点字広報ふくしま第268号
目の不自由な方(かた)に対して、県政の主要施策の解説や県政の動きなどを紹介しています。
編集・発行 福島県広報課
目次
≪県政の窓≫
「復興・創生元年予算」
平成28年度福島県当初予算の概要について
≪情報ボックス≫
1. 「なりすまし詐欺」に注意!
2. 「労働困りごと相談会」を開催します!
3. 飼い犬の登録と狂犬病予防注射に関するお願い
4. 消費生活無料法律相談・生活再建等相談
≪点字図書館だより≫
1. 「移動点字図書館」を開催します
2.デイジー雑誌「健康歳時記」について
3.英語点字表記が一部変更になりました
4.福島県点字図書館のつどいについて
≪みんなの広場≫
1.佐藤 晃 著
2. 協力会だより
3. 生活支援センターだより
4. 福祉協会だより
県政の窓
「復興・創生元年予算」 平成28年度 福島県当初予算の概要について
平成28年度は、復興・創生期間の初年度です。当初予算の総額は1兆8,819億円で、これは過去最大となった昨年度に次ぐ規模です。このうち昨年度より97億円多い1兆384億円が震災・原子力災害対応に充てられます。復興を加速させ、地域の創生に取り組んでいきます。
歳入と歳出の状況
県税収入は、2,284億円と、前年度を上回りますが、地方財政対策により、震災復興特別交付税を除く実質的な地方交付税は、2,070億円と、前年度を下回ることから、一般財源の総額は前年度と同程度となっています。このため、「原子力災害等復興基金」を始めとした各種基金を有効に活用し、必要な財源の確保に努めました。
歳出については、これまで執行した事業の効果をしっかりと検証しながら、内部管理経費の節減、事務事業の見直しに努め、予算編成を行いました。次項では、平成28年度当初予算で取り組む事業の一部をご紹介します。
復旧・復興の視点から(福島県復興計画[第3次])
避難地域の再生、風評・風化対策、新産業の創造など、震災・原発事故からの復興を進めていきます。
こんな事業で取り組みます!
●市町村の除染対策支援(2,171億円)
●復興公営住宅の整備(623億円)
●道路整備(270億円)
●農地・農業用施設の整備(100億円)
●双葉地域の二次医療提供体制を確保(2月1日億円)
●Jヴィレッジの復興再整備(3月3日億円)
●避難地域の復興拠点づくり(10億円)
●復興まちづくりの加速支援(1月4日億円)
避難地域12市町村が計画している復興拠点づくりを支援します。また、商業機能を確保し、皆さんの帰還を支援します。
●イノベーション・コースト構想の推進(143億円)
浜通り地域の産業振興を図るため、ロボットのテスト施設などを整備するほか、地元企業による実用化開発の補助などを行います。
●農林水産分野の技術革新を推進(1月3日億円)
ロボットトラクターや除草ロボット、自動苗木植付機などの技術の開発・実証を通して、先進的な農林水産業を推進します。
人口減少対策の視点から(ふくしま創生総合戦略)
“しごと”を創り、“ひと”の好循環を生みだし、人口減少に歯止めをかけていきます。
こんな事業で取り組みます!
●子どもの医療費助成(46.6億円)
●認証保育所の支援(1月3日億円)
●多世代同居・近居の推進(0.4億円)
●将来を担う産業人材確保のための奨学金返還支援(0.8億円)
●教育旅行の復興(1月7日億円)
●健康長寿ふくしま推進事業(0.7億円)
「健康」への意識を高めていただくために、楽しく気軽に参加できる「ふくしま健民カード」の取り組みを進めます。
●地域おこし協力隊支援事業(0.8億円)
都市部に住む若者を受け入れる「地域おこし協力隊」の受入体制を整備することで、定住人口の増加を図ります。
●航空宇宙産業の集積推進(0.4億円)
航空宇宙産業への参入に必要な認証規格の取得に向けて、県内企業向けのセミナーや、参入の方向性を確認する企業訪問を行います。
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「なりすまし詐欺」に注意!
次の場合、すぐにお金を振り込まないよう注意し、警察や家族、県消費生活センターなどに相談しましょう。
○ 電話で息子や孫を名乗る者がお金を要求してくる。
○ 覚えのないインターネットサイトの利用料金を電話などで請求される。
○ 公的機関を名乗る電話で「還付金がある」と言われる。
■問い合わせ先 県警察本部生活安全企画課 ☎024(522)2151
「労働困りごと相談会」を開催します!
