲間との出会い、とても楽しく素晴らしい一日を過ごすことができました。有り難う御座いました。 また来年、2019年8月4日、お会いしましょう、「元気でいたらば」。
協力会だより
日常生活用品(用具)をあっせんいたします
本会では、視覚障がい者の日常生活自立支援のため、日常生活用品(用具)の入手などについての相談、あっせんを常時行ってます。
必要な用品(用具)がありましたら、事務局までご相談下ください。
視覚に障がいのない方でも使える、便利商品などがたくさんそろっています。
◇「用品(用具)の一例」
・点字機器類:標準点字盤、点字タイプライタ-など
・白 杖:折りたたみ、スライド式、置杖など
・日用品:調理器具、裁縫道具、財布、小銭入れ
・便利商品等:軽量特大折りたたみ傘、安全爪切りなど
・その他:ロ-ビジョン用品や時計、おもちゃ、ゲ-ムなど
点字電話帳及び拡大文字版電話帳の発行について
点字電話帳及び拡大文字版電話帳は、3年に一度発行しておりますが、今年度はその発行の年に当たり、本会では東日本電信電 話株式会社の委託を受けて、このたび発行いたしました。
点字電話帳および拡大文字版電話帳を希望される場合には、事務局までご連絡ください。
◆県視覚障がい者協力会
電話番号 024(533)4085(ファクス兼用)
生活支援センターだより
点字つき・拡大文字つき百人一首かるた取りサークルのご案内
福島県立視覚支援学校教諭 渡邊寛子
平成19年度から始まった生活支援センターの文学講座では、短歌に親しむという文学散歩が形を変えて続いています。中途失明の点字も墨字も厳しいという受講者の方から「昔口ずさんだ百人一首の解説を」という声が上がり、21年度から8年半かけて100首の解説が一通り終了しました。その中で、百星の会制作の読み札に印をつけて触って楽しむ坊主めくりや、小学生の中で盛んになった五色百人一首に点字をつけたものを台に固定して、見えなくても楽しめるかるたとりを取り入れてきました。 昨年100番までの解説が終わり、2クール目に入りました。今度は一字決まりや二枚札など、よりかるた取りを楽しめるような歌の解説をして札も取ってみたり、坊主めくりをしたりという文学講座となっています。
さらに、2020年のオリパラに向け、全日本かるた協会と百星の会がコラボして、我が国の伝統文化を世界に紹介する場での点字つきかるたの全国大会を開くことが決まりました。「ぜひ、福島県からも」との声がかかり、百人一首のかるた取りサークルを立ち上げました。平成31年2月2日は3回目の練習会となります。
個人戦のほかに3人一組での団体戦がありますので、ぜひみなさんふるってご参加ください。2020年7月海の日、いざ東京へ。
◆県視覚障がい者生活支援センター
電話番号 (024(535)5275
福祉協会だより
ラジオ福島から音の出る信号機とIHジャー炊飯器が寄贈される
ラジオ福島のチャリティーミュージックソンからのご支援をいただき、今年度も「音の出る信号機」が、本協会で設置をお願いした交差点で新たに稼働しました。場所はいわき市内郷高坂町内の高坂団地入り口(東計電算いわき営業所前)交差点です。11月28日の午前に寄贈式が行われ、阿曽会長と地元いわき市の協会会員が参加し渡り初めが行われました。阿曽会長からは、「今後も設置数が増えて欲しい」と願っている言葉がありました。
また、支援センターにはラジオ福島から、IHジャー炊飯器が寄贈されました。この炊飯器は三菱電機の製品で、表示もデカ文字で音声ナビによる案内や設定を音声で行えるものです。支援センターの調理室に常設、支援センター主催の調理教室などでも使用しています。多くの方に使い心地を体験していただきたいと思いますので、ご希望の方はご連絡ください。
◆県視覚障がい者福祉協会
電話番号 024(535)5275