県議会定例会(令和2年6月)
印刷用ページを表示する 掲載日:2020年6月23日更新
令和2年6月福島県議会定例会知事説明要旨(令和2年6月23日)
6月県議会定例会が開催されるに当たり、当面する重要な議案を提出いたしました。
以下、そのあらましについて御説明いたしますが、それに先立ち、県政に関する当面の諸課題について所信の一端を述べさせていただきます。
以下、そのあらましについて御説明いたしますが、それに先立ち、県政に関する当面の諸課題について所信の一端を述べさせていただきます。
新型コロナウイルス感染症の状況と県の対応について
「新型コロナウイルス感染症対策」について申し上げます。
はじめに、医師や看護師、病院スタッフの皆さん、そして保健所や臨床検査技師、消防機関の方々など、感染リスクのある過酷な状況の中で、全力を尽くして闘っておられる関係の皆さんに、深く敬意と感謝の意を表します。
4月に入り、国内での感染が急速に拡大した新型コロナウイルス感染症は、私たちの生活や社会経済活動など、様々な方面に甚大な影響を及ぼしております。福島県では、4月16日、政府による緊急事態宣言が全都道府県に拡大されたことを受けて、県内全域を対象として、外出の自粛、施設の使用制限、イベントの開催自粛などをお願いする「福島県緊急事態措置」を決定いたしました。
その後、本県を含む39県の緊急事態宣言の解除を受けて、県内における感染の大幅な増加が抑えられている状況や、医療提供体制の確保が図られていることを踏まえ、先月15日、「福島県緊急事態措置」を解除することとし、新たに「福島県新型コロナウイルス感染拡大防止対策」を策定いたしました。さらに先月27日には、全ての都道府県における緊急事態宣言が解除され、感染拡大を予防しながら、一定の期間を設け、段階的に社会経済の活動レベルを引き上げていくという政府方針が出されたことを踏まえ、県民や事業者の皆さんに対して、「新しい生活様式」の定着、施設における感染防止対策の徹底等の御協力を改めてお願いし、イベント等については、段階的に制限を緩和することといたしました。
この間、福島県では、予備費の活用等による県独自の取組に加え、国の第一次補正予算を積極的に活用し、令和2年5月福島県議会臨時会や専決処分により、今年度総額615億7千万円の増額補正を行ってまいりました。県民の皆さんの命と生活を守るため、医療関係者や経済界等、関係機関の御協力を頂きながら、空床補填による病床確保、軽症者等受入れ施設の運営などに取り組むとともに、新型コロナウイルス感染症の影響が、宿泊施設や飲食店を始め、様々な業種に広く及んでおり、農林水産業においても、牛肉、花き等の需要低迷や価格下落など、深刻な状況が続いていることから、3年間実質無利子型の特別資金の創設や、感染拡大防止に取り組む事業者への協力金・支援金・給付金の交付、オンラインストアを活用した農林水産物の販売促進、さらには、飲食店を応援するためのプレミアム付前払利用券の発行や、県内宿泊施設の利用を促進する福島県民限定の宿泊割引制度など、感染拡大防止対策、検査・医療提供体制の整備、事業者支援の取組を全庁一体となって進めてきたところであります。
そのような中、県内においては、先月9日以降、県民の皆さん、事業者の皆さんの御理解と御協力のおかげで、大幅な感染拡大が抑えられている状況にあります。また、社会経済活動につきましても、「3つの密」を避ける、人と人との距離をとるといった基本的な感染対策の継続や、時差出勤、在宅勤務の活用など、「新しい生活様式」を実践していただきながら、着実に事業再開への動きが見られるとともに、学校におきましても、指針に基づく感染症対策を徹底しながら、6月1日から通常の教育活動を再開するなど、私たちの日常を取り戻す取組が一つずつ進められております。
しかしながら、今回の緊急事態措置の解除は、「安全宣言」ではありません。県内においても、しばらくの間、感染拡大が抑えられていた中、先日、新たな感染者が確認されました。新型コロナウイルス感染症はいまだ収束しておらず、ひとたび油断をすると、再び感染が拡大する可能性は十分にあり、新型コロナウイルス感染症との闘いは長期戦となります。今後は、感染状況等の継続的な監視、検査体制や医療提供体制の充実等を図ることにより、再び感染が拡大することを警戒しながら、大変厳しい状況にある県内経済を早急に立て直すという難しい対応が求められております。