皆さんの職場の中で起きている賃金や人間関係などに関する困りごとや疑問についての相談をお受けします。相談は無料で秘密は厳守します。現地相談会では、労働問題に精通している労働委員会委員が対応します。
■日時 7月3日(日曜日) 午前10時~午後4時
■場所 県いわき合同庁舎および県南相馬合同庁舎
※予約不要(電話予約による時間指定も可)
※午前10時~午後6時まで電話相談も可
◆電話相談・問い合わせ先 県労働委員会事務局 ☎024(521)7594
飼い犬の登録と狂犬病予防注射に関するお願い
世界では、狂犬病で毎年約55,000人が亡くなっています。主な感染経路は狂犬病に感染した犬によるかみ傷で、発症すれば100%死に至ります。病気のまん延を防ぐため、次の手続きをお願いします。
■生後91日以上の飼い犬の登録(生涯1回)
■狂犬病予防注射(毎年1回)
※各市町村において毎年4月から6月に実施
※住所変更や犬が死亡した場合は、お住まいの市町村役場に届け出てください。
◆問い合わせ先 最寄りの市町村役場または県庁食品生活衛生課 ☎024(521)7245
消費生活無料法律相談・生活再建等相談
県消費生活センターでは、消費生活相談員による相談のほか、弁護士や司法書士、ファイナンシャルプランナーによる相談窓口を開設しています。借金や震災関連のトラブルなど消費生活全般の相談について、専門家が対応します。
相談の日時や方法など、詳しくは下記までお問い合わせください。
◆問い合わせ先
福島県消費生活センター(相談専用) (024(521)0999
HP 福島県消費生活センターポータル 検索
点字図書館だより
1.「移動点字図書館」を開催します
本宮市中央公民館で「移動点字図書館」を開催します。
費用は無料でどなたでも参加できます。
お誘い合わせの上、ぜひご来場ください。
■日 時 7月3日(日曜日)【予定】午前10時~午後3時
■会 場 本宮市中央公民館(本宮市本宮字矢来39-1)
■内 容 (1) 点字、録音図書の展示、利用登録の相談
(2) 福祉機器・用具の展示・紹介
(3) 盲導犬や白杖を使った歩行体験
(4) 音声読み上げパソコン、身近な便利グッズの紹介
(5) デイジー図書再生機の体験・点字体験
2. デイジー雑誌「健康歳時記」について
当館で製作しているデイジー雑誌「健康歳時記」は、福島民報のコラム「健康歳時記」を1ヶ月分まとめて月刊誌として発行しています。
福島民報のコラムが今年4月より「歳々元気」に衣替えしたことから、デイジー雑誌も「健康歳時記」から「歳々元気」にタイトルを変更します。
これまでの健康の話題に加え、趣味や祭事など多彩な内容となります。新たに購読を希望される方は当館へご連絡ください。
3.英語点字表記が一部変更になりました
これまで日本では、アメリカの英語点字を用いてきたため「サピエ図書館」に登録されている一般書の点字データもアメリカの点字で点訳されています。
しかし、平成28年から、アメリカでは「統一英語点字(Ueb)」という表記を用いることとなり、日本点字委員会の討議の結果、日本でも「統一英語点字」を採用することを決定しました。「統一英語点字(Ueb)」とは、英語を用いているアメリカ・イギリス・カナダなどで、統一した英語点字を用いるために作られたルールです。アルファベットと数字はこれまでと同じですが、記号類や縮約などが大きく変化します。
したがって、これから「サピエ図書館」に登録される点字データも英語の部分が一部変更になります。4月から新しい表記での登録を開始し、10月以降に登録される点字データはすべて新しい表記となります。一般書を点字で読む場合は、小数点、斜線、アンドマークの記号が大きく変更になるほか、二重大文字符の使い方や数字の表記なども変更になります。
点字利用者向けの点字資料(16ページ・無料)をご希望の方は当館へご連絡ください。
4.福島県点字図書館のつどいについて
「第51回福島県点字図書館のつどい」を開催します。
詳細は、7月号(269号)でお知らせします。
■開催日 10月16日(日曜日)
■会場 コラッセふくしま(福島市三河南町)
◆県点字図書館 024(531)4950
みんなの広場
佐藤 晃
俺が色を失ってからちょうど10年。それは俺から楽しみ、ひいては生きがいを奪っていった。チャリを漕ぎ回すことも、ぷらっと当てもなく散歩に出るのも、テキスト進行のRpgゲーができなくなったのも…。見えていた世界から見えていない世界へ。薄ぼんやりした世界、どうもこんにちは。
趣味・娯楽が奪われたとしても、音や感覚でなんとか食らいつこうとした。でもそれにも限界がある。そんな中で出会ったのがデイジー図書だった。本だけはかたちを変えたとしても、見える・見えないにかかわらず俺の隣にいてくれた。
そのころは、ハリポタシリーズや十津川警部など、ファンタジーから推理ものと対照的なジャンルを好んで読んでいた。それらは俺の世界に色を添え、想像の世界を広げてくれた。そんな楽しみに出会えた俺は、中学に入り点字に切り替えることに。
そこでの障がいは、点字を読むのにすごく時間がかかる、一点一点まさぐらないと読めない。慣れる前までは本当に読むのが嫌いで、何度点字本を放り捨てようかと思った。そんな自分の意識を変えさせ、読む気にさせたのは、やはり本だった。
自分の好きなラノベが点字であることを知り、読み始める内、ぐいぐい本に引き込まれ、どんどん読み、あっという間に苦手意識がなくなっていた。これのおかげで、専門的な勉強にも余裕で追いつけるようになったので、このきっかけがあってくれて本当によかったと思う。最近は、iPhoneのボイスオーバーなど、読み上げ機能が充実しているので、オンライン小説も読んだりしている。色を与えてくれた本。これからも、本と寄り添って、想像の世界を広げていければいいと思う。
協力会だより
日常生活用品(用具)をあっせんいたします
視覚障がい者の日常生活自立支援のため、日常生活用品(用具)の入手などについての相談、あっせんを行っています。
必要な用品(用具)がありましたら、事務局までご相談下さい。
視覚に障がいのない方でも使える、便利な商品などがたくさんそろっています。
■用品(用具)の一例
・点字機器類:標準点字盤、点字タイプライタ-など
・白 杖:折りたたみ、スライド式、置杖など
・日用品:裁縫道具、財布、小銭入れ、便利商品など
・その他:ロ-ビジョン用品や時計、おもちゃ、ゲ-ムなど
あなたの名刺にも点字印刷を!!
