点字広報ふくしま第271号
県政の窓
産業革ロボット命の地ふくしまを世界に発信
県では、浜通りを世界で最先端の「ロボット産業革命の地」にするため、産学官連携により取り組みを行っています。
福島第一原子力発電所の廃炉や災害に対応するロボットのほか、医療福祉や農業分野など、皆さんの身近な生活の中でも役立つロボットの開発も進んでいます。
日本最大規模となる「ロボットテストフィールド」の整備など、「ロボット産業革命の地ふくしま」を目指す取り組みを紹介します。
1 ロボットテストフィールド[南相馬市・浪江町]
浜通りの復興のために、ロボットの性能試験や研究などを行う施設が整備されます。ロボットテストフィールドには、災害を模擬した道路やトンネル、水没した市街地などが実際に造られて、現場を想定して陸上ロボットや水中探査ロボットを動かすことができます。ドローンのための滑走路やヘリポートも整備される予定です。
2 楢葉遠隔技術開発センター(モックアップ施設)[楢葉町]
原子炉建屋内で調査や作業をするロボットの開発や実証試験などを行います。
3 会津大学の取り組み
会津大学では、企業と連携しながら、災害対応ロボットの研究開発を進めています。また、ソフトウェアの標準化、互換性を図るため、ロボット開発に必要なソフトウェアをライブラリーとして整備し、ロボット関連企業を支援します。
【企業との連携】
(株)アイザックと連携し、災害対応ロボットのソフトウェアを開発しています。ゲームコントローラーやタブレット、Pcでも操作できるようにしています。
【大型災害対応ロボット 援竜】
6軸油圧アームを2本搭載し、がれきなどを持ち上げます。7台のカメラで周辺環境を確認しながら遠隔操縦が可能です。
【小型電動災害対応ロボット SPIDER】
がれき・段差などを乗り越え、階段も昇降します。無線通信により遠隔操作が可能です。
4 福島浜通りロボット実証区域
浜通り地域のエリア・施設を実証区域に指定。ダムや橋梁、トンネル、河川、山野など実際の環境でロボットの実証試験や操縦訓練を行うことができます。
【利用企業の声】(株)エンルートM’s 代表取締役 辺見俊彦 氏
関連企業と連携し、ドローンを開発、製造しています。災害現場の状況確認、空中からの農薬散布などあらゆる場面で活用できるドローンは、何度も実証試験をする必要があるので、ロボット実証区域はとても役立っています。6月には、実証区域に指定されている楢葉南小学校グラウンドで、Pm2.5のサンプリング実証試験を行いました。ドローンは、各種測定器を取り付けることで現場ニーズに合わせてさまざまな測定を行うことができるんです。今後は、ドローンにより長距離で荷物を配送する計画も立てています。実証試験を重ね、新たなチャレンジに取り組んでいきたいですね。
5 専門家はこう見る!
東京大学大学院工学研究科 教授 鈴木真二 氏
福島県が整備を進めているロボットテストフィールドは、ドローンだけでなく、さまざまなロボットが実際に近い現場で実験できるようになります。私はこれまでドローンの実験を行う際に、北海道や鹿児島まで行って飛行場をお借りしていましたが、このフィールドができれば私たちの研究もはかどります。日本のロボット研究は大きな飛躍を遂げることができるのではないでしょうか。
ロボットテストフィールドに行けばすべてのロボットの研究ができるということで、非常に期待しています。
わかる県政
県庁北庁舎に「危機管理センター」ができました!
東日本大震災で被災した県庁東分庁舎に代わって8月に完成した北庁舎に、危機管理対応の新拠点が整備されました。新しい機能が備わり、どのような災害対策が行われるのかご紹介します。
1 危機管理センターができて何が変わったのかな?