このため、今期定例会におきましては、地方創生臨時交付金の増額など、先般成立した国の二次補正予算等を踏まえ、更なる感染拡大防止対策や医療提供体制の整備を始め、学校の臨時休業等に備えたオンライン学習への支援、商工業や観光業、農林水産業等、深刻な状況にある県内経済活動の回復などに向けて重要な予算案を提出したところであります。
今後とも、この難局を乗り越え、再び日常を取り戻すことができるよう、国、各都道府県、市町村を始め、医療関係者、経済界など、関係機関と最大限連携しながら、県民の皆さんの命や生活環境の変化等に伴い悪化が懸念される心身の健康を守ることはもとより、「新しい生活様式」の定着と県内経済・雇用の力強い回復の両立に向けて、全力で取り組んでまいります。
はじめに、医師や看護師、病院スタッフの皆さん、そして保健所や臨床検査技師、消防機関の方々など、感染リスクのある過酷な状況の中で、全力を尽くして闘っておられる関係の皆さんに、深く敬意と感謝の意を表します。
4月に入り、国内での感染が急速に拡大した新型コロナウイルス感染症は、私たちの生活や社会経済活動など、様々な方面に甚大な影響を及ぼしております。福島県では、4月16日、政府による緊急事態宣言が全都道府県に拡大されたことを受けて、県内全域を対象として、外出の自粛、施設の使用制限、イベントの開催自粛などをお願いする「福島県緊急事態措置」を決定いたしました。
その後、本県を含む39県の緊急事態宣言の解除を受けて、県内における感染の大幅な増加が抑えられている状況や、医療提供体制の確保が図られていることを踏まえ、先月15日、「福島県緊急事態措置」を解除することとし、新たに「福島県新型コロナウイルス感染拡大防止対策」を策定いたしました。さらに先月27日には、全ての都道府県における緊急事態宣言が解除され、感染拡大を予防しながら、一定の期間を設け、段階的に社会経済の活動レベルを引き上げていくという政府方針が出されたことを踏まえ、県民や事業者の皆さんに対して、「新しい生活様式」の定着、施設における感染防止対策の徹底等の御協力を改めてお願いし、イベント等については、段階的に制限を緩和することといたしました。
この間、福島県では、予備費の活用等による県独自の取組に加え、国の第一次補正予算を積極的に活用し、令和2年5月福島県議会臨時会や専決処分により、今年度総額615億7千万円の増額補正を行ってまいりました。県民の皆さんの命と生活を守るため、医療関係者や経済界等、関係機関の御協力を頂きながら、空床補填による病床確保、軽症者等受入れ施設の運営などに取り組むとともに、新型コロナウイルス感染症の影響が、宿泊施設や飲食店を始め、様々な業種に広く及んでおり、農林水産業においても、牛肉、花き等の需要低迷や価格下落など、深刻な状況が続いていることから、3年間実質無利子型の特別資金の創設や、感染拡大防止に取り組む事業者への協力金・支援金・給付金の交付、オンラインストアを活用した農林水産物の販売促進、さらには、飲食店を応援するためのプレミアム付前払利用券の発行や、県内宿泊施設の利用を促進する福島県民限定の宿泊割引制度など、感染拡大防止対策、検査・医療提供体制の整備、事業者支援の取組を全庁一体となって進めてきたところであります。
そのような中、県内においては、先月9日以降、県民の皆さん、事業者の皆さんの御理解と御協力のおかげで、大幅な感染拡大が抑えられている状況にあります。また、社会経済活動につきましても、「3つの密」を避ける、人と人との距離をとるといった基本的な感染対策の継続や、時差出勤、在宅勤務の活用など、「新しい生活様式」を実践していただきながら、着実に事業再開への動きが見られるとともに、学校におきましても、指針に基づく感染症対策を徹底しながら、6月1日から通常の教育活動を再開するなど、私たちの日常を取り戻す取組が一つずつ進められております。
しかしながら、今回の緊急事態措置の解除は、「安全宣言」ではありません。県内においても、しばらくの間、感染拡大が抑えられていた中、先日、新たな感染者が確認されました。新型コロナウイルス感染症はいまだ収束しておらず、ひとたび油断をすると、再び感染が拡大する可能性は十分にあり、新型コロナウイルス感染症との闘いは長期戦となります。今後は、感染状況等の継続的な監視、検査体制や医療提供体制の充実等を図ることにより、再び感染が拡大することを警戒しながら、大変厳しい状況にある県内経済を早急に立て直すという難しい対応が求められております。
このため、今期定例会におきましては、地方創生臨時交付金の増額など、先般成立した国の二次補正予算等を踏まえ、更なる感染拡大防止対策や医療提供体制の整備を始め、学校の臨時休業等に備えたオンライン学習への支援、商工業や観光業、農林水産業等、深刻な状況にある県内経済活動の回復などに向けて重要な予算案を提出したところであります。