本会では、名刺に点字の印刷を行っています。新しく作る名刺に、点字を印刷してみませんか。
名刺への点字は、縦に5行、横に16文字以内であれば、所属名、職名、氏名、電話番号等を印刷することができます。
また、電化製品などの取扱説明書や各種契約書、飲食店用の食事メニュ-表などの点訳も行っています。
詳しくは、事務局までお問い合わせください。
点字体験講習会などに講師を派遣します
視覚障がい者への理解を深めていただくとともに、ボランティア活動および地域との交流促進を図るため、学校・サークル・団体の点字講習会などに講師を派遣しています。
授業や講習会などで点字体験を計画している学校・サークル・
団体などがありましたらご利用ください。
なお、点字機器や点字用紙などの教材は、こちらで準備します。
◆県視覚障がい者協力会 024(533)4085(ファクス兼用)
生活支援センターだより
1.平成28年度生活支援センターが開催する講座について
当生活支援センターでは、視覚に障がいのある方やその関係者からの生活相談を行っています。
また、視覚障がい者の社会参加を支援するための講座も開講しています。
今年度、開催する講座は次のとおりです。多くの方の参加をお待ちしています。
[開催講座]
・カラオケ教室 第1土曜日 午後1時~午後3時 (6月から年7回)
・大正琴教室(福島)第4土曜日 午前10時~正午 (7月から年3回)
・大正琴教室(郡山)第2木曜日 午後1時~午後3時 (7月から年3回)
・文学講座 6月25日(土曜日)・11月26日(土曜日) 午後1時~午後3時
・白杖歩行スキルアップセミナー(秋に2回)
・ハーブ石鹸作り 12月14日(水曜日)午後1時~午後3時
・調理教室(9月と平成29年2月)
[サークル活動]
・卓球サークル
毎週火曜日 午前10時~午後2時(4月~12月)
・唱歌・童謡を歌う会 第1木曜日 午後1時~午後3時(通年)
・コスモス勉強会(対面朗読) 毎週金曜日 午後1時~午後2時30分
詳しくはセンターまでお問い合わせください。
2.相談会のお知らせ
県障がい者総合福祉センター主催の視覚障がい者相談会が以下の日程で開催されます。参加は無料です。参加をご希望の方はお住まいの市町村福祉担当課までお申し込みください。
6月13日(月曜日)白河市中央老人福祉センター
7月15日(金曜日)南会津町御蔵入交流館
8月24日(水曜日)会津若松市生涯学習総合センター
(會津稽古堂)
9月14日(水曜日)田村市役所(多目的ホール)
10月18日(火曜日)相馬市総合福祉センター(はまなす館)
11月29日(火曜日)いわき市総合保健福祉センター
12月 6日(火曜日)二本松市福祉センター
3. 同行援護従事者養成のお知らせ
平成28年度の養成研修会をいわき市、福島市、会津若松市で6月から9月にかけて開催します。ご希望の方は下記センターにお問い合わせください。
◆県視覚障がい者生活支援センター 024(535)5275
福祉協会だより
平成27年度公益社団法人福島県視覚障がい者福祉協会3月定期社員総会を開催
3月27日に、郡山ビッグアイ7階市民交流プラザ(第1会議室)において、平成27年度の3月定期社員総会を開催しました。
県内6方部から46名が出席して、委任状を合わせて定足数に達したため、総会が成立しました。
定期社員総会では、3月定期理事会で審議された議案、平成28年度の本部事業計画、福島県点字図書館・福島県視覚障がい者生活支援センターの事業計画、収支予算(案)についての議案が、事務局から順次提案されました。慎重な審議の結果、いずれも事務局の原案どおりに承認されました。
平成28年度の新規事業としては、「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師」の免許保有者に対する「厚生労働大臣免許保有証」の発行に関する事務手続きを行う事になりました。保有証の発行を希望される視覚障がい者の方は、協会にお問い合わせください。
また、昨年度に引き続き、パソコン教室およびプレクストークリンクポケット講習会も開催予定です。詳しくは後日お知らせします。
◆県視覚障がい者福祉協会 024(535)5275