戦後の荒れた森を再生するため、植樹と森林の大切さへの理解を深める取り組みとして、1950年(昭和25年)から毎年行われている行事です。天皇皇后両陛下のご臨席の下、県内外から多くの方に参加していただき、式典行事や記念植樹が行われます。福島県では、1970年(昭和45年)以来2回目の開催となります。
【迅速な初動対応が可能に】
震度7の地震にも耐えられる免震構造の建物で、災害対策本部の活動スペースや会議室を常設化しました。停電に備えて非常用発電設備も設置し、災害発生時に迅速な初動対応をとることができます。
【 情報共有による迅速かつ的確な対応】
警察・消防・自衛隊などが活動する「リエゾンオフィス」を備えています。センター内の各室には映像ディスプレイを設置し、テレビ会議や災害現場の映像情報を共有することで迅速かつ的確な災害対応を行います。
2 実践的な訓練を行っています
県では、職員に訓練の内容を事前に示さずに、災害対応をシミュレーションする訓練を定期的に行っています。今後、危機管理センターでは、関係機関と連携し、より実践的な訓練を実施していきます。
3 危機管理センター見学者募集中!(要事前予約)
危機管理センターでは、見学案内や防災講座を受け付けています。学校、団体などによる防災研修にぜひご利用ください。
■利用時間 平日 午前9時~午後5時(祝休日・年末年始を除く)
■問い合わせ先 県庁危機管理課 024(521)8651
情報ボックス
目指せ東北6県制覇! スマホスタンプラリー
東北6県とNEXCO東日本の初コラボ企画『高速道路でつないで集めるスマートフォンスタンプラリー』を開催中です。
スマートフォンを使って、各県の対象スポットと高速道路のSAやPAでスタンプを集めて応募すると、抽選で豪華賞品が当たります。家族や友人との旅の思い出にぜひご参加ください。
■開催期間 平成29年1月9日(月曜日)まで
■プレゼント応募期間 平成29年1月15日(日曜日)まで
■問い合わせ先 NEXCO東日本お客さまセンター 電話 0570(024)024
こども救急電話相談
夜間に子どもの体の具合が悪くなったときに相談できる「こども救急電話相談」を開設しています。
医師や看護師などが相談に応じ、必要があれば受診可能な医療機関をご案内します。
■相談窓口 短縮ダイヤル #8000
※「#8000」につながらない場合は 電話 024(521)3790
■相談時間 毎日午後7時~翌朝午前8時
※相談無料(通話料はご負担いただきます。)
■問い合わせ先 県庁地域医療課 電話 024(521)7221
ひとり親家庭の就職支援
県では、県母子家庭等就業・自立支援センターを設置し、専門の相談員による母子家庭や父子家庭の方の就職相談や求人情報の提供などを行っています。
気軽にお問い合わせください
■相談時間 午前9時~午後5時(土日祝休日、年末年始を除く)
■相談窓口 県母子家庭等就業・自立支援センター 電話 024(521)5699
メール boshi@fukushimakenshakyo.or.jp
ふくしまの木を使った家づくりを支援します!
県では、森林環境の保全と地域住宅産業の活性化を促進するため、県産木材を使った家づくりを支援しています。
県産木材を活用し、県内の大工・工務店で木造住宅を建てた建築主に、県産品などと交換可能なポイントを交付します。
■補助額 一般向け 20万ポイント
被災者・避難者向け 30万ポイント
※1ポイント=1円
■対象者 平成28年4月1日以降に完成した木造住宅の建築主
◆問い合わせ先 県木材協同組合連合会 電話 024(523)3307
▲このページのトップへ点字図書館だより
1 「マイブック3」体験会のお知らせ
音声読み上げソフト(Pcトーカー)に対応したパソコンを使ってデイジー図書(CD)を聴いたり、サピエ図書館などのネット録音図書配信サービスからダウンロードして聴くことができる読書システム「マイブック3」の体験会をします。
■日 時 12月18日(日曜日) 午後1時~午後3時30分
■会 場 県点字図書館 閲覧室
■講 師 荒川 明宏 氏(株式会社ラビット)
■定 員 5人(先着順)
■申込方法 電話により当館へお申し込みください。
■参 加 費 無料(体験機器は当館で準備します)
2 「平成27年度増加図書目録」について
当館で平成27年度に所蔵した図書の目録ができました。点字版、墨字版、デイジー版があります。目録には、書名・著者名・分類番号と点字図書は巻数、デイジー図書・マルチメディアデイジーは時間数、テキストデイジーはページ数を記載しています。
本誌に毎回掲載している「新刊案内」と重複するため、全利用者への配布はしません。1年分がまとまったものを希望する方は当館までご連絡ください。1人1種類に限り、無料でお送りします。
3 住所等変更の際は
図書の貸出しはほとんどが郵送で行っています。また、2か月ごとに「点字広報ふくしま」を発行して、皆さんに情報をお知らせしています。
引っ越しなどで住所・氏名・電話番号などが変更になった場合は、当館までご連絡ください。
4 当館所蔵の本の紹介
当館所蔵の「旅行」に関する本を紹介します。書名だけでなくジャンルや著者名などでもご希望の本をお探しします。貸し出しを希望する方は気軽にお尋ねください。
・郷土LOVE(デイジー8時間51分・点字4巻)
・日本縦断「ローカル列車」を乗りこなす(デイジー6時間6分・点字3巻)
・日本縦断徒歩の旅(デイジー8時間1分)
・全国露天風呂&共同湯(デイジー32時間17分)
・金沢・能登・北陸(点字5巻)
・伊勢志摩(点字3巻)