今後とも、この難局を乗り越え、再び日常を取り戻すことができるよう、国、各都道府県、市町村を始め、医療関係者、経済界など、関係機関と最大限連携しながら、県民の皆さんの命や生活環境の変化等に伴い悪化が懸念される心身の健康を守ることはもとより、「新しい生活様式」の定着と県内経済・雇用の力強い回復の両立に向けて、全力で取り組んでまいります。
東日本大震災からの復旧・復興について
次に、「避難地域の復興・再生」についてであります。
この春、双葉町、大熊町、富岡町の一部地域で避難指示が解除されました。いずれも、帰還困難区域では初の解除、特に、全町避難が続いていた双葉町では初めての解除であり、避難地域の復興・再生に向けて、また一つ新たなステージへと移行したところであります。
また、震災から9年の時を経てJR常磐線が全線で運転再開し、常磐自動車道の全線開通に続いて、浜通り地方はもとより、首都圏や東北地方とのつながりを更に強固なものとする重要な交通インフラが整うなど、この9年間で福島の復興は着実に前進しております。引き続き、避難されている方々に、古里の復興が進んでいることを実感していただけるよう、住民の皆さんの帰還に向けた環境整備はもとより、様々な地域との交流の促進や観光の振興、さらには福島イノベーション・コースト構想の進展を始めとする新たな産業の集積などに、国、自治体、関係機関等と一体となって取り組んでまいります。
福島の復興は10年で終わることなく、今後も長い戦いが続きます。今年度は、復興・創生期間の最終年度であり、復興を着実に前に進めるとともに、これまでの成果を基に、復興・創生期間後の新たなステージを形作るための土台を築き、福島の未来に向かって新たな挑戦を続けていかなければなりません。
そのような中、今月、福島の復興・再生の要である復興庁設置法等の一部を改正する法律が成立しました。復興庁設置期間の10年間延長や帰還の促進に加え、移住等の促進、営農再開の加速化、風評被害への対応など、これまで要望してきた復興・創生期間後の取組を支える仕組みとして重要な体制・制度・財源が盛り込まれたところであります。
また、明日24日に、関係省庁や政党に対し、復興・創生期間後も切れ目なく安心して復興に取り組むことができるよう、令和3年度に向けての提案・要望活動を行うこととしております。今後とも、長期にわたる福島の復興が成し遂げられるまで、復興のステージに応じたきめ細かな対応や十分な財源の確保を求めてまいります。
次に、「環境回復」について申し上げます。
中間貯蔵施設事業につきましては、昨年度は29市町村から約406万立方メートルの除去土壌等を搬入し、今年度も25市町村から400万立方メートル程度の搬入を目指して輸送が行われており、これまでの搬入量は、対象物量の半分を超える進捗となっております。引き続き、特定廃棄物の埋立処分事業も含め、輸送や施設整備等が安全・確実に実施されるよう、関係自治体と連携しながら国の取組を確認してまいります。
福島第一原発の廃炉につきましては、今年3月に、東京電力において、汚染水対策、プール燃料や燃料デブリ取り出しなど、中長期ロードマップに掲げられた目標を達成するための具体的な計画である「廃炉中長期実行プラン2020」が策定されました。引き続き、福島復興の大前提となる廃炉作業が、安全かつ着実に実施されるよう、東京電力の取組について確認を続けてまいります。
また、トリチウムを含む処理水の取扱いにつきましては、4月に、「関係者の御意見を伺う場」が開催され、その取扱方針を決めるに当たり、具体的な風評対策の提示とトリチウムに関する正確な情報発信に、国及び東京電力が責任を持って取り組むよう意見を申し上げてまいりました。国及び東京電力には、引き続き、幅広い関係者の意見を丁寧に伺いながら、慎重に対応方針を検討するよう求めてまいります。
先月29日、東京電力から安全確保協定に基づき、福島第二原子力発電所の廃止措置計画が提出されたところであります。福島第二原発につきましても、福島第一原発と併せ、安全かつ着実に廃炉作業に取り組むよう求めてまいります。
次に、「産業政策」について申し上げます。
今年の3月末、福島イノベーション・コースト構想の中核拠点である福島ロボットテストフィールドが全面開所いたしました。また、先月1日、福島イノベーション・コースト構想を基軸とした産業発展の青写真を踏まえて変更した重点推進計画が、内閣総理大臣から認定され、今月8日には、国際教育研究拠点に関する有識者会議の最終報告が取りまとめられるなど、福島イノベーション・コースト構想の具体化に向けた取組が、新たな展開を見せております。
