2月11日は県民の歌が制定された日です。
これまで、県民の皆さんに親しまれてきました「県民の歌」が、昭和42年2月11日に制定されてから、今年で52年を迎えました。
ここでは、「県民の歌」の誕生までの経緯を当時の写真とともに、ご紹介します。52年前に思いを馳せていただければ、「県民の歌」の歌詞「明るいふるさと福島をつくろう」にありますように、復興・地方創生に向かって歩みつづける現在の福島県民の象徴として、より多くの県民の皆様に歌われ、口ずさんでいただけるよう広く広報してまいります。
福島県「県民の歌」の誕生を振り返る。
1 福島県「県民の歌」の歌詞と曲
昭和42年に制定されました福島県「県民の歌」は、その歌詞と曲を県民の皆さんから公募し、審査会を経て決定されました。歌詞には、1,572件、曲には727件もの応募があり、その中から、吉田 武さんと星 和男さんの作品が選ばれました。
福島県「県民の歌」 作詞 吉田 武、作曲 星 和男 | |
※S42.3.25開催の福島県「県民の歌」 |
2 「県民の歌」制定までの道のり
昭和20年代から30年代にかけて多くの県で「県歌」や「県民の歌」が制定されました。本県においても「県民の歌」を望む声が多く寄せられるようになり、昭和41年に「県民の歌」の制定に向けた取組が始まりました。
制作までの経過は、次の表のとおりです。この内容については、昭和42年3月25日(土)に開催された 福島県「県民の歌」発表会において、当時の文書広報課長より報告されました。
年月日 | 会議名・概要 | 内容 |
S41.7.25 | 「県民の歌」制定会議 | 議題 県民の歌制定要綱、歌詞募集要領等 |
S41.8.1 | 作詞募集 開始 | 9.30日までの2か月間 |
S41.9.30 | 作詞募集 締切 | 応募総数 1,572件(うち県外63件) 男女別 男性932件 女性640件 年齢別 15歳から20歳が最も多く、以下20代、30代、40代、 50代、60代の順 最年少 9歳(小学生 女) 最年長 88歳(男) 職業別 勤労者、学生、農業、主婦、商業の順 |
S41.10.5 | 詞予備審査 | 2回の予備審査を経て、50作品にしぼる。 |
S41.10 | 詞審査会 | 審査の結果 吉田 武さんの作品が入選。他、佳作2人。 |
S41.10.29 | 「県民の歌」制定会議 | 議題 入選、佳作作品の決定、作曲募集要領 |
S41.11.1 | 作曲募集 開始 | 11月30日までの1か月間 |
S41.11.30 | 作曲募集 締切 | 応募総数 727件(うち県外27件) 男女別 男性444件 女性283件 年齢別 16歳から20歳が最も多く、以下30代、20代、 15歳以下の順 職業別 勤労者(うち教員126人)、学生、農業、主婦の順 |
S42.1.9 | 曲予備審査 | 譜面審査、演奏による審査を経て、20曲にしぼる。 (場所 ラジオ福島第一スタジオ) |
S42.1.28 | 曲審査会 | 審査の結果、星 和男さんの作品が入選。他、佳作2人。 (場所 ラジオ福島第一スタジオ) |
S42.2.10 | 「県民の歌」制定会議 | 議題 入選等の決定、今後の普及について |
S42.2.11 | 制定 | 福島県告示第119号 |
S42.3.25 | 福島県「県民の歌」発表会 | 福島市公会堂 13時30分~ |
歌詞を募集した広報誌 | 曲を募集した広報誌 | 福島県「県民の歌」制定会議の様子 |
3 福島県「県民の歌」発表会
福島県「県民の歌」発表会が昭和42年3月25日午後1時30分より福島市公会堂において開催されました。
発表会は、第1部では、立川澄人さんによる音楽ショーなどが行われ、第2部において、木村守江知事の挨拶や、古関裕而さんによる講評をいただいた後、「県民の歌」が発表されました。
木村守江知事の挨拶 | 本日ここに、県民の歌発表会を盛大に開催することができましたことは、私の最も欣びとするところであります。 ご承知のように、豊かな資源と美しい自然に恵まれた本県は、いま県民の総力をあげ、健康で住みよい県土の建設を目指して、力強い歩みを続けているところであります。この伸びゆく福島県を象徴する「県民の歌」の制度を望む声が県の内外より強くわき起りましたので、これが制定化を進めてまいったところであります。 さいわい、県民多数の方々のご協力をいただき、健康で明るい県土、そして豊かで美しい郷土を歌いあげた県民の歌をここに制定することが出来ましたことは二百万県民のみなさまと共に誠に喜びにたえません。 折しも、県では、青少年の健康育成をはじめ、交通安全、体力つくり、新生活等の県民運動を積極的に進めておりますが、県民の歌はこれらの運動の推進に、あるいは学校教育の面に寄与するところまことに大きいものがあると思料されるところであります。 この歌は、県民皆さんのものであります。今日の発表会を機会に、野に山に、そして町に村に、いつでもどこでも、この明るいメロディーが歌われますことを心から希望するものであります。 最後に、県民の歌制定に御尽力いただきました制定会議の方々、あるいはラジオ福島をはじめとする報道機関の皆様に心からお礼を申しあげ御挨拶といたします。 昭和42年3月25日 福島県知事 木村 守江 |
古関裕而さんによる講評 | 合唱(木村守江知事、立川澄人さん、古関裕而さん)の様子 |
発表会に集まる県民の皆さん |
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4 本県の復興と地方創生に向かって
県では、「県民の歌」を通して、復興へ向かって歩む県民の皆さんの一体感を高めるため、県庁内や各地方振興局における定期的な庁内放送を始め、県庁混声合唱団きびたきによる合唱の動画配信や、希望される方へ媒体でのメロディの配付などを行っています。
また、県内外の皆さんに「ふくしまの今」について、興味と関心を高めていただくため、世代や性別を問わず、メッセージを多くの人に伝えることができる歌「雲のかなた」を制作しました。この「雲のかなた」は、県民の皆さんや、本県に心を寄せていただいている方々から応募のあった「ふくしまへの想い」825通をもとに、谷村新司さんに作詞・作曲していただき、第9回声楽アンサンブルコンテスト全国大会金賞受賞の日本大学東北高等学校合唱部の皆さんに歌っていただきました。
今後も、「歌」を通して、県民の皆様を始め、応援いただける方々との輪を育み、「あしたの夢がはてなく伸びる明るいふるさと福島」を共に創造するため、「県民の歌」や新しい「歌」を広く広報してまいります。