5 年末年始の休館日について
平成28年12月26日(月曜日)から平成29年1月5日(木曜日)は、休館日となります。貸し出しの申し込みなどの連絡は、早めにお願いします。
◆県点字図書館 024(531)4950
みんなの広場
8月に開催した「親子点字体験教室」の参加者の皆さんから感想を寄せていただきました。
【安宅 優斗(あたか ゆうと)さん 福島大学附属小学校 4年】
夏休みに点字体験教室に参加しました。
戦争時の暗号だったものを点字として使おうと思った人がいたことを聞いて、すごいなぁと思いました。
すぐに教室でもらった点字表を持って、駅やお店に点字をさがしに行きました。さがしてみると、今まで気づかなかったいろいろな所にも点字がありました。便利にくらせるように工夫がされているのかもしれません。だけど、こまっている人を見たら、ぼく達が「大じょうぶですか?」と声をかける勇気を持ちたいと思います。
【永峯 敏明(ながみね としあき)さん 福島第二小学校 6年】
点字図書館の親子点字教室には、2回目の参加です。
いろいろな点字に触れてみて目がいい人には点字は通じないけど目の見えない人には点字が通じます。
ぼくは点字で自分の名前を書きました。1回目参加したときはとても難しかったけど、今回参加したときはとても簡単に出来ました。
さらに点字図書館は点字の本やCDも遠くに住んでいても借りることが出来ると聞いたのでとてもいい仕組みだと思いました。
町の中にある点字にも興味が出てきました。また身近な所に点字がいっぱいあることもわかりました。例えば駅のエレベーターや、家の中ではジャムのビンやシャンプーの容器にも点字があり、意外と身近な所に点字があることがわかりました。
もっともっと知らないことがありそうなので、また、参加したいです。
協力会だより
~点字図書の完成まで~
本会では、プライベート点訳や県点字図書館から委託を受け点字図書の製本、デイジ-図書の編集などの業務を行っています。今回は点字図書についてご紹介します。
点字図書は、多くの点訳奉仕員や製本奉仕員のボランティアの皆さんによって作られています。
点字図書を作るには、点字図書館の図書選定委員会で図書を選定し、点字図書館から点訳奉仕員の方に点訳を依頼します。
依頼を受けた点訳奉仕員がパソコンで点訳した後、点訳したデ-タを点訳者とは別の奉仕員の方が校正し、点訳者が修正をすることで点訳デ-タが完成します。
図書の製本は、完成した点訳デ-タの印刷から作業に入ります。
(1)完成した点訳デ-タを高速点字プリンターで点字用紙(白紙フォ-ム)に印刷します。
(2)点字用紙は天地がつながった連続用紙のため、専用の点字用紙裁断機で1枚ずつ切り離します。
(3)切り離した用紙を製本用の厚紙にとじるため、専用ののり付け機で背の部分に「のり」を付けます。
(4)のり付けした用紙を製本用の厚紙にとじて、点字図書の製本が完了です。
(5)書名や著者名、巻数を記した表表紙と背表紙をパソコンで作成し、製本した点字図書に貼ります。
(6)読者が触ってすぐに何の図書かわかるように、書名や巻数を点字で記したシールを点字図書の背表紙に貼ります。
以上で、点字図書の完成です。
◆県視覚障がい者協力会 024(533)4085(ファクス兼用)
生活支援センターだより
1 講座のご案内
(1) ハーブ石鹸を作ろう
自然の恵みを感じながら、身体に優しいハーブ石鹸を作ります。クリスマスのプレゼントにいかがですか。
■日 時 12月14日(水曜日) 午後1時~午後3時
■会 場 視覚障がい者生活支援センター 和室
■講 師 ハーブ学習指導員 菅野 恵美子 氏
■定 員 15名
■参加費 500円(材料費)
■申 込 11月29日(火曜日)~
※電話により当センターまでお申し込みください。
(2) 調理教室「ちらし寿司を作りましょう」
平成29年2月15日(水曜日)にちらし寿司作りを予定しています。詳細は次号でお知らせします。
2 卓球サークルのご紹介
毎週火曜日に当センターのホールにてサウンドテーブルテニスを行っています。この度、(株)ラジオ福島様より「通りゃんせ基金」から卓球台が新たに寄贈されました。どなたでも気軽に楽しめます。ぜひご参加ください。詳しくは下記までお問い合わせください。
◆県視覚障がい者生活支援センター 024(535)5275
福祉協会だより
入院中の医療機関からの外出・外泊時における同行援護等が可能に
厚生労働省より、6月28日付けで各都道府県に以下の内容が通知されました。
1.意思疎通を図ることに支障がある障害者等の入院中における意思疎通支援事業(地域生活支援事業)の取扱いについて
この事業対象となる障害の中に、「視覚に障害があるため、意思疎通を図ることに支障がある障害者等」と明記されました。
また、利用範囲については、入院中においても入院先医療機関と調整の上で、意思疎通支援事業の利用が可能であると明記されています。
「意思疎通支援事業」は、「点訳、代筆、代読、音声訳等による支援事業など」とされており、意思疎通を図ることに支障がある障害者等と、その他の者の意思疎通を支援すると明記されています。
2.入院中の医療機関からの外出・外泊時における同行援護等の取扱いについて
同行援護等の対象となる障害者等が医療機関に入院するときには、入退院時に加え、入院中に医療機関から日帰りで外出する場合、1泊以上の外泊のため医療機関と外泊先を行き来する場合および外泊先において移動の援護等を必要とする場合は、同行援護等を利用することができると明記されました。
◆県視覚障がい者福祉協会 024(535)5275