今後とも、国や福島イノベーション・コースト構想推進機構を始め、市町村、大学や研究機関等と連携を密にしながら、浜通り地域はもとより、福島県全域での産業再生、世界に誇れる福島の復興・創生の実現を目指し、地元企業の幅広い参画や進出企業との連携による新産業の創出、人材育成、交流人口の拡大に向けた取組を全力で進めてまいります。
再生可能エネルギーにつきましては、福島新エネ社会構想に基づき、今年3月、福島水素エネルギー研究フィールドが開所するなど、様々な取組が着実に具体化しております。
そうした中、先月開催された第6回福島新エネ社会構想実現会議において、来年度からの第2フェーズを見据えて、今後の更なる展開の方向性が示されました。福島県が名実ともに「再生可能エネルギー先駆けの地」となるためにも、国や自治体を始め、関係の皆さんと連携しながら、継続した取組をしっかりと進めるとともに、新たな取組等について検討してまいります。
次に、「風評・風化対策」について申し上げます。
先月、全国新酒鑑評会において、福島県の日本酒は、震災後最多となる33銘柄が入賞しました。このたびの入賞は、蔵元の皆さんが、日々、御苦労を重ね、懸命に努力されてきた結果であり、改めて、ふくしまの酒の魅力が高く評価されたものと感じております。
風評・風化の問題は、県民の皆さんの御努力や全庁一体となった取組により、様々な成果が現れている一方で、いまだ多くの課題が残されており、これまでの活動をいかした粘り強い対策や、新たな挑戦を続けていくことが大切であると改めて実感しております。
そのため、これまでの成果や課題を踏まえ、今年3月に、「福島県風評・風化対策強化戦略(第4版)」を策定いたしました。積極的なチャレンジの継続、「アップデート」と「ビジット」の更なる推進、共感・共働による信頼関係の構築を三つの柱に掲げ、福島に心を寄せてくださる方々のお力をお借りしながら、丁寧に正確な情報を発信し続けるなど、引き続き、全庁一体となって、福島の今と様々な魅力が広く伝わる取組を進めてまいります。
次に、農林水産業の再生について申し上げます。
昨年度は、タイ向けの輸出量が100トンを超えるなど、県産農産物の輸出実績は3年連続で過去最高を更新し、オンラインストアにおける売上実績も、前年度から4億円増の26億円となりました。
また、JAグループと連携しながら日本一を目指して取組を進めている認証GAPの取得件数が昨年度末で269件となるなど、関係の皆さんと共に取り組んできた成果が、着実に形となって現れてきております。
水産業につきましては、全ての海産魚介類の出荷制限が解除され、請戸地方卸売市場の競りも9年ぶりに再開されるなど、漁業者の皆さんが安心して漁業を営み、操業拡大に向けて取り組むことができる環境が整いつつあります。
引き続き、県産農林水産物の安全性や高い品質を積極的に発信しながら、国内外への販路拡大を進めるとともに、新しい県オリジナル米「福、笑い」を始めとした、県産農林水産物のブランド化を推進することにより、信頼され、選ばれる産地づくりに取り組み、本県の基幹産業である農林水産業を力強く再生してまいります。
次に、「子ども・若者育成」について申し上げます。
震災後、一時的に静岡県御殿場市に移転していたJFAアカデミー福島男子について、来年4月から福島で、プログラムを一部変更し再開されることが、日本サッカー協会の理事会で正式決定されました。復興のシンボルとして昨年4月にグランドオープンしたJヴィレッジの地で、世界で通用する人材育成をテーマに再び動き出すことは、復興を力強く後押しし、また一つ、福島の未来に大きな希望の光を輝かせるものとなります。今後も、日本サッカー協会と緊密に連携しながら、新たな双葉地区教育構想の下、社会をリードする人材育成を進めてまいります。
福島の未来を担う子どもや若者の育成は、復興という長い道のりを支え、新しいふくしまを築いていく上で、極めて大切な取組であります。引き続き、子どもたちが夢や希望を持って未来を切り拓いていけるよう、福島ならではの教育や教育環境の更なる充実に取り組んでまいります。
この春、双葉町、大熊町、富岡町の一部地域で避難指示が解除されました。いずれも、帰還困難区域では初の解除、特に、全町避難が続いていた双葉町では初めての解除であり、避難地域の復興・再生に向けて、また一つ新たなステージへと移行したところであります。
また、震災から9年の時を経てJR常磐線が全線で運転再開し、常磐自動車道の全線開通に続いて、浜通り地方はもとより、首都圏や東北地方とのつながりを更に強固なものとする重要な交通インフラが整うなど、この9年間で福島の復興は着実に前進しております。引き続き、避難されている方々に、古里の復興が進んでいることを実感していただけるよう、住民の皆さんの帰還に向けた環境整備はもとより、様々な地域との交流の促進や観光の振興、さらには福島イノベーション・コースト構想の進展を始めとする新たな産業の集積などに、国、自治体、関係機関等と一体となって取り組んでまいります。
福島の復興は10年で終わることなく、今後も長い戦いが続きます。今年度は、復興・創生期間の最終年度であり、復興を着実に前に進めるとともに、これまでの成果を基に、復興・創生期間後の新たなステージを形作るための土台を築き、福島の未来に向かって新たな挑戦を続けていかなければなりません。
そのような中、今月、福島の復興・再生の要である復興庁設置法等の一部を改正する法律が成立しました。復興庁設置期間の10年間延長や帰還の促進に加え、移住等の促進、営農再開の加速化、風評被害への対応など、これまで要望してきた復興・創生期間後の取組を支える仕組みとして重要な体制・制度・財源が盛り込まれたところであります。
また、明日24日に、関係省庁や政党に対し、復興・創生期間後も切れ目なく安心して復興に取り組むことができるよう、令和3年度に向けての提案・要望活動を行うこととしております。今後とも、長期にわたる福島の復興が成し遂げられるまで、復興のステージに応じたきめ細かな対応や十分な財源の確保を求めてまいります。
次に、「環境回復」について申し上げます。
中間貯蔵施設事業につきましては、昨年度は29市町村から約406万立方メートルの除去土壌等を搬入し、今年度も25市町村から400万立方メートル程度の搬入を目指して輸送が行われており、これまでの搬入量は、対象物量の半分を超える進捗となっております。引き続き、特定廃棄物の埋立処分事業も含め、輸送や施設整備等が安全・確実に実施されるよう、関係自治体と連携しながら国の取組を確認してまいります。
福島第一原発の廃炉につきましては、今年3月に、東京電力において、汚染水対策、プール燃料や燃料デブリ取り出しなど、中長期ロードマップに掲げられた目標を達成するための具体的な計画である「廃炉中長期実行プラン2020」が策定されました。引き続き、福島復興の大前提となる廃炉作業が、安全かつ着実に実施されるよう、東京電力の取組について確認を続けてまいります。
また、トリチウムを含む処理水の取扱いにつきましては、4月に、「関係者の御意見を伺う場」が開催され、その取扱方針を決めるに当たり、具体的な風評対策の提示とトリチウムに関する正確な情報発信に、国及び東京電力が責任を持って取り組むよう意見を申し上げてまいりました。国及び東京電力には、引き続き、幅広い関係者の意見を丁寧に伺いながら、慎重に対応方針を検討するよう求めてまいります。
先月29日、東京電力から安全確保協定に基づき、福島第二原子力発電所の廃止措置計画が提出されたところであります。福島第二原発につきましても、福島第一原発と併せ、安全かつ着実に廃炉作業に取り組むよう求めてまいります。
次に、「産業政策」について申し上げます。
今年の3月末、福島イノベーション・コースト構想の中核拠点である福島ロボットテストフィールドが全面開所いたしました。また、先月1日、福島イノベーション・コースト構想を基軸とした産業発展の青写真を踏まえて変更した重点推進計画が、内閣総理大臣から認定され、今月8日には、国際教育研究拠点に関する有識者会議の最終報告が取りまとめられるなど、福島イノベーション・コースト構想の具体化に向けた取組が、新たな展開を見せております。
今後とも、国や福島イノベーション・コースト構想推進機構を始め、市町村、大学や研究機関等と連携を密にしながら、浜通り地域はもとより、福島県全域での産業再生、世界に誇れる福島の復興・創生の実現を目指し、地元企業の幅広い参画や進出企業との連携による新産業の創出、人材育成、交流人口の拡大に向けた取組を全力で進めてまいります。
再生可能エネルギーにつきましては、福島新エネ社会構想に基づき、今年3月、福島水素エネルギー研究フィールドが開所するなど、様々な取組が着実に具体化しております。
そうした中、先月開催された第6回福島新エネ社会構想実現会議において、来年度からの第2フェーズを見据えて、今後の更なる展開の方向性が示されました。福島県が名実ともに「再生可能エネルギー先駆けの地」となるためにも、国や自治体を始め、関係の皆さんと連携しながら、継続した取組をしっかりと進めるとともに、新たな取組等について検討してまいります。
次に、「風評・風化対策」について申し上げます。
先月、全国新酒鑑評会において、福島県の日本酒は、震災後最多となる33銘柄が入賞しました。このたびの入賞は、蔵元の皆さんが、日々、御苦労を重ね、懸命に努力されてきた結果であり、改めて、ふくしまの酒の魅力が高く評価されたものと感じております。
風評・風化の問題は、県民の皆さんの御努力や全庁一体となった取組により、様々な成果が現れている一方で、いまだ多くの課題が残されており、これまでの活動をいかした粘り強い対策や、新たな挑戦を続けていくことが大切であると改めて実感しております。
そのため、これまでの成果や課題を踏まえ、今年3月に、「福島県風評・風化対策強化戦略(第4版)」を策定いたしました。積極的なチャレンジの継続、「アップデート」と「ビジット」の更なる推進、共感・共働による信頼関係の構築を三つの柱に掲げ、福島に心を寄せてくださる方々のお力をお借りしながら、丁寧に正確な情報を発信し続けるなど、引き続き、全庁一体となって、福島の今と様々な魅力が広く伝わる取組を進めてまいります。
次に、農林水産業の再生について申し上げます。
昨年度は、タイ向けの輸出量が100トンを超えるなど、県産農産物の輸出実績は3年連続で過去最高を更新し、オンラインストアにおける売上実績も、前年度から4億円増の26億円となりました。
また、JAグループと連携しながら日本一を目指して取組を進めている認証GAPの取得件数が昨年度末で269件となるなど、関係の皆さんと共に取り組んできた成果が、着実に形となって現れてきております。
水産業につきましては、全ての海産魚介類の出荷制限が解除され、請戸地方卸売市場の競りも9年ぶりに再開されるなど、漁業者の皆さんが安心して漁業を営み、操業拡大に向けて取り組むことができる環境が整いつつあります。
引き続き、県産農林水産物の安全性や高い品質を積極的に発信しながら、国内外への販路拡大を進めるとともに、新しい県オリジナル米「福、笑い」を始めとした、県産農林水産物のブランド化を推進することにより、信頼され、選ばれる産地づくりに取り組み、本県の基幹産業である農林水産業を力強く再生してまいります。
次に、「子ども・若者育成」について申し上げます。
震災後、一時的に静岡県御殿場市に移転していたJFAアカデミー福島男子について、来年4月から福島で、プログラムを一部変更し再開されることが、日本サッカー協会の理事会で正式決定されました。復興のシンボルとして昨年4月にグランドオープンしたJヴィレッジの地で、世界で通用する人材育成をテーマに再び動き出すことは、復興を力強く後押しし、また一つ、福島の未来に大きな希望の光を輝かせるものとなります。今後も、日本サッカー協会と緊密に連携しながら、新たな双葉地区教育構想の下、社会をリードする人材育成を進めてまいります。
福島の未来を担う子どもや若者の育成は、復興という長い道のりを支え、新しいふくしまを築いていく上で、極めて大切な取組であります。引き続き、子どもたちが夢や希望を持って未来を切り拓いていけるよう、福島ならではの教育や教育環境の更なる充実に取り組んでまいります。
令和元年東日本台風等に関する災害対応について
次に、「令和元年東日本台風等に関する災害対応」について申し上げます。
福島県では、頻発・激甚化する自然災害への対応を強化し、安全で安心な県づくりを推進するため、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策などを通じて、総合的な防災、減災対策に取り組んでおります。
今年の2月には、令和元年東日本台風等による災害を踏まえ、水災害への対応として、福島県緊急水災害対策プロジェクトを取りまとめたところであり、国や市町村などと連携しながら、令和6年度までに、改良復旧事業や堤防強化などのハードと、情報発信の強化などのソフトの両面の対策に、集中的に取り組んでまいります。
また、今月、福島県台風第19号災害対応検証委員会の御意見などを踏まえ、県民の命を守る避難の在り方に係る取組等について、中間報告として取りまとめたところであります。引き続き、市町村と連携しながら、分散避難や避難所における過密防止などの新型コロナウイルス感染症対策を推進するとともに、迅速かつ的確な避難につながるよう、危機感が伝わる情報発信や、避難について日頃から家族で話し合う「マイ避難」の周知啓発などに取り組み、災害に強い体制づくりを全力で進めてまいります。
福島県では、頻発・激甚化する自然災害への対応を強化し、安全で安心な県づくりを推進するため、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策などを通じて、総合的な防災、減災対策に取り組んでおります。
今年の2月には、令和元年東日本台風等による災害を踏まえ、水災害への対応として、福島県緊急水災害対策プロジェクトを取りまとめたところであり、国や市町村などと連携しながら、令和6年度までに、改良復旧事業や堤防強化などのハードと、情報発信の強化などのソフトの両面の対策に、集中的に取り組んでまいります。
また、今月、福島県台風第19号災害対応検証委員会の御意見などを踏まえ、県民の命を守る避難の在り方に係る取組等について、中間報告として取りまとめたところであります。引き続き、市町村と連携しながら、分散避難や避難所における過密防止などの新型コロナウイルス感染症対策を推進するとともに、迅速かつ的確な避難につながるよう、危機感が伝わる情報発信や、避難について日頃から家族で話し合う「マイ避難」の周知啓発などに取り組み、災害に強い体制づくりを全力で進めてまいります。
地方創生・人口減少対策について
次に、「地方創生・人口減少対策」について申し上げます。
福島の人口は、出生数の減少や進学・就職に伴う若者の県外流出などにより、依然として減少傾向にあり、厳しい状況が続いております。
一方で、これまでの取組により、合計特殊出生率が全国平均を上回って推移しているほか、若い世代を中心に移住世帯が過去最高となるなど、着実に成果も現れてきております。
こうした流れをより一層確かなものとするため、今年度を初年度とする「ふくしま創生総合戦略」に基づき、結婚・出産・子育てへの切れ目のない支援の充実や、年齢、性別、障がいの有無などにかかわらず誰もが活躍できる環境づくりを始め、活力ある地域産業の育成や新たな産業の創出、子どもの頃から地域への愛着や誇りを育む取組、ふくしまで挑戦し輝いている方々を積極的に発信するなど、多くの皆さんのお力添えを頂きながら、福島ならではの地方創生に全庁一体となって取り組んでまいります。
新型コロナウイルス感染症は、私たちの日常に大きな影響を及ぼしております。これまで当たり前のように過ごしてきた日々の暮らしはもとより、学校生活や働き方など、様々な活動について、「新しい生活様式」に転換することが求められております。
そうした中、インターネットやSNSの活用を始め、オンラインでの交流、新たなサービスの導入や事業展開など、県民、事業者の皆さんそれぞれが、知恵を絞り、工夫を凝らしながら、新しい日常を作っていこうと努力を重ねておられます。
また、夢の舞台として目標としていた様々な大会・イベントが延期や中止となる中、「下を向いてばかりはいられない」、「できることはまだある、やれることを全力でやろう」と、前を向いて進もうとしている福島の子どもたちや若者がいます。
福島県は、これまで震災と原発事故、昨年の台風災害など、多くの困難に直面し、そのたびに、再生への強い思いと未来への希望を胸に、苦しい状況を変えていこうと新たな挑戦を続けてまいりました。これからも、この力強い福島県民の大きな力を結集して、何としてもこの困難・難局を乗り越えるという決意の下、新しい福島の創造に向けて、全力で挑戦を続けてまいります。
福島の人口は、出生数の減少や進学・就職に伴う若者の県外流出などにより、依然として減少傾向にあり、厳しい状況が続いております。
一方で、これまでの取組により、合計特殊出生率が全国平均を上回って推移しているほか、若い世代を中心に移住世帯が過去最高となるなど、着実に成果も現れてきております。
こうした流れをより一層確かなものとするため、今年度を初年度とする「ふくしま創生総合戦略」に基づき、結婚・出産・子育てへの切れ目のない支援の充実や、年齢、性別、障がいの有無などにかかわらず誰もが活躍できる環境づくりを始め、活力ある地域産業の育成や新たな産業の創出、子どもの頃から地域への愛着や誇りを育む取組、ふくしまで挑戦し輝いている方々を積極的に発信するなど、多くの皆さんのお力添えを頂きながら、福島ならではの地方創生に全庁一体となって取り組んでまいります。
新型コロナウイルス感染症は、私たちの日常に大きな影響を及ぼしております。これまで当たり前のように過ごしてきた日々の暮らしはもとより、学校生活や働き方など、様々な活動について、「新しい生活様式」に転換することが求められております。
そうした中、インターネットやSNSの活用を始め、オンラインでの交流、新たなサービスの導入や事業展開など、県民、事業者の皆さんそれぞれが、知恵を絞り、工夫を凝らしながら、新しい日常を作っていこうと努力を重ねておられます。
また、夢の舞台として目標としていた様々な大会・イベントが延期や中止となる中、「下を向いてばかりはいられない」、「できることはまだある、やれることを全力でやろう」と、前を向いて進もうとしている福島の子どもたちや若者がいます。
福島県は、これまで震災と原発事故、昨年の台風災害など、多くの困難に直面し、そのたびに、再生への強い思いと未来への希望を胸に、苦しい状況を変えていこうと新たな挑戦を続けてまいりました。これからも、この力強い福島県民の大きな力を結集して、何としてもこの困難・難局を乗り越えるという決意の下、新しい福島の創造に向けて、全力で挑戦を続けてまいります。
令和元年度決算見込みについて
次に、令和元年度一般会計の決算見込みについて申し上げます。
令和元年度予算につきましては、復興・創生期間の後半となる重要な年として、復興の加速と福島ならではの地方創生に取り組むための当初予算に加え、令和元年東日本台風等による災害からの復旧や生活再建に向けた取組、さらには、新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応など、喫緊の課題に対応するため10度にわたる補正予算を編成してまいりました。
復興に係る広範かつ多額の財政需要に対しましては、「原子力災害等復興基金」を始めとする各種基金や震災復興特別交付税を活用するなど、あらゆる方策を講じて財源確保に努めてきたところであります。
この結果、一般会計の決算見込額は、歳入で1兆4千254億円、歳出で1兆3千326億円となり、その差額である928億円から翌年度への繰越事業に充当すべき財源844億円を差し引いた実質収支額で、84億円程度となる見込みであります。
令和元年度予算につきましては、復興・創生期間の後半となる重要な年として、復興の加速と福島ならではの地方創生に取り組むための当初予算に加え、令和元年東日本台風等による災害からの復旧や生活再建に向けた取組、さらには、新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応など、喫緊の課題に対応するため10度にわたる補正予算を編成してまいりました。
復興に係る広範かつ多額の財政需要に対しましては、「原子力災害等復興基金」を始めとする各種基金や震災復興特別交付税を活用するなど、あらゆる方策を講じて財源確保に努めてきたところであります。
この結果、一般会計の決算見込額は、歳入で1兆4千254億円、歳出で1兆3千326億円となり、その差額である928億円から翌年度への繰越事業に充当すべき財源844億円を差し引いた実質収支額で、84億円程度となる見込みであります。
提出議案について
提出議案について御説明申し上げます。
令和2年度一般会計補正予算案につきましては、国の補正予算を活用した新型コロナウイルス感染症の拡大防止や医療提供体制の整備、さらには、県内経済の力強い回復に向けた取組など、緊急に措置すべき経費を計上いたしました。
これによる一般会計補正予算の総額は、335億9百万円となり、本年度予算の累計は1兆5千369億1千5百万円となります。
特別会計等補正予算案につきましては、小規模企業者等設備導入資金貸付金等特別会計において、令和元年東日本台風等の被災中小企業等に対する長期・無利子の貸付に要する経費を計上いたしました。
その他の議案といたしましては、条例が「福島県税条例の一部を改正する条例」など11件、条例以外の議案が「県の行う建設事業等に対する市町村の負担について」など15件で、いずれも県政執行上重要な案件であります。
慎重に御審議の上、速やかな御議決をお願い申し上げます。
令和2年度一般会計補正予算案につきましては、国の補正予算を活用した新型コロナウイルス感染症の拡大防止や医療提供体制の整備、さらには、県内経済の力強い回復に向けた取組など、緊急に措置すべき経費を計上いたしました。
これによる一般会計補正予算の総額は、335億9百万円となり、本年度予算の累計は1兆5千369億1千5百万円となります。
特別会計等補正予算案につきましては、小規模企業者等設備導入資金貸付金等特別会計において、令和元年東日本台風等の被災中小企業等に対する長期・無利子の貸付に要する経費を計上いたしました。
その他の議案といたしましては、条例が「福島県税条例の一部を改正する条例」など11件、条例以外の議案が「県の行う建設事業等に対する市町村の負担について」など15件で、いずれも県政執行上重要な案件であります。
慎重に御審議の上、速やかな御議決をお願い申し上